茶道とは何か、という問題です。

基本的に茶道では一つの茶碗を使って数人が飲むことになります。濃茶ともなると同じ茶碗で数人が回し飲みをすることになります。

特にこの辺りで、今の時代、感染予防の面からよろしくないと言われるようです。

また、お茶で使われる陶器の茶碗は、洗剤でごしごし洗うと匂いがついたり、傷ついたりします。

これも感染予防という点で好ましくありません。

 

しかし、点前には「自服」という方法があります。

自分で点てたものを自分で飲むということです。これならば感染とは関係ありません。

また、濃茶の場合も「独服」という方法があります。

濃茶の回し飲みは、一般的な飲み方ですが、必ず回し飲みをしなければならないということではありません。一椀ずつ点てれば問題ないということです。100年前のスペイン風邪の大流行の時、濃茶では独服が盛んに勧められました。

 

お茶は基本的に点てたお茶を他人に飲ませるものです。

しかし、上で自服という方法を紹介しました。自分で飲むために点前も在るということです。

「茶禅一味」という言葉があります。一杯の茶を飲むこと、一杯の茶を点てること、座禅を組むこと、すべてが悟りにつながるということです。

「何の悟り?」ということになると難しい話になってしまいますが、一人で点てて一人の飲むのは無意味なことではありません。

 

風炉の薄茶、平点前、これは茶道を習う際の最も基本的な点前です。手順そのものは数カ月で覚えることができます。しかし、柄杓の扱い一つを考えても、構える角度、高さ、持ち方、湯の汲み方、運び方、完璧な動作までは長い時間がかかります。

また、そうした動作が身に着くように、繰り返し、繰り返し稽古を重ねていくのが茶道です。

 

ただし、茶道を習い進めていくと、さまざまな道具を使う段階が訪れます。

茶碗の場合、基本はお椀型の12センチぐらいの径の物ですが、夏は平茶碗、冬は筒茶碗があります。織部焼の形、柔らかな土の楽茶碗の雰囲気も魅力的です。

 

私のところでは、最初の3カ月(週一、月三)で茶とは何かから始めて、抹茶とは何か、茶道とは何かということを学んでもらっています。略盆という点前の基本を学ぶものを習ってもらうのですが、そもそも抹茶とは何かということを知らなければ、点前の手順だけ覚えても、何のためにそのような動作があるのかが分からなくては形ばかりになってしまいます。

次の3カ月で平点前を習います。ここでは濃茶を経験してもらったり、炭手前を見てもらったり、最も基本的な点前を学びながら、その先でどのようなことをしていくのかを見てもらいます。

その先の段階では、前述の様々な茶碗、棚の扱いなど、さまざまな種類の茶道具に触れてもらわなければなりません。

この段階まで来るとon-lineでは無理があります。

手触り、重み、味、香り、音、さまざまなものを実際に味わってみることが必要になってきます。

しかし、その前の2段階までは、on-lineでも可能です。

 

この道具とお茶の関係について、正徹という人が『正徹物語』という歌論書の中でしている話を元にしています。

第一段階・・・茶喰らい(とにかくみんなで集まってお茶を飲んで楽しむ段階)

第二段階・・・茶飲み(お茶の味にこだわり、あれこれ論じるようになる段階)

第三段階・・・茶数寄(道具を整え、茶を楽しむ段階)

 

最初の段階で、茶道を始めるためにはさまざまな道具が必要になります。

まず、どのようなものをお持ちなのかを見せていただき、足りないものについては、私の知る限りで最も廉価なものをご紹介します。身の回りのもので代用できるものがあれば、なるべくそれを使い、まず、できるだけお金をかけずに始めるというのが基本方針です。

足りないものについて、近くであれば、手渡しもします。宅急便でお送りもします。

 

まず、基本的な第二段階までon-lineで習ってみて、その先、道具の沼に踏み込んでいくというように考えていただくと、いかがでしょうか。