「ただいまー!」



午前の講義だけだった私は、昼過ぎには家に帰ってきた。

親友のガンヒョンか慰めてあげると言っていたが、時間を見て断った。

「ごめん!今食堂が混んでいる時間だから手伝わないと。」

手を合わせ、次の約束を交わした。

慌てて家兼食堂に着き、扉を開け大きな声で言ったのに、誰もいなかった。

あれ?お客さんもパパもママもいない

まだ1時なのに、何で誰もいない。

不思議がっていたら、扉を開ける音がした。

パパかママに違いないと思い、慌てて後ろを振り向くと

背の高い男の人が立っていた。

此処の馴染みのお客ではない、仕立ての良い黒いスーツに育ちの良さを知る。

こんな一般の食堂よりも、オシャレなレストランが見合いそう。

見上げるほどの背のデカさに圧倒されそうだが、スリムな体型はまさにモデル級だった。

でも、顔は・・・・・・・タイプじゃない。

「いらっしゃいませ・・。」何時も出るような大きな声ではなく、期待外れの声のトーン

いらっしゃいませと言ったのに、その男の人は私の事を穴が開くんじゃないかと思う位に見つめていた。

「お客様、どうしましたか?」余りにも何も言わないので声を掛けてしまった。

まだまだ私を見つめてくる。

なんか、嫌だー。嫌な感じがしてきたので、ゆっくりと後ろに下がり何時でも逃げ出す準備をしていたら。

又ドアが開いた。

「あれ?チェギョン?」中に入ってきたママの声

「ママ!」あーっ、助けてーー!

「今日は早かったの?パパが厨房で転んで骨折しちゃったのよ。で、今入院の準備に一旦戻ってきたの。」

ママは簡単に私に説明しながら、背の高い人を見上げた

「イ・シン准教授。本当に有難うございました。おかげであっという間に処置をして頂くことが出来てホッとしましたー。」深々と頭を下げている。

ハッと気が付いた男の人の名はイ・シン准教授と言うみたいだが、で、何者?

「チェギョン、このお方は〇〇〇大学のイ・シン准教授よ。この街の発展の為に、商店街の人達が呼んだのよ。

そしてお昼にうちの店でご飯食べて貰おうとしたのに、パパが張り切り過ぎて足骨折しちゃったから、もーー大変。

イ・シン准教授のお友達が病院を経営しているからってそこに連れて行ってくれたの。」

「パパが骨折ーー!大丈夫なの?」ママの傍に寄る

「大丈夫よ。ただ一カ月の入院だからその間はお店お休みしなくちゃいけないけどね。」仕方ないと手を上げた。

「じゃっ、私もその病院に行くよ。」

「あーっ、チェギョンはイ・シン准教授にお昼ご飯作ってあげてから来てよ。」

ママの言葉に?マークを出した。

「准教授にお昼ご飯食べさせようとして誘ったのに、パパの骨折のせいでまだ食べてないのよ。パパ直伝の腕を持っているチェギョンが作って食べさせてあげて。」ママは入院準備の為に二階に上がって行った。

「えt?そんな―、急にーー。」まかない料理を作ったり、家のご飯を作ったりとはしていたが、お客様に出す料理を作った事なんかないのになー。

不安な顔をしていたら

「大丈夫です。お腹が空いているので、何でも美味しく頂けます。」

私を安心させようとしているのか、それとも嫌味を言っているのか分からないが。

ようやく話してくれたイ・シン准教授の声は心地良い声質だった。

「じゃあ、好きなテーブルに座ってください。」

准教授の座った席に、水の入った大きなボトルとコップを置き

「アレルギーとか好き嫌いとかありますか?」

「ない。」胸元から革のスマホケースに包まれた携帯を出した。

あーっ、何か―っ大人って感じで、私とは住む世界が違う。

「じゃあ、お待ちください。」

急遽、料理をすることになった私。

初めての知らない人に料理をしてあげるという事にドキドキするが、そのドキドキは不安とかじゃなくワクワクの方に近かった。

料理をしている間に、ママは荷物を持って車に乗って病院に行ってしまった。

まっ、私は准教授に食べさせてから電車で行こうと考えて来た。

「お待たせしました。」

お盆にのせたプルコギ丼と牛コツの出汁で作ったスープ、豆腐サラダを准教授の前に置いた。

「頂きます。」綺麗な箸の使い方でパクパク食べる准教授は、あっという間に間食してしまった。

「このどんぶりの味は誰から教わったのですか?」

准教授の真っすぐな目に私は真っすぐな目で返せなかった。

「あーっパパの味をアレンジしてみました。お口に合いませんでしたか?」

ヤバっ、美味しくなかったのかなー

ひーーーっ、いくらお金を貰わないからって不味いのを食べさせちゃいけないって。

「いえ、実に面白い味だ。」

「面白い?それって不味かったって事ですか?」やっぱ、不味かったのか?

「あっ、言葉を間違えた。懐かしい味でした。祖母が作ってくれていた味を思い出す。」

「はーーっ。」さっきは面白い味だって言ってたのに、懐かしい味に変わった。

「では、ご飯を頂いたので。このお礼を」

とても高そうな財布を取り出し、何枚かウォン札を取り上げたが

「いりません!私は店の調理人ではないので、お金を取る事なんかできませんよ。」慌てて止めた。

「僕の知っている女の人は必ずお金やプレゼントを受け取る人ばかりで、キミみたいな人は初めてだ。」

「大人は大変ですね。」クスクス笑う

「大変だが、その代わり喜びを与えてくれる。」優しそうな顔

喜びって、何だろう?

「じゃあ、時間なので。次の所に行かないと。」

革の高そうなカバンを手に持ち立ち上がった。

私の目線に準教授の顔は無く、目線はゆっくりと准教授の顔を探すために上に上がって行った

私の周りにいた男の人は皆私の身長に近い人ばかりで、見上げる程の大きい人は初めてで男を感じてしまう。

「じゃあ、きっと又会う事があると思う。その時までお礼を考えてくれ。」玄関の扉を開けながら言う。

私は慌てて後を付いて行き外に飛び出した。

そこには韓国の黒塗りの高級車がドンッと停まっていた。

車に詳しくない私でも知っているこの車は、こんな食堂では見た事もなかった。

「スゴっ。」ユル君は中古の小さな赤い車だった。

車に乗りエンジンをプッシュボタンで掛けると全ての機能が動き出す

「カッコイイー。」素直に言葉が出てしまった

准教授は私をジッと見つめ、複雑な顔をしていた。

「何かついてますか?」慌てて顔をペタペタと触る。

「何も。では。」手を軽く上げ准教授の車は静かに車道に滑り出した。

もう会う事もないだろうと思い、見えなくなるまで准教授の車を見送った。







皆様、こんばんは。

某CMで「~にしない」と言われて、電話予約していそいそと買いに行きました。

すると3人並んでいたので、私は4人目に並んでずーっと待ってました。

20分後自分の番が来て「予約しているものですが」伝えお金を払い行こうとしたら

「お客様、今度からはネットオーダー受け取りの方から、おいでください」と言われ

そりゃー、私だってそのカウンター見ましたよ・・ネットって書いていて電話予約は書いてなかったからそこに行くのをやめたんだよー。

ぷんぷんぷんぷん

で、去り際に『じゃあ、電話予約もって書いて下さい・」言ってしまいました。


皆さんはこう言う状況にあったことがありますか?



おやすみなさい。



昨日の夜,眠いまま書いたコメント。

まー,並んでいる人の横から,予約したものですけどーと,割り込まれない小心ものの私

心の声を書いただけなので,お気にせずに