卒業式までの日々、大学、バイトのない日は、シン君先生のおねーさんのお店に入り浸りになった。

体の基礎から学び、栄養、ヨガ、色んなモノを覚えて行き、就職活動はイ教授の勧めもあり、子供たちに絵を教える仕事に的を絞った。

「キミは後輩に絵を教えるのが上手いし、面倒見がイイから僕は君を教員に勧めたんだ。」イ教授は優しく笑う。

そう言えば、人に教えるって楽しいと思ってた。

色んなパンフレットを持って来て、就職活動を進めていった。









そして大学の卒業式。


角帽とガウンの格好のままソウルの街をひたすら走り続けた私。

辿り着いた先には、先生のいる高校。

後もう少し、はあはあと息づかいが荒い。

「今日は午前で学校が終わるのよ。シンが帰るまでに学校に行ける?」先生のおねーさんが聞き出してくれた。

学校の門から入るともう生徒達がゾロゾロと帰っていた。

ヤバイ、まだ先生帰ってないよねー。キョロキョロと駐車場を見に行こうとしたら

「あれ?もしかして・・教育実習生の。でも、こんなに可愛かったけ?」

色んな子に声を掛けられるが、それどころじゃない。

先生を、シン君先生を捜さないと!

ガウンが邪魔で走りづらいが構わない。

先生の車を先生のおねーさんから聞き、その車を発見した

あった!私の誕生日のナンバープレート

まだ帰っていない!車前で急ブレーキをかけ、立ち止まる。

息を整え、ガウン、角帽を直していると、職員玄関から先生が出て来た。

「シン君先生!」先生に向かって又走る私。

急に現れた私に先生の目が驚いている。

「シン君先生!今日、大学を無事に卒業しました!

私の夢1つ叶えました。

絵の講師の仕事に就職できました。

2つの夢は一回諦めてしまいましたが、もう1度願っても良いですか?」先生の顔は驚いたままだ。

「もう1度私の事、好きになってくれませんか?もう絶対に逃げたりしません!」真剣な顔で先生を見る。

周りを人が囲んでいく。

教育実習生だった私を、皆が覚えてくれて名前を呼んで冷かす。

「えーー、二人どんな関係なんですか―?」色んな声が聞える。

「で、返事は汝矣島の春花祭りの期間中でお願いします。

期間中、私はライトアップが点き、消えるまで毎日待ってます。

期間中シン君先生が来なかったらこの恋はもう諦めます。」

真剣に言う目に嘘はないと訴える。

「では、急に来てしまってごめんなさい!」頭を深々と下げてシン君先生を見上げる。

「高校1年の時から、このキモチは変わってません。大好き!」

この人がいっぱい居る中、私は大きな声で叫んだ。

真赤になって自分の想いを吐き出し、そして走り出した。

わーー、言っちゃった。

おねーさんに会いに行くのダメって禁止されて、悶々として溜まりに溜まってたから、スッキリした――!

もーー、久々のシン君先生カッコ良かったー!

汝矣島の桜まつりに来てくれるかなー。

どうだろう。

走りながら、二ヘニへと笑っていたが、段々走っているスピードが落ちて来た。

来なかったら?

来なかったら恋を諦めますって言っちゃったーっ、どうしよう。

完全に足が止まって、ボー然としてしまった。

ヤバイーーー!

先生のおねーさんの店に駆け込んで「来なかったらどうしよー―!」と泣きついた。











大学の卒業式で着るガウン、角帽を付けたまま突然現れたシン・チェギョン。

高校の時のようなキラキラと輝く彼女を、目を細めて見た。

レフ板を使って光を集中させたような眩しさ

教育実習生の時のような、覇気のない無い姿ではなかった。

あーっ、オレの好きなチェギョンだ。

オレの好きな猫のような眼。

オレの好きな可愛い鼻。

オレの好きなピンクの頬。

オレの好きなむしゃぶりつきたくなる唇。

オレの好きなちょっとだけ擦れた可愛い声。

ガウンの下にはオレの好きな・・・考えるだけで、熱くなりそうだ。

手を伸ばせば触れられるのに、何故か緊張してしまって対応が出来ないでいた。

彼女はもう一度好きになってくれと、その返事は汝矣島の春花祭りにしてくれと。

行くのか?突然逃げ出した元カノ。

そして突然教育実習生でオレの前に現れ、今度はもう1度好きになってくれって。

行かないのか?

いきなりでゴチャゴチャと頭の中が変になっている。

大好きと言う彼女の大きな声は、オレの胸を突き刺していった。

グイグイと深く突き刺されたところから、オレの閉じ込めていたキモチが溢れ流れていく。

待ってた。

ずーっと待ってた。

オレの好きなチェギョンが、帰って来た。

気が付けば、彼女は走り出し、角帽は頭から外れ下に落ちていた。

生徒が拾おうとしていたが「それに触るな!」オレの声で拾うのを止めさせ、自分が拾った。

「おーーーー!イ・シン先生!!突然の告白、どうするんだよー!」

「すっごーーい!オンナが皆の前で告白したんだよ!男ならちゃんと答えなきゃね。」

「それにしてもシン・チェギョン先生、メチャメチャ可愛かったなー。」

「チェッ、今回シン・チェギョン先生のペンティ見れなかったな。」その言葉が聞えオレの目が鋭く光る

「オイ、ペンティって?」

「えっ?確か教育実習の最後の日、凄い速さで校舎駆け抜けてましたよ。

白いペンティが丸見えで、綺麗な足も見れてダブルで最高でした!」

「マジか!?わすれろ!」

取り囲んでいる人を掻き分け、車に乗った。

汝矣島の春花祭りまで後約1ヶ月考えるまでもない。

チェギョンの事は好きだ。

でも、ようやく此処まで立ち直ったんだ、又逃げられるのはごめんだ。

エンジンを掛け、車はゆっくりとアパートに向けて走り出した。









大学を卒業した私は、就職して毎日忙しく過ごしていた。

休憩時間になると、携帯を出して待ち受けを見る。

そこには、唯一残っていた卒業アルバムの先生の顔。

フーッいつ見てもカッコイイ。

見惚れていたら時間だけが過ぎていて「ヤバッ!時間だ。」慌ててご飯をかきこんだ。

毎日新しい事だらけで一日一日があっという間に過ぎていく。

汝矣島の桜祭りに、先生来てくれるかなー。

先生のおねーさんは、絶対に来るって言ってくれてるが、どうだろう。

毎日学校に行って、好きです!って言いたいけど、働いている私は簡単には出来ない。

次の授業の為に、重い教材を持って立ち上がったら、周りの先生達が持ってあげますって、名乗り出してくれたのを丁寧にお断りする。

「シンチェギョン先生、今日終わったら食事に行きませんか?」

生徒達のお母さんに一番人気の先生が誘ってくる。

「行きません!他の人誘ってください!」

なんだろう、大学の時にはお誘いなんて無かったのに、先生のオネーさんの指導を受けるようになったら、誘われる誘われる。

大学の卒業式なんか、アドレス交換しようっていろんな人が来たが、それを逃げ私は先生の元に走った。

オネーさんにポツリと言うと「頑張ってきた結果が出てきたわ。これで後は、シンにもう一度好きになってもらうだけ」優しい笑顔。

「オネーさん、本当に今までありがとうございました。もう一度頑張ろうという気持ちになれたのは、オネーさんのお蔭です。

でも、シン君先生に断られたら、もう会う事もなくなりますね。」

「何言ってるの!シンは絶対に来るから!気弱になっちゃダメ。シンのお嫁さんはチェギョンしかいないんだから。」頭を撫でてくれた。

「気弱になっちゃいましたね。」

後何日後かに汝矣島の春花祭りが始まる。




私の運命が決まる日だ。






桜の木に灯りが灯った。

薄暗くなった空に、淡い光が差し桜の色が鮮やかに映える。

綺麗、見上げた木々には無数の桜の花。

あっ、歩いていると桜の花びらが落ちて来た。

そっかー、もう今日で祭り終わりだもんね。、

春花祭りは5日間の開催で、毎日ずーっと待っていたが、先生はやって来なかった。

今日来なかったら、もう私の恋は終わる。

おねーさん、ガンヒョンに大丈夫だよって言われていて、先生は絶対に来るって思ってた。

アハハッ期待し過ぎちゃったね。

時間まで桜を見ながら歩こう。

ライトアップが終わったら、漢江に行って大声で叫んじゃおうかなー。

苦笑いをしながら、トボトボと歩き出した。









 


机の上で小テストの点数を付けていたら、いきなりねーさんが入って来た。

「ちょっと、シン!何でここにいるの」エマを抱いてドカドカと入って来た。

「又勝手に入って来た。ピンポン位鳴らせよ。それにここはオレの部屋だ。好き勝手にしても良いだろう?」

「アンタ、今日で汝矣島の春花祭りは最後なのよ!何してるの!」

「そんなとこ行かない。」赤のサインペンの手は止まらない。

「なんで?チェギョンが待ってるのよ。」

「・・・何でねーさんがチェギョンが待ってるって知ってるんだ?」椅子に座ったままジロッと見上げた。

大抵オレの睨みで皆ビビる筈なのに、この人には効かない。

「とにかく行きなさいよ!」

「何でいかないと行けないんだ?

チェギョンの事は好きだけど、逃げられるのが怖いんだ。

人を好きになって、その人がいなくなる喪失感もう味わいたくない。」

「怖いってあんた・・・。」

「初めて好きになったオンナだった。想いが強すぎたんだ。」

次のテストの紙を広げる。

「それでいいの?チェギョンが何で逃げたか知りたくないの?」

「イイ。もう終わった恋だ。」

「じゃあ、何で車、チェギョンの誕生日のナンバープレート変えないの?

じゃあ、なんで大学の卒業式の角帽が此処に在るの?チェギョンが落としちゃって―って言ってたやつでしょ?

じゃあ何で引越ししたアパートは汝矣島なの?

チェギョンと一緒に桜並木を歩こうと思ってたんじゃなくて?

じゃあ、なんでここの暗証番号、アンタとチェギョンの誕生日なの?」

ふーーっと息を吸い込み

「逃げられるのが恐いって嘘でしょう?自分に魅力が無くて、チェギョンに飽きられるのが怖いからでしょう?

言っておくけど、チェギョンは今最高に可愛いわよー。

毎日、やりたい仕事して夢を見続けて、キラキラ眩しいんだから!!

毎日毎日、お誘いをアンタの為に断ってるんだからね。

若いイケメンさんが沢山いる場所なのに、イジイジと悩んでいる30男が良いんだって、勿体ないよねー。」

オレ達の間に時間が流れる。

エマは勝手にオレのテレビを付けてアニメを見ていた。

「・・・そうだよ。自分に自信が無いんだよ!

あんなに可愛いのに、こんなオレなんか飽きてしまうんじゃないかって。」

椅子から立ち上がりねーさんを見下ろす。

「バカな弟。それでもアンタがイイって言ってるのよ。

16才からずーっとアンタ一筋なんだから」

グッ、言葉に詰まった。

「あー、それと三年半前に逃げ出したのは、ミン・ヒョリンがアンタの子供出来たって嘘言って、彼女は泣く泣く身を引いたのよ。

アンタの事を嫌いになったんじゃないからね。」

「はあー?オレの子供?ミン・ヒョリン?冗談か・・?」

「ちゃんと知りたいでしょう?じゃあ、会いに行きなさい!」ビシッと指を指された。

その指先が、オレのやる気スイッチをポチッと押した。

体が勝手に動いた。

車のカギを握り締め、部屋を飛び出した。

オレの新しいアパートは汝矣島の真ん中ぐらいにある。西側の会場まで車を飛ばした。

会場は人が溢れ、この中からチェギョンを探し出せるだろうか。

一歩足を踏み出したら風がザザーーッ一筋吹き、桜の花びら達が舞う。

桜が散る

チェギョン。

チェギョン!

スニーカーは一歩一歩踏みしめて歩いていたのが、早歩きになる。

チェギョン、チェギョン!何処だ.

人にぶつかっても進み続ける。

通りの終わりに行ってもチェギョンはいなかった。

もう帰ってしまったのか?

一瞬足が止まってしまったが、又駆けだす。

絶対にいる筈だ。

オレがチェギョンを判らない筈がない。

大好きなんだ・・大好き過ぎて、頭がおかしくなりそうなんだ。

チェギョン!

風が吹き、花びらが落ちている様子をじーっと見ている姿が見えた。

オレの足が止まる。

体に電流が走ったように震え、時の流れが止まった。

ヤバイ。

ボーッと見惚れているオレに、チェギョンが気が付き、スローモーションのように振り向いた。

驚きから、世界一可愛い笑顔に変わる。

眩しい・・・・。

ますます可愛くなってしまって、オレの体は歩き出し彼女を自分の身体に閉じ込めた。

誰にも見せない・・見せたくない。

そして久々のチェギョンの柔らかい体、チェギョンの良い香りを思う存分味わう。

ギュッと抱きしめる彼女は泣き始め、オレの名前を呼び続ける。

「来てくれた・・・。」ボロボロと泣く。

「遅くなった・・ごめん。」ギュッとまた抱き締める。

頭をグリグリと振り、行動で返事をする。

本当に可愛過ぎて、彼女の顔を上にさせた。

両手で彼女の頬を包み、ジーっと見る。

「四年振りだ。」

うんうんと彼女は頭を振る。

「オレで良いのか?」緊張して声が震える。

「うん!」オレの手に自分の手を重ねた。

「チェギョン、お前の夢は?」

「シン君先生と結婚する事。」なんて幸せそうに答えるんだ。

「じゃあ、お前の夢を叶えてやる。」彼女の手を取り、走り出した。

桜の花びらが舞い散る中、オレは細い綺麗な手を握りしめ、何度も振り返り、彼女の姿を確かめながら、祭りの通りを駆け抜けた。

「ほらっ。」車の扉を開けて、中に乗せる。

エンジンを掛けて、電話をする。

「インか?今、何処にいる?分かった。今すぐに行く。」電話を切り、車を走らせた。

大きな道路に出て、橋を渡る。

漢江の川に夜景が写ってる。

「シン君先生が車を運転しているなんて、不思議。」

オレの右手は彼女の手を取り、ギュッと握る。

「バイクは危ないからな、車だと色んな事が出来る。」ニヤっと笑う。












「ここは?」見上げた先には、役所があった。

オレは、彼女の手を取り中に入って行く。

ここは24時間婚姻申告書と住民票、離婚届を取り扱っている所だった。

一組の男女がイスに座っていた。

「よう。」オレは座っている二人に手を上げた。

疲れ切った顔のインが苦笑いをしながら手をちょっと挙げた。

「シン!」嬉しそうな顔のヒョリンだが、オレの後ろにいるチェギョンを見た途端顔色を変える。

「もう終わったのか?」

「今紙を出したばかりだ。」

「シン、家庭裁判所が長引いたけど、ようやく離婚できるわ。これで私は独身に戻ったの。」インの顔とは真逆に嬉しそうな顔。

「そっかー。離婚成立か。」インの肩を叩き慰めた。

「じゃあ、これから二人ちょっとだけオレ達に付き合ってくれ。」

「シンの頼みなら、何でもしちゃう。」ニコニコと笑うヒョリン。

「あーーっ、前からの約束だからな。俺の時はお前に頼んだから、お前の時はちゃんと俺がやる。」

「2人にとって辛い日だが、ありがとうな、じゃあさっさと書き上げるから。チェギョンお出で。」

オレに手招きされたチェギョンは、隣に並んで紙を取り出し2人で書き出した。

ヒョリンは携帯を見て一生懸命何かをやっている。

「じゃあ、書き終わったから、頼むよ。」インは立ち上がり自分の名前を書いた。

「ミン・ヒョリン、ここに名前を書いてくれ。」

メールの音が鳴り響き、オレの呼び掛けに嬉しそうに微笑んだ。

「判ったわ。何?何かの証書取りに来たの?」

スラスラと名前を書き、フッと全体を読んだ彼女の顔が、凄い驚きの顔に変わった。

「婚姻申告書?」

「オレとチェギョンの婚姻証明書。

それに立会人としてインとミン・ヒョリン。ありがとうな。

これで、オレとチェギョンは夫婦だ。」

呆然とするヒョリンから、紙をするっと取りそのまま受付に出した。

「まさか!そんな!私は、もう独身なのよ。シンの奥さんに」

「お前なー。オレと結婚?有り得ないな。

オレがずーっと待っていたのはお前じゃない!シン・チェギョンだ。

お前にとって一番大事な存在のインを手放したんだ。

ねーさんもお前から離れたって聞いた。

これからどうするんだ?ミン・ヒョリン。」

「そんな…そんな…。」唖然とするヒョリンを誰も傍に寄らずに見ていた。

「お前の嘘のせいでオレとチェギョンは4年も離れてしまった。

でも今、婚姻申告書を出したから世界一幸せな夫婦になる。」

チェギョンを抱き寄せ、ギュッと肩を抱く。

役所の人に名前を呼ばれて、婚姻申告書が受理されたことを告げられた。

「じゃあな。」オレはチェギョンの肩を抱き寄せ役所を出た。

ミン・ヒョリンが泣いていようと、叫んでいようとしったこっちゃない。

「インのお蔭で贅沢三昧をしていたからこれからが大変だろうな。」

車にチェギョンを乗せて、自分も車に乗る時にポツリと言った。

「シン君先生。」

「なーー、そのシン君先生ってもう止めろよ。」

「何で――?」

「じゃあ、お前もチェギョン先生ってオレに呼ばれたら嫌じゃないか。それにオレ達はもう夫婦なんだぞ。

貴方っていうのはどうだ?それともダーリンとか、ハニー。」

「ひゃーーーーっ。照れる――。無理無理――っ。」バタバタと暴れる。

「なんだよ結構本気だったのに。」ボソッと言いながら車を走らせた。

チェギョンの目が驚きの目になり、車の中は静かな空間になる。

「もう先生は卒業します。貴方って言葉はまだ照れくさいので、シン君で良い?」

「・・・・・・。」ムスッと何も言わない。

「シン君。」あーーっ、なんでお前は可愛い声出すんだ!車を路上駐車してやりまくりたくなる。

ここはまず冷静に、アパートに行ったらもう絶対に離さない。

「仕方ない。それで妥協するか。」

「シン君!」ギュッとオレに自分の腕を絡めてもたれてくる。

あの苦しかった三年半が嘘のように、今はとても幸せだ。

「もう限界だ。さっさと家に帰るぞ。」オレの足はアクセルを強く踏んだ。









バタン。

パタパタ。

ガチャッ

「シンパパーーっ、おはよーーーー。」

何時ものようにベットによじ登り掛布団を剥いだ。

「!!」

慌ててママが大きな声で追いかけて来た。

「エマ――!入っちゃダメ!こっちにおいで!」

扉の入り口で真っ赤になりながら手招きをしている。

ママの言う事を聞き、ストンっとベットから降りた。

ベットからモゾモゾと声と動く音がする。

「ママ・・シンパパ。おんなのひとのおっぱいすってねてたよ。あかちゃんみたいだね。」無邪にありのままの言葉を言う。

「!!!エマ!!」急に口を閉じられた。

隣の部屋で凄い音がしていた。

そして頭ボサボサのシンパパが、あれ?チェギョンちゃん?と一緒に出て来た。

「ねーさん!来る時は鳴らせって言ってるだろう!」真っ赤になってる。

「おねーさん、エマちゃん。おはようございます。」真っ赤な顔のチェギョンちゃんの頭もボサボサだけど、あの写真見たくカワイイ。

「そうね。もう今度からはチャイム鳴らすわ。で、アンタ達二人。って事は?」

「あのまま、婚姻申告書出しに行って、オレ達夫婦になった。」

「えーーーっ、早っ!でも、良かった、本当に良かったねーチェギョン。」

ママはチェギョンちゃんを抱き締めている。

「ママ、シンパパとチェギョンちゃん。」

「エマ、シンとチェギョンは結婚したのよ。」すごく嬉しそうなママ

「・・じゃあ・・・シンパパパ、おっぱいのむの卒業しないと。」

三人の顔が赤くなる。

エマの目の高さに膝をつき

「・・・エマ、これだけは卒業できない!」シンパパの真剣な顔。

「もー!なに真面目に答えてるのよー!」ベシッとシンパパはママに叩かれていた。







皆様、こんばんは。

卒業、終わりましたー。

どうも私は直ぐに結婚させたがりでー。

直ぐに市役所に行かせてしまいます。笑

汝矣島の祭りのシーンは、「美しき日々」を思い出しながら書きました。

あのシーンは良い!

ミンチョル最高ー!

卒業のお話は終わりましたが、次はおまけのお話です。

では、今までお付き合いして頂有難うございました。