うちの息子は小さい時に、誰も教えていないのに何でも言葉を反対から言う子でした。ヘビはビヘ、ミミズはズミミといった具合で、業界の人みたいでした。普通の親なら、違うよと言って正しく教えるのでしょうが、私も主人も何だか面白くてそのまま息子の言い方に付き合っていました。
その上、ものすごい訛っていました。いつも面倒を見てくれていたのがひいおじいちゃんとひいおばあちゃんだったので、聞こえてくる言葉を真似して覚えたようです。私が聞き取れないような言葉も理解できていて、ご近所のお年寄りと普通に会話ができる面白い子でした。
ある日、主人と息子と3人で動物園に行く事になりました。主人の仕事は忙しくて中々休めなかったので、久しぶりのお出かけに息子も嬉しそうでした。車で1時間くらい所だったのですが、渋滞もなくすんなり着きました。
どんな動物さんがいるかなぁなどと言いながらワクワクして入ったのですが、息子は一言、臭い!帰る!と。しかも大きな声だったので周りの視線を一斉に私達の方に。主人が何とかなだめて連れて行ってくれたのですが、どうも嫌な予感がしてきました。2人はゆっくり動物を見る事もなく、すごいスピードで先を行ってしまい、ゆっくりちゃんと見て欲しいと思った私は、ちょっぴり残念だなぁと思いながら追いかけました。
しばらく追いかけていくと、立ち止まって動物をじっと見ていたので興味が湧いてきたのかも!と近寄ってみると、息子が「バカさん!ママ、バカさんよ!」と叫んでいました。
カバを見て私に教えてくれるのは良かったのですが、いつものように反対から言っていたんです。周りの人達はみんな大爆笑。私も主人もカバさんだよね〜と何回も言ったのですが、息子はずっとバカさーん!とカバに向かって呼びかけていました。さんを付けててもこれではなぁ。。と恥ずかしくて仕方ありませんでした。
その後も、主人が肩車をしてあげれば高くて怖い!と主人の目を塞いでつかまり、見えない主人と大騒ぎ。そのやりとりが訛っているので、みんなに笑われてばかりで本当に恥ずかしい思いをしました。でも、帰りの車ですやすや寝ている顔を見たら可愛くて、楽しめたならいいかな。。とおかしくなりました。今では訛っていたのが嘘のように普通に話している息子ですが、小さい時の事を思い出すと本当に可愛い思い出がいっぱいで、癒される存在です。