「イ・シン先生!」ドカッと先生の胸元に倒れこみ泣き続けた。



今日は、私の高校の卒業式。

私の担任のイ・シン先生に恋をして3年が経った。

背が高く、クールな顔。そしてさりげなく生徒に優しい。

高1の春に一目で先生に恋に堕ちてしまった。

でも、先生は体育教師のミン・ヒョリンと付き合っているという噂だったが、私が高3の初めに別れたらしいという噂だった。

毎日のように先生にドンと抱き付きアピールし続けたが、何度も体を引き離され「オレはお前の先生なの。生徒に手を出す訳がない。」私の気持ちは先生に伝わらなかったが、時々私の頭をなでる表情が優しい時があった。

毎日、先生の想いは強くなっていくのに、先生は毎日冷たくなっていく。

辛いなこの恋はもう諦めないといけないのかな。






そして卒業式。

全てのが終わり皆は学校から居なくなった時、私は先生を探し出し飛び込んだ。

「明日からイ・シン先生と会えなくなるのは嫌です」ボロボロと涙が溢れる。

暫く先生の胸で泣いていたが。

「先生。もう謝恩会に行きますよーー。」ミン・ヒョリン先生がそこに現れた。

「あらっ。」私の姿を見てちょっと驚く。

「あ、今行く。」私の肩を押して私の体を離した。

涙、鼻水、顔が浮腫んで真っ赤な私。

頭を優しく撫でる先生は「お前、顔酷いぞ。気を付けて帰れ。3年間ありがとうな。」

今まで見たこともないような優しい顔で微笑んで、ミン・ヒョリン先生と行ってしまった。

後に残された私は、蹲り泣き続け

終わった。先生への恋は終わってしまった。

この想いは子供のような憧れじゃなかった。本気の恋だったのに。

3年間の思い出がいっぱい蘇る。

大好きだった先生、忘れることなんかできないーーー。

ソウルの3月はまだまだ寒い。

一人泣き続けているときに、雪が降ってきて私の肩を白くさせていく。

先生、先生・・・。

寒さがジンジンと身に染みていく。それでも私は學校最後の日を遅くまで泣いていた。







4月になり大学に進学した私。

高校の友達ガンヒョンと一緒に入学式を終え、人が溢れかえっている校内を歩いていると。。色んな人たちに声をかけられた。

「君たちかわいいし,綺麗だね。この後どう?」

「我々のサークルへ入らないか?」

どうしてこんなに人が声かけてくるの?私とガンヒョンは慌てて校内を駆け出した。

ようやく誰も来なくなって、走るのを止めた。

「どう言う事?なんで?」

「はあ。はあ。もう久々に走ったーー!」二人で息を整え、周りをキョロキョロと見渡した。

「もうあんたがそんな顔してるからでしょう。」

「えっ?なんで?」

「あんたは男が好きになるタイプなんだよねーー、高校の時はイ・シン先生に夢中だったから誰も声かけられなかったが。大学は先生の存在は知らないから、可愛いあんたに猛アタックしてきたんだよ。」

イ・シン先生。ジワッと涙が溢れ出した。

「ちょっ、ちょっとーーー、どうしたの?」

「先生の名前聞くだけで涙出てくるーー。」上を向き涙が落ちないように踏ん張る。

「もう、イ・シン先生のことは諦めなさい。あっちは大人なんだから、子供のアンタのことなんか忘れてるって。」ガンヒョンの言葉は理解できるが、それでも涙は止まらない

「それにミン・ヒョリン先生と復活したって噂だよ」

「えっ!?」

「結構マジな情報。」

「もう立ち直れない。」踏ん張っていた涙がボロボロと落ちていく。

「もうやっぱ、入学式終わってから教えて良かった。」

校門まであともう少しなのに、私達は立ち止まり泣き止むまでガンヒョンは付き合ってくれた。

ようやく涙も止まり二人歩き出し校門を通った時。

1台のバイクに座っていた男の人がいた。

「遅い!」聞きなれた怒る声

「えっ?」ガンヒョンと私の声は重なる

「入学式終わって、ここに来るまで何時間かかるんだ!」

「イ・シン先生。」

私の言葉を聞いて先生は苦笑いをする

「もうお前の先生じゃない。」バイクから離れ、一歩一歩私に近づく。

「そうだけど。だってイ・シン先生は私の先生だもの。」私の目の前で止まる先生。

「お前が大学はいるまで待ってた。短気なオレとしては、随分待った。」先生はi phoneを取り出し「一回しか言わないぞ。早く電話出せ。」

何だか分からないが慌ててi phoneを出しスライドさせて、先生を待った。

「09・・・・・・・。」急に電話番号を言い始めた先生、私は慌てて電話番号を打ち込む。

そして先生はそれを言うと、自分のバイクに向かった。

「えっ?イ・シン先生ーー!?」慌てて番号を押してベルは鳴り続ける。

先生がバイクに跨り、i phoneを耳元に持ち電話は繋がった。

「チェギョン、お前はもうオレの生徒じゃない。オレもお前の先生じゃない」初めてチェギョンって言われた。

「お前、オレのことまだ好きか?」

「はい。忘れられないです。」

「オレもお前のこと、忘れられない。」真剣な目は私を見詰める。

「イ・シン先生。」

「もう先生じゃないってさっき言ったぞ。」

「だって。」

「番号教えたから、電話でもLINEでもいいから、待ってる。」それだけ言ってバイクのエンジンを掛けて、先生はあっという間に行ってしまった。

あとに残された私とガンヒョンは、ボーーーっと立っていた。

「チェギョン!あんた、これって。」ガクガクと肩を揺さぶられる、

「わかんない、わかんないよーーー。」真っ赤になり、涙が又溢れ続けた。






そして夜に私は震える指で、通話記録の残った番号を押した。

画面には、先生という表示。

2回のベル音で繋がった

「チェギョン、遅いぞ。」

「イ・シン先生。会いたい。」勇気を出して言った言葉にシーーンとなる

「会うと止められなくなっても知らないぞ。」

「それでも会いたい。先生に会っていっぱい聞きたいことがあるの。」


「じゃあ外に出てこい。待ってるから。」私は居間にいる家族に向かって「ガンヒョンのとこに行ってくるーー!という言葉を遺してバタバタと家を出て門の扉を開いた。

そこにはバイクに跨った先生がいた。

「職権乱用ーー。」先生に抱き付いた私。

「お前の担任で良かった。」ギュッと私の体に手をまわして抱きしめ返してくれる先生。

「初めて抱きしめてくれた。」ギューーッと腕に力を入れる。

「お前なーー、オレだって我慢してたんだぞ。」私の耳元で話す先生のいい声。

「ヒャッ。」小さく呟く。

二人の目線がぶつかり視線が熱くなっていく。

そして顔が近づき唇がゆっくりと重なる。

長いキスは二人の気持ちも熱くさせていく。

「今日、先生の傍にいたい。もう生徒じゃないもん。」チュッと自分からする。

「オレもお前の先生じゃない。」先生は私にヘルメットを頭に被らせた。

顎紐をはめながら「オレの部屋に行くけどいいか?」ジッと真剣な目

「はい、先生。」ギュッと握る拳は覚悟の表れ。

先生もヘルメットを被りエンジンをかけ私の両手を自分の腰に回した。

「じゃあ、行くぞ。」

マフラーからでる重低音、は私の家を離れていき少しずつ先生の家に近づいて行った。






皆様、こんばんは。

今日から始まるお話は、先生と元生徒のお話です。

短い間ですが、お暇な時に読みに来て頂けると、嬉しいです。

では、おやすみなさい。