和菓子のアン | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

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坂木司さんの「和菓子のアン」を読みました。


和菓子のアン 坂木司

あらすじ
やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。あなたも、しぶ~い日本茶と一緒にいかがですか。
(「BOOK」データベースより)

主人公のアンちゃんが「切れない糸」のクリーニング屋のパートの梅本さんの娘という設定。
最近読んだ「ウインターホリデー」にも登場する元ヤンの桜井さんも登場。
こういうリンクが他作品を読んだ人間にはちょっと嬉しい。得した気分。

デパ地下の和菓子屋にまつわる話なので、様々な美味しそうな和菓子が登場する。
和菓子だけでなくケーキや惣菜など、相変わらず食べ物が描写が見事。
読んでいてお腹が空く。
聞いたことがない和菓子の専門用語や和菓子の奥深さを
読者もアンちゃんと共に色々と勉強できる。

登場人物も坂木作品らしくめちゃくちゃ濃い。
特筆すべきは乙女系男子の立花さん。
作中でも女性にキモイと言われるキャラではあるが、
仕事に対して真摯で本当に甘いモノが大好きなその描写に、全然嫌悪感が沸かない。
とても愛すべきキャラで好感がもてる。

ミステリ部分はいつもの日常の謎。
切ない謎や心温まる謎など様々だがどれも楽しめた。
和菓子の由来や名前にまつわる謎解きが新鮮。

一番のお気に入りの台詞は
スフレの美味しいカフェで切ない話にワンワン泣く二人に、
「焼きたてのスフレを前にしたら、すべては後回しです」
(30秒でしぼんでしまうので)
と言ってスフレを出す店員さんの言。
スイーツがみんなを幸せにする名シーン。

とにかく甘いモノが食べたくなる話だった。
久しぶりに近所の「梅園」に和菓子を買いに行こうかな~。