Akemi Diary -409ページ目

サヨナライツカ


Dramatically.

あまり小説を読むタイプではないのですが、

最近話題になっていて気になっていたので

辻仁成のサヨナライツカを一気に読みました。


--------------------------

<<あらすじ>>

1975年、灼熱のバンコク。

お金・美貌・愛に不自由なく暮らし、

“ただ、愛されること”を求め生きてきた沓子は、

エリートビジネスマン 豊と出会う。


たちまち魅かれ合い、熱帯の夜に溺れていくふたり。

しかし、豊には結婚を目前に控え、日本に光子という婚約者がいた。

そしてふたりは25年後のバンコクで、運命の再会をするが――

--------------------------


大人のラブストーリーですが、登場人物の複雑な気持ちに

共感できたり感情移入できたりするのは、

私が少し、大人になったからかな?

自分の経験と重ね合わせたりして一気に読むことができました。




辻仁成さんの言葉遣いが美しすぎていちいち感心させられました。



人生を2度生きることができる人はいない。

人生を最初からやり直すことができる者もいない。

人生とはつまり取り返しがつかない一瞬一瞬の連続でもある。


再会が意味しているものはつねに人生を振り返るという行為である。


偶然は、事前に準備された人生の意味を問う必然。


人生とか、愛とか、生きる意味とか

普段は深く考えないようなテーマをつきつけられた気分になりました。


人生の中のほんの一瞬の出会いでも、一生忘れられない人になること、

私はあると思います。


それは、おそらく情熱的に恋愛できる

若い今の経験・感覚だからこそ美しい思い出として色あせず、

年老いた時まで心ときめいた気分を思い出させてくれるのかもしれないな。


久しぶりに良書でした。




その中でも、印象的かつ物語のテーマでもある詩。

私はどっちだろうな。まだ、そのへんはわかりません。

ただ、忘れられない人には、サヨナライツカという言葉を

かけてみたいと思います。




サヨナライツカ


いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ


サヨナライツカ


永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す