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小説「あべこべっ!!」(第三章)第11話

第三章「逆転恋人」






「ん・・ふぁぁぁ・・」

あ~良く寝た・・。

目を開けると

見慣れない天井。

えっと、どこだっけ。

あっそうだ。

車にひかれて病院に運ばれたんだっけ。

それ以外には何も無かったはず

うん。絶対何も無かったんだ。

夢を見てただけ・・。

そう、全部夢だったんだ。

俺は自分にそう暗示をかけた。

そして横のカーテンを開く。

俺の希望は音を立てるように

崩れ去っていった。

やはり寝ていたのは

俺の姿をした飛鳥。

夢じゃなかったんだ。

良く見ると枕元に

置手紙のような物があった。



『さぁ貴様ら、今日からゲームは開始じゃ。

期待しておるぞよ。

見事、これを乗り切り

二人の未来を刻んでたもれ

                 悪遊より』



ゲームだと・・・

あの人(?)本当にふざけてる。

でもどうにかしてクリア

しなきゃならないんだよな・・・。

しかも、飛鳥と協力して。

はぁ・・・最悪だぁ。

と、その時

俺たちの母親たちが

病室に入ってきた。

小説「あべこべっ!!」(第二章)第10話

「じゃあやっぱり俺たちはひかれたんですか」

「そうじゃ」

そうだよな。

あの衝撃はまだ覚えてるし。

「じゃが、外傷があったのは遼だけじゃったがな」

「え?俺だけですか?」

「まぁ飛鳥のほうも衝突時のショックで骨はいっておったがの」

「私も・・・」

「それでも遼よりは大分とましじゃぞ。遼に至っては即死してもおかしくなかったほどじゃ」

それは俺が飛鳥を

かばったせいだろう。

「どうして遼だけが怪我を?」

飛鳥は覚えてないようだ。

「それはじゃの・・・」

「あゆさん」

あゆさんは

俺の目を見て言うのを止めた。

「まぁともかくこれからはしばらくその体で生きていくのじゃからしっかり慣れることじゃな」

「命を助けてもらったのは感謝してます。だけど、やっぱり元に戻せませんか?」

「ふぅ・・・つくづくしつこいのぅ。この呪いは互いを思いあうことで次第に解ける」

これは呪いなのか・・・。

それに互いを思いあう・・・

愛し合うってことか。

このままじゃ絶対解けないだろ。

「おっと我はこれから天界で定例会議があるから、失礼するぞ」

小説「あべこべっ!!」(第二章)第9話

「はぁ?マジで言ってます?」

俺は思わずあゆさんに聞いた。

「もちろんマジに決まっておろう」

「そんな10年も前のことですよ?」

「我にしてみれば10年なぞ鼻をほじってる間に過ぎていたわww」

見た目は綺麗なくせに

この人本当に下品だな・・・。

「おい、貴様。我は下品ではない。下劣なのだ」

そっちのほうがダメじゃないか。

「そんなことはどうでもいいのよ。5歳児の戯言よ?そんなの叶えるの?」

「あぁ当たり前じゃ」

「他にも色んな願いがあるんでしょ。違う願いを叶えなさいよ」

「それはできぬ。他のやつらの願いはおもしろうない」

「また、そんなことばっかり・・・」

あゆさんと飛鳥は

仲悪いな・・・。

「そろそろ説明してもいいかえ?」

あゆさんは疲れたように言った。

俺たちは頷いた。

「まず貴様らが入れ替わったのはだな・・・」

あゆさんは話し出した。

「貴様らはまず車にひかれた。

その時に貴様らの体から各々の魂が外に飛び出してしもうた。

魂が体から離れればその人間は死んだことになる。

だから我は強大な魔力を使いその魂を体に戻したのだ。

じゃが、その時、魂を入れておく器となる体が逆になってしまった。

その時はしまった!と思ったが、貴様らを良く見ると

昔の参拝客だと気付いたのじゃ。

そして我はついでにあのときの願いを叶えてやろうと思い

そのままにしておいたわけじゃ。

ひかれたあとの外傷は治しておいた。

貴様らをひいたドライバーも記憶を消しておいた。

だから貴様らは道に倒れていたカップルということになっておる」

と長い説明を終えた。

小説「あべこべっ!!」(第二章)第8話

「確かあれは10年ほど前・・・」

10年!?

いくらなんでも

昔過ぎないか?

俺たち、5歳だぞ・・・。

「貴様らはそこの神社に二人そろってお参りに来たはずじゃ。」

そこの神社って言うのは

俺たちの家から

歩いて5分以内のところにある

阿倍神戸神社(あべこべじんじゃ)。

確かに小さかったころは

いつもいっしょにいた。

確かにそこの神社にも

二人でよく遊びに行ったりしていた。

だが、まさかこいつが

そこの神様だったなんて・・・。

「貴様らがその時願ったものは何か覚えておるかの?」

「いや、俺は覚えてないな」

「わ・・私も」

本当は覚えていた。

だってそんなこと

こいつの前で

2度と言いたくねえよ。

だってその願い事は・・・

「貴様らの願いはずっといつまでも二人でいたいということであった」

そういうことだ。

今じゃ考えられない。

俺は極力、こいつと

別々にいたいからな。

「ということで、我がそれを叶えに来たということじゃ♪」

お姉さんは不敵な笑みを浮かべた。

小説「あべこべっ!!」(第二章)第7話

はぁはぁ・・

マジでくっつくかと思った。

この人本当に神様なのか?

「ん?貴様、まだ疑っておるのか?」

「い・・いえいえそんなことは・・・」

心も読めるのかよ。

「あっそれで話があるとかどうとか・・・」

「そうじゃったそうじゃったww」

神様ってこんな

軽いノリなのか?

「実はのう、貴様らが入れ替わっておるのは・・・」

俺たちは目を見開いて聞いた。

「我の仕業じゃ♪」

シーーーン・・・

「何ですってぇぇ!?」

しばらく沈黙が続いたあと

飛鳥が言った。

「なら話が早いわ。早く戻しなさいよ」

これで戻れると

思ったのもつかの間。

「それは無理じゃ・・・」

深刻な顔で言うお姉さん。

「魔力の関係とかでなの?」

「いや違う・・・」

「じゃあ何なのよ」

「我が戻したくないからじゃ♪」

ブチィッ

何かが切れた。

「あんた!いい加減にしなさいよ!」

バコッ

そして飛鳥の鉄拳が

お姉さんの頭にヒット!

「痛~~~~~い!」

「何であんたみたいなのが神様なのよ!」

「おぬしよ。神にも色々あるぞよ」

とお姉さんは頭のたんこぶを

気にしながら語る。

「我はいたずらの神じゃ。名は悪遊尊。気軽にあゆちゃんと呼ぶがよい」

いたずらの神かよ。

「そんなのはどうでもいいのよ。早く戻しなさいったら!」

「それはできぬと言っておるじゃろ。大体こうしたのは貴様らの願いなのだぞ」

「はぁ?私がそんなこと願うわけ無いじゃない」

「いや、貴様らは確かに願った。まぁ数年前の話じゃがな・・・」

お姉さんは真剣な面持ちで話し出した。