空想オルガン | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

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初野 晴さんの「空想オルガン」を読みました。


空想オルガン 初野 晴 

あらすじ
吹奏楽の“甲子園”普門館を目指すハルタとチカ。ついに吹奏楽コンクール地区大会が始まった。だが、二人の前に難題がふりかかる。会場で出会った稀少犬の持ち主をめぐる暗号、ハルタの新居候補のアパートにまつわる幽霊の謎、県大会で遭遇したライバル女子校の秘密、そして不思議なオルガンリサイタル…。容姿端麗、頭脳明晰のハルタと、天然少女チカが織りなす迷推理、そしてコンクールの行方は?『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』に続く“ハルチカ”シリーズ第3弾。青春×本格ミステリの決定版。「BOOK」データベースより

知らない間にこの「ハルチカ」シリーズの四作品目「千年ジュリエット」が刊行されていたのを知り、あわてて積ん読状態だった三作目「空想オルガン」を読んだ。
今回は遂に念願かなって出場した夏のコンクールがメインなのでいつも以上に吹奏楽に関する描写も多い。
曲がりなりに私自身も学生時代吹奏楽部に所属していた身なので、読んでいて色々と思うところがあり非常に面白い。ラノベ調な学園青春ミステリというところで人気の米澤穂信の「古典部シリーズ」と被るが、自分的には吹奏楽部の話という点でこっちの方がポイントが高い。

四つの短編が収録されているが特筆すべきは表題作の「空想オルガン」。
振り込め詐欺を生業とする"ガンバ"と呼ばれる男視点で物語が進む。
(振込み詐欺をしている他の仲間のアダ名が"ガクシャ"とか""ボーボ"とか「ガンバの冒険」なのが笑った。このネタ、原作の「冒険者たち」の方からのネーミングなのかアニメ版からなのかちょっと知りたい)
この話は自分の知識不足で言及できないが、おそらく突っ込みどころも満載の設定な気もする。しかしその設定のボロを帳消しにして余りある抜群にうまい仕掛けが見事。タイトルも秀逸。そして若干重々しい空気を吹っ飛ばす清々しい読後感だった。
そして一番笑わせてもらったのが3つ目の短編「十の秘密」。
初登場の清心女子高校。ゴリゴリのギャル吹奏楽部という設定に腹を抱えて笑った。
デコしまくったクラリネットで「デコクラ」ってなんだw
スティーブン・キングを「スティーブン・セガール、沈黙?」ってどういう間違え方だw
大笑いするポイントが多数ありすぎて正直書ききれない。

パンダギャルが仲間を呼ぶ姿をドラクエのマドハンドに例えたり、
文中に「ひとは大人になるたび、弱くなるーよねー」って突然浅香唯の「セシル」を入れたり、ことごとく自分の色んなツボを押されてしまった。
プロフィールを見ると初野さんはやはり自分と同世代だった。納得。
久しぶりの浅香唯を聴いて、
次の「千年ジュリエット」にいってみよー!


千年ジュリエット