後味が悪い。
通い慣れた女の家に来て、酒を飲んでいたが。
気分が優れない。
「シン、どうしたの?今日は私のうちに来る予定じゃなかったでしょ?」
顔も体も嫌じゃない、長年通っている女。
長年通っている割には、情も沸かない。
彼女はオレを理解し過ぎて、あまり多くのことを言わない。
ただ訪れた時、安らかな空間を作ってくれる。
「来なかった方が良かったですか?」ボソッと言う。
「まさか、来てくれると嬉しい。」ソファに崩れて座っているオレの横に座り、枝垂れかかる。
オレの体をゆっくりと優しく触る。
ベストのボタンを外す。
スラックスを触り、オレを誘う。
彼女の髪の毛を触り、手入れされた髪を撫でる。
撫でていても、頭に思い浮かべるのは、ソファに乱れる、綺麗な黒髪。
お団子は崩れ、乱れた姿なのに、綺麗だった。
ボーーーっと思い浮かべていると
「!」慌てて、手が彼女の手を止めた。
「シン?どうしたの?こういう時って貴方やってもらうのが好みでしょっ?」
そうだ。こんな気分の優れない時は、自分で動くのが面倒なので、女にやって貰うはずなのに。
何で止めた?
静かな部屋にスマホの音が響く。
サイドテーブルに手を伸ばして、スマホを掴む。
画面を見ると、母上からだった。
通話を押して、会話を始める。
「夜遅くにごめんなさい。ちょっとチェギョンちゃんの事が気になって。」
「・・・・・。」女の手は、電話が来ても止まらずに、オレの肌の中に入ろうとしている。
「ほらっ、1週間のお試しって、突然一緒にさせたら、18才の彼女はパニックになるんじゃないかなーと思って。お父様の借金のせいで、ずーっとバイトばっかりして、毎日が大変だったみたい。自由になった途端、貴方と結婚って無理させたわよねー。シン家を助ける事が出来て、嬉し過ぎて急ぎすぎたわ。」
「・・・。」
「ちょっと、シン?聞いてるの?」母上の声のトーンが上がる。
「・・・聞いてますよ。」
「でも、チェギョンちゃん、びっくりしてたわ。シンの写真見て、急に真っ赤になったのよ。可愛いわ。「どうしたの?」って聞いたら
「去年、レストランでバイトしている時に、客に絡まれた時に助けてくれた人なんです。酔っ払ったおじさんの腕をギュッと掴んで、謝らせてくれて、一目でその人に恋しちゃったんです。絶対に忘れないです!
神様にずーーっと、又会いたいって、毎日お祈りしていたのが、届いたんですね。
本当は、10才も年の離れた知らない男の人との、結婚なんて凄く嫌でした。
でも、嬉しい。こんな形ですが、又会えるなんて、奇跡です」って。可愛いわよねー。その後、おばあさまにも、丁寧に挨拶していたわ。
「イ・シン様とは、10才も年離れているから、全然興味ないと思いますが、2週間のお試し期間で、私の良さを知ってくれればいいなーと思ってます」って。
こんな可愛い子、一緒の部屋にさせるなんて、私達が間違っていたわ。
それに、チェギョンって、貴方の好きなタイプでしょ?
貴方の女達って皆モデルみたいな良い女ばっかしで、純な可愛い子っていないわよね。
だって、傍に可愛い子を置いちゃって、本気になっちゃったら、許婚のいる身としては、だめですもんね。
迎えを寄越すから、チェギョンをこっちの家で預かります。で、貴方とは少しずつお話をしていけば、良いと。」
「母上!迎えの車はいらないです。私達の事は、心配せずにごゆっくりと、お休みください。」通話ボタンを切った。
オレの体を自由に触っている女から、離れ立ち上がった。
ワイシャツのボタンを嵌め、ベルトもしっかりとこんなとこで2度と外さないように。
ベストを着て、上着を持つ。
「シン?どうしたの?急になにか呼び出されたの?」女はオレを見上げる。
大人の魅力がいっぱいのこの女。
オレは見下ろし「ここには、もう2度と来ない。後で使いの者を寄越して、お金を相談をしてくれ。」
「えっ?どう言う事?」慌てる女の薄いネグリジェが肌蹴た。
エステで磨かれそして整形で美を得た体。
一瞬にして、醜いものに感じる。
「長い付き合いでしたが、私は結婚するので終わらせましょう。」その一言だけ言い、玄関に行った。
「シン!そんな私達、良い相性だったはずよ。」後ろからついてくる女。
玄関で靴を履いていると、背中に抱きついてきた。
「貴方の子が。」
オレの背中がビクッとする。
「そんな嘘ついて、どうするんですか?貴方のピルは、ずるをしないように、私が必ず目の前で飲ませていましたし、は完璧につけていました。
子供が出来る訳ないでしょう?」低い声で、女に言う。
「私の周りの女達全て、私の性欲の捌け口でした。遊びは終わりです。」ドアを開け、外に出ようと「シン!ごめんなさい!謝るから、戻ってきてーー!」大人の無様な泣き声が聞こえてくるが、オレは後ろを向くこともなく、扉を強く閉めた。
皆様、こんばんは。
何時も読みに来てくださり、ありがとうございます。
昨日は、バイトの帰りに猛吹雪で先が見えずに、10キロぐらいで走ってようやく家に着いて、その後雪掻きをしたので、疲れ果てました。
よくテレビでは、ホワイトアウトと言いますが、田舎では地吹雪と言います。
私の住んでいるところでは、あまり地吹雪はないのですが、昨日は凄かったー。
では、皆様も天候にはお気をつけてください。
おやすみなさい