烏丸ルヴォワール | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

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円居 挽さんの「烏丸ルヴォワール」を読みました。


烏丸ルヴォワール 円居挽

あらすじ
京都の支配にもかかわるという謎の書『黄母衣内記』の所有者が不審死を遂げ、二人の弟の間で書を巡って争いが勃発。名門、龍樹家の若き論客たちは、依頼人から仕事を受け、私的裁判双龍会に臨む。ところが、瓶賀流は覆面をした正体不明の怪人“ささめきの山月”に誘われ、御堂達也ら龍樹家側の仲間たちと対決することになってしまう…。
「BOOK」データベースより

先日このシリーズの前作「丸太町ルヴォワール」を読んだばかりなので、すんなりこの独特の世界に浸ることができた。前作が円居 挽さんのデビュー作だったこともあり、今回はそこまで練りに練った仕掛けはないだろうと踏んでいたのだが、初っ端のエピソードから見事に騙された。
この人××トリックの達人ですねー。読んでいて全く気づかないうちにキッチリ騙されてしまう。
今回は化け物じみた頭脳集団の中において、一見凡人とも思われる「瓶賀流」が主役。
凡人として描かれているが、それでもこの流も普通の人から見たら超絶的に頭が良いのだが…。
前作はこのシリーズのウリである私的裁判「双龍会」という舞台でのロジカルな推理合戦が見所だったが、今回は証拠や証言を集めたり証拠を隠滅・捏造したりするその舞台裏である捜査過程も見所。
作中に出てくる「ささめきの山月」が説明する"又鴉の計"と"双鴉の計"という策、そして鴉を名に持つ登場人物二人。伏線もたくさんあったし、何よりプラクティス的な例題も序盤に提示されていたのに、簡単に騙されたー。これまた凝りに凝った大仕掛に感服。タイトルが「烏丸ルヴォワール」というのもピッタリ。
個性的なキャラがたくさん登場するが、1作目から今回活躍する流さんが一番好きだ。
最後のシーンも胸を打たれる。今作も大満足。
いや~、次回作が待ち遠しい。