訃報・・・それは昨日の朝、一本の電話から始まった。

鹿児島に住む、大魔王さまの父方の叔母さんが危篤であると
従兄弟の嫁さんからのものだった。

その叔母さんとは去年の一昨年の夏、まだセミがうるさく鳴いて
居た頃、帰省した時老人ホームにて女王は初対面していた。

綺麗な顔立ちの義父さんの姉にあたるその叔母さんは
うちのばば女王に比べるとずっと元気そうで
車椅子には乗っていたが辛そうではなかった。

大魔王さまの嫁として初めて会った女王にも明るい笑顔を見せて
くれていた。
若干、大魔王さまの嫁が前の嫁と違う事に頭の中が???とは、なっている様子
ではあったが帰る頃になると納得が行った様な様子であった。

その叔母さんが昨日の深夜11:31あの世へと旅立った。

大魔王さまと女王の暮らす奈良県から鹿児島までは
車で夜中に走ってザット10時間余り片道1000キロの道のりで
ある為、訃報を聞いてもオイそれと帰れるような距離ではない。

連絡をくれた従兄弟は大阪に住んでいて自営業なので
仕事を追い込んで鹿児島へと車を走らせると言っていた。

そこへ義父さんも同乗させてもらうようにとは頼んではある。
けれど、親戚の訃報に大魔王さまもきっと手を合わせて見送りたい
気持ちがない訳では無い事を思うと女王も胸を締め付けられる
思いがする。

女王にも両親がまだ健在とは言いがたいがこの世に存在する。
その両親のどちらかがもし・・・って事になったら

やはり、住んでいる場所に関係なくたくさんの親族に見送ってもらいたい。

そんな事を考え眠れずに朝を迎えた。

すると、大魔王さま。
かなり迷っている様子だった。
女王の思っているような事を大魔王さまもまた同じように
考えているようだった。

女王はどうしてもしなくてはいけない事が日曜日にあるので
一緒に鹿児島へ行く事は出来ないが大魔王さま一人でも
行って欲しいと思っている。

が、

大魔王さまは夫婦でじゃないと行かないとダダをこねている。
46歳の幼稚園児またも女王を困らせる。

困らせると言うと義父さんもまたそうな訳で
「お金も無いのに帰らない!」と言って大阪の叔母さん=従兄弟の母=義父の妹を
困らせている。
兄弟のたった一人の男だという自覚はまるで無い様子だ。困ったもんだ。
自分の姉さんの死に対してもかなりクールな義父さんに
女王はすこし驚いている。

80数年生きてきて弟にそんな事を理由に別れの挨拶にも
来てもらえないなんて寂しすぎる。
何とか説得して大阪組の車に乗せるまでが
今回女王に課せられた使命の様に思う。

生きていく事も大事であれば
死んでいくのもまた避けられない。

今回の事で
生きるという事をまた考えさせられました。

今度のお盆にはみんな誘い合わせて叔母さんの眠るお墓に
手を合わせに行きたいと思います。