今日未明、隣の少し親しい独り暮らしのオッサンの部屋が、数名の声と足音で騒がしかった。7時頃、警察に2・3の質問を受ける。どうにも引きずる、この感情。
──何か…ザワっとるな。天気も悪い。また咳も出そうだし、モヤモヤすんなあ~イヤな感じやん、逃げよかな。今はあの集団に入る気しない…
おお来た来た。
「遅いで井本。お前せめて急いでますよー的小走り見せろや。兄さん方も待っとるし、相方いなくてヒヤヒヤしたわ。ちょっと謝った方がええ。俺も一緒に…」
「嫌じゃ」
「なん…どうした?、マズいて。お前可愛がられとんのやから恵まれてんで、ちょっと頭下げれば許してくれるて。」
「嫌われても干されてもええもん。とにかく嫌じゃ、…あ、お前が困るな。皆に謝って、調子悪い出さんで欲しい言うてみる。藤原ひとりでも遜色ないやろ。」
「自覚しとる?、ファンには井本どうしたなるやろが…お前が決めるなよ。でも様子が変やな。とりあえず早よ行こ、話はそれからや。」
井本にしたらかなり珍しい、伏し目がちなコイツを見て、兄さん方も声をかけてくれる。
何があったか判らんけども、お前ワガママ申し訳ないぞ。
「で、ホンマにどこか悪いんか。なら病院直行やぞ。俺も抜けて、ライセンス無し、にして貰わな。」
ああ、俺でもちょっとした騒ぎにはなるんかな…。藤原には悪いけど、井本いなくても困らん、しゃーない帰れで済む程度やないのか。
「俺は、今ココに絶対必要か。プロやから、とかではなく…お前とコントが入っとるんでもないし、輪の中で笑えん、出来ない。」
「アウトだ。収録で助かった。最悪やけど話つけてくるわ、そこにいて。」
…藤原が何をしに行ったのか判る。俺アイツにとんでもない事させとるんやないのか。
こんなに自分が滑稽だと思った事はないわ…
「ホンマにしんどい、何コレ。」
話が通った。逆に気を遣うてくれて、何たる事。一応若手の中でも優等生やから、助かった。担当も焦って、僕も行きます言うてたやんか…アレ病気やないで。一応、既成事実は残しておこう、内科でええか。
急いで戻ると、有無を言わさず受診の証拠をおさえた。何でもないよ。
「さて、どうしたのか教えてくれるか。俺結構疲れたからな、お前の為に。」
今は自分の家には絶対戻りたくないから、藤原のマンションへ。そこでも頓珍漢なワガママを吐いた。
「自分の事がよく判らん。後でお前に謝るから、少し待ってくれ。」
「ええよ…いつまでも。」
彼は静かに頷いた
終わらなかった…ゲソ