パシッ
ロン 5800
何の変哲もない、鳴き三色。
こんなどこでも見る平凡なアガリに、
観客は湧いた―――
時は遡り…
R6.3.3AM、スライム杯本戦当日の朝。
1か月にわたる予選を突破した24人が集った。
わがホームで年一で行われるこの大会も、
今回で8回目らしい。
この数年の間にメンツも変わってきているが…
メンバー
「ざわさんだけっすわ、第1回から出てるの」
店長
「あれっ!?決勝いったこともなかったっけ!?
(わざとらしく)」
もうこのやり取りもさすがに飽きた。
今年こそ、優勝して、
大常連の意地を見せてやろう。
システムは、予選4回戦、
スコア上位4人で決勝卓となる。
ウマあり(10-25)、オカありのため、
トップが大きいルールとなるが…
1回戦2着←
2回戦2着←
3回戦2着←
\おいおい2着だけで決勝行く気かぁ〜?w/
常連からヤジが飛ぶも、
さすがにオール2着では決勝にはいけない。
最終4回戦はもちろん…
ドラ東
(東はカカン)
ロン16000
トップにてついに初めての決勝戦にコマを進めた。
決勝卓で戦うのはこの3名
◯ヤンキー
◯赤カラ
◯聡太
もう何度も戦ってきて顔馴染みの、
いつものメンツだ。
※ネーミングの由来は想像にお任せいたします
東1局
「ポンッッッ‼️」
親の聡太が切ったドラの中を、赤カラがポン。
ドラポンはもちろん、ドラを切った親も警戒しなければならない。
いきなり厄介だ。
中盤(9巡目くらい)
ツモ
安めの方を引いてテンパイした。
9sは下家のドラポンに鳴かせないように残していた牌、つまり危険牌だ。
赤1枚の平和、普段なら鉄リー、
少しひねるとドラポンの現物4s待ちなのでダマテンをとるところだ。
しかしこれはフリーの1局ではない。
鳴いても笑っても1半荘で優勝者を決める戦い。
見えてる大物手に不用意な振り込みは避けたい。
幸い自分は親でもない。
慎重に、ドラポン現物の1mの対子落としとした。
ほどなく、ドラポンの赤カラ9sツモのマンガン。
見ると77778sの形の6-9s待ち。
アタリハイを掴んでいるどころか、
自分の欲しいところも殺されている。
嫌な感じだ。
東2局、親番
超チャンス手だが…
6巡目、早くもヤンキーから先制リーチ。
ここに一発でつかむは
ヤンキーの捨てハイにはが光っている。
一発でモロ裏筋…
キツイ…
また回る…??
いや…
ドウッ
さすがに親番のこの手で回すは無い。
めいいっぱいだ。
しかしこれが張らない…張らない…
最終ツモ
しれっと5sを勝負。
ヤンキー、赤カラと3軒テンパイで流局。
親のチャンス手は空振りに終わる。
東3局は親の赤カラ連チャンにより点数を伸ばし…
東4局、ヤンキー親番
赤カラ「リーチ❗️」
トップ目の赤カラから早いリーチ。
まずい、完全に流れは赤カラだ。
歯向かうことはできないと思われた、、が、、
ドウッ「よっと」
ドウッ「おらよっ」
ヤンキー「おらあ、リーチだ」
ヤンキーが煽りにつぐ煽りでゼンツ、
そのまま追っかけ親リーだ。
そして一発目、赤カラが持ってきたハイを
嫌がりながら卓に叩きつける。
⬛️ ベシッ‼︎(裏返し)
ヤンキー
「見えねえよ」
赤カラ
「うるせえ2pだ、通しだ通し!」
一瞬、間があり、通ったかにみえた…
が…
ヤンキー
「アガッとくかぁ」
…ツモったら四暗刻のトイトイ三暗刻
デバサイの18000である。
決勝の親番でそんな手を入れてくるとは…
恐れ入る。。。
そして東4局1本場
聡太「ロン、8000」
またも振り込みは赤カラ
聡太の早い満貫仕掛けに飛び込み、
2局で3万点弱を失いトップからラス目へ。
相変わらず恐ろしいゲームだ。
激しい攻防飛び交う東場が終わり、
決勝戦は南場へと突入する。
ん…??
お気づきだろうか
ざわさんだけ…
まだアガッていない
のである。
…叛逆の南場へ続く!!