相葉先生の運転する車の中。
俺は助手席。
潤と二宮は後ろの席。
・・・というか2人は後ろで寝ているけれど。
「昨日はさぁ、かずくん・・・ぐふふふふ・・・」
随分と頑張ったらしく、いつもよりもかなり良かったと。
それをところどころ話している相葉先生。
全ては聞きませんが・・・おすそ分けした、アメリカ製の例のものも、かなり役に立ったようです。
だから、二宮は後ろでぐったりと寝ているようだ。
潤はまぁ・・・手加減しようとは思ってはいたが、・・・まぁ、きっと今の二宮と同じようなものだ。
ただ・・・幸せそうに寝ている2人の寝顔を見て、俺たちも幸せだけどな。
今回は、いつも料理を作ってくれる潤を労うためと、クリスマスくらいゆっくりしたいという思いから、温泉旅館に泊まることにした俺たち。
特別な夜を過ごしたいよな・・・という、我儘な想いもある。
だから、今回は奮発して、離れの部屋別の露天風呂がついている高級旅館にしたのだ。
「すっごいところだなぁ。」
「ホント・・・。」
こういうところって、ドレスコードがあるんじゃないかってくらい、高級感が半端ない。
だけど、俺はジャケットは着てはいるものの、下はTシャツと下にスラックス。
潤に至っては、ブルゾンに下はデニムのパンツだ。
まぁ、客に向かって、その恰好では・・・とは、言わないのだろう。
何も言わずに仲居さんは俺たちを部屋に案内してくれた。
かけ流しの湯の音が、部屋に中に響いている。
部屋から見る中庭の景色も、他の部屋からは見ることができないようになっているらしく、この部屋だけの景色なのだそうだ。
その庭の景色に溶け込むようにある、露天風呂。
この風呂にのんびり入って・・・
部屋の中には、キングサイズのベッドが置かれ
全てがここに揃っている。
今日という日に、充実した時間を過ごすためのものが。
ここで、今日は潤と一泊だ。
初めて2人で過ごすクリスマスの夜。
その時間が、今から始まった。