「ハン先生今日来れないって。」

「今日の接待、相手側の不都合で中止になった。」グイグイと引っ張られて、居間の床に座り、ジフンの怪獣自慢を聞いてあげているハン先生。

「そうなんですか。それにしても、ジフンがイタズラしてしまって、済みませんでした」頭を深々と下げる。

「ジフンは悪くない。母親が応答しないと子供は慌てるだろう?それにオレも暇になったから、此処に来ようとしてたから、気にしないで。」ジフンのクリクリ頭を撫でながら言う。

「えっ!?本当なの!?」ジフンの目がキラキラと輝く。

「あぁ、オレの大事な友達だからな。」2人で拳を合わせて、ニヤッと笑う。

「そうなんですか。ハン先生、お礼の代わりにキムチ鍋食べていきませんか?」髪の毛を結い、トレーナーにエプロンをした私は、ハン先生に聞いた。

「ハン先生、ママね今日おかしかったんだ。家にいるのにオシャレにして、ソワソワして、キムチ鍋もいっぱい作って。

でもね、ハン先生が来れないって、LINEの返事が着たら、着替えちゃってそれで段々げんきまでなくなっちゃって。

ねっ、ママおかしいでしょ?ハン先生、ボクわかんない・・・、でもハン先生は、凄い先生だから判るよね。」ジフンの小さな声がオレの耳元で告げる。

オレは目を瞑り、うんうんとジフンの言葉を噛み締めた。

此処に来て、良かった。

来なかったら、後悔していた。

オレはジフンの耳元に手をあて、小さな声で「後で診てみるから」ニッと笑う。

「うん。ハン先生!おねがい!」ニッコリ笑うジフン

全くオレはこの親子の笑顔に、めっぽう弱くなってきた。

「ジフン!!ゴハン食べる前に、シャワー浴びてこよ。」

「えーーー!やだ!ハン先生に、まだまだ見せる物があるのに。」ぶーっと膨れる頬。

「ダメ!ジフン!早くしないさい。」ジフンを捕まえに来た。

「嫌だーーー!」逃げようとしても、オレはジフンを捕まえる。

「ほらっ、ママの言う事聞かないヤツは、友達じゃないぞ!?」言い聞かせる。

「グッ!シャワー浴びてくる。ハン先生、絶対に待ててね!」慌ててパジャマのボタンに手を掛ける。

「ハン先生、ジフンをシャワー浴びさせてきますから、帰らないで下さいね。」ジフンの服をテキパキと脱がせながら、彼女は言う。

「こんな良い匂い嗅がせておきながら、帰る訳ないだろう。それにオレは、キムチ鍋にはうるさいぞ?」イジワルっぽく言ってみた。

部屋に漂うキムチ鍋の匂い、韓国人としてはこの味で良い嫁さんになれるかの、大事な鍋。

2人でシャワー室に消えた。

オレはカバンからスマホを取り、昼読んでいた資料のとこを出し、読み始めた。

シャワー室からは、二人の騒ぐ声が、洩れている。

オレは、なんだか気持ちが温かくなるのを感じた。

床に座り、キムチ鍋の香りそして人の声。

オレの部屋にないモノばかりが此処にある。

温かいな。

外は寒いのに、部屋の周りを見ても、エアコンもストーブもないのに、この部屋は暖かい。

オレの部屋は、ただっ広く余り物がない。

そこは寒く、エアコンの暖房を掛けても寒い。

ヤバイな自然に苦笑いがでる。

「キャーーッ!」突然の声が響く。

「ウネさん!どうした?」オレは傍まで寄る。

「ハン先生、今ジフンにシャワーかけられてしまって、ずぶ濡れなんです。まったくジフンだけ洗っていたのに。」

「ママごめんなさい。」二人の声だけ聞こえてくる。

「で、大丈夫?」シャワー室の前で、聞く。

「もう仕方ないです。私もシャワー浴びちゃいます。ちょっと時間掛かるけど、絶対に帰らないで下さいね。」

「慌てないで帰らないから。」

「はい。判りました!あっ、ハン先生ジフン先に出しちゃいますから。」扉が急に開き、中からTシャツ・ペンティ姿のジフンが飛んできた。

「わーーー!ハン先生ーー!」ガシっと捕まれた。

「ジフン!髪の毛、ちゃんと拭いてー!」バスタオルがシャワー室から飛んできた。

オレの目線は自然に、シャワー室を見ると。

上半身を壁から出して、腕を伸ばしていたウネさんが。

つまり、結局、やっぱり、ずぶ濡れな彼女は、もう裸になってて。

「えっ!すまない!」オレは目をギュッと瞑った。

「ごめんなさい!つい何時も通りに。」慌ててシャワー室の扉は閉められた。

きつく瞑った目には。

ウネさんの上半身がはっきりと。

「ハン先生、なんで?目瞑ってるの?」不思議そうなジフンの顔。

「大人の事情。」ふーーーーっと深い溜息が出た。

目を開け、ボーっとしてると、ジフンが踏み台を持ってきて、タンスの前に置き、登って引き出しを開けようとしたが、手が届かない。

「ジフン、どうした?取ってやろうか?」オレは気分を変え、笑いながら立ち、ジフンの隣に立った。

「うん。右側の引き出しから、どれでもいいから取ってきてって言われた。」

オレは、「右側な。」引き出しを開けてあげると。

下着がーーーーーーーー!

バン!と引き出しを閉め、そして大きく肩で息をする。

「ハン先生、どうしたの?早くもって行きたいんだけど。」見下ろすと、ジフンが手を上げて待ってる。

「あっ・・・あぁ・・・。」どうしたらいい?オレは目を瞑り引き出しを開けた。

そして素早くそこに手を入れ、それっぽい形のを2種類掴み、ジフンにパッと渡した。

「ハン先生、有難うーー!」ニコニコ笑うジフンになに慌ててるんだ?

若い人からお年寄りまで、見慣れているはずなのに。

どうして、こんなに彼女にはドキドキしてしまう。

こんな気持ち初めてで。前の時にはこんなには。

テーブルに頭を置き、考えてみる。

考えようとすればするほど、彼女の笑顔がチラチラと彼女とのキス

そして、さっきの彼女の上半身、一瞬だったが綺麗な形をしていた。

ユン・ウネ君の事ばかり考えている。

さっきから、ジフンはママの為にバタバタと行き来している。

踏み台に乗っかり、トレーナーを持って行ったりしていたが、オレのとこに来て「そろそろママ出て来るよ。」

オレは頭を上げ、スマホを握り締め、あたかも見ていた振りをする。

ガチャっ。

「ハン先生、遅くなってしまって、すみませんでした!」頭を下げキッチンへ向う。

「もう、お腹減ってますよね。後はニラ入れて一煮立ちすればOKなので、待っていてくださいね。

鍋にコンロの火が入ると、叉キムチ鍋の良いニオイがしてくる。

「ママのキムチ鍋、世界一美味しいんだよ。ハン先生も食べればきっと美味しいって言うよ」茶碗を取りに行き、箸も、持ってきてくれた。

「ジフンは、ママのお手伝い、ちゃんとするんだな。」

「うん。だって二人しかいないんだ。ママお仕事で疲れてるんでしょ?ボクが頑張らないと」叉何かを取りに行った。

オレの隣に座り「エヘヘッ、お腹減ったー。ママまだー?」

「はい、キムチ鍋の登場ーー!」鍋を持ち、テーブルに置く彼女。

3人分を取り分け、キムチ鍋を味わった。

家でたまにキムチ鍋だけは作る。

完璧な材料を使い、完璧な分量、完璧な食器で完璧な味を食べているオレなのに。

一口、スプーンで掬い自分の口元へ持っていく。

口いっぱいに広がる美味しさ。

子供用に辛くないのだけども、オレ用に色んなのを置いてくれた。

「ハン先生?どうですか?」ユン親子の目がキラキラと待っている。

「あぁ、美味しい。家で作るのより美味しい。」今日の屋台のよりも美味しい。

「美味しいな。何か特別なの入れてる?」

「うーん。愛情かな?」照れ笑いの彼女。

オレの顔はビックリするがなんか判る気がする。

「ヤバイな、世界一って本当だな。」何度も口に運ぶ。

「本当ですか?」「本当?」親子の声が被る。

「あぁ。」するとヤッターーーと声が。

「ママ良かったね。やっぱ、ママのキムチ鍋、世界一美味しいね。」満天の笑みを浮かべ、いっぱいゴハンを食べ、話をして、笑い合う。

家族みたいだ。

話をしていたら、ジフンはまだサウナに行った事がないと言い出した。

「まだ小さいから、早いかなーと思って、それにジフンに待っていてもらいたくても、一人であそこにおいとくのも。だから、ジフンがいてからは、行った時がないんです。」行きたそうな彼女

「だったら、オレがジフン見ていてあげようか?」

「えっ?」彼女の目が光る

「ハン先生!本当?ボクもサウナ行ってみたかったんだー。」ジフンが乗り出す。

「ハン先生、いいんですか?ハン先生だって入りたいんじゃ。」

「ウネさんが上がったら、入りに行くよ。オレも、もう何年も入った事ないから。」

「ジフン良かったね!念願のサウナだ。」

「うん!明日、保育園の皆に言うね。」2人抱き合い、嬉しそう

全くこの家族は、可愛くて仕方ない。


ジフンはこの後直ぐに寝てしまい。やはり熱の出た後なので、体力が持たない。

ウネさんは、ジフンを抱き寝室に行った。

シーンと静まり返ったこの部屋。

この後、どうしようか。

テーブルの上には、食べ終わったキムチ鍋や茶碗が。

オレは、立ち上がりキッチンに持てるだけ持っていく。

何度か行き来している内に「ハン先生、座っていてください」彼女の慌てる声が近づいて来る。

「お客様は、ちゃんと座っていてください患者さんのを診る大切な手を、汚さないで下さいね。」汚れ物を奪われた時、オレの親指に、キムチ鍋のタレがついた。

お客様という言葉に、カチンと来たなんでかそう思ってしまった。

「汚れてしまった。拭けよ。」オレの親指は、彼女の口元に辿り着く。

オレを見上げる彼女の瞳は揺れ動いてる。

オレは只彼女を見下ろし只見つめている。

彼女の体が動いた。

頬を赤く染め、目の前に出された親指の汚れを、ゆっくりと舌先で舐め始めた

止めようとしている彼女に「まだ汚れている。」ウソの言葉を言う。

彼女を抱き寄せ、ギューッと抱きしめながら、貪る。

初めての恋でもない。

初めてのキスでもないのに。

仕事場では、患者や同僚、職員達から天才とか・・凄いと言われ、完璧な医者を演じているオレを。

キスだけで、ただのオトコになり下げてしまうユン・ウネと言うオンナ。

お前って。この温かい中へ、ゴボゴボと奥深く堕ちていく。







チュッと言う音と共に、カレが離れたと思った私は、ゆっくりと目を開いた。

えっ?目が。

キスが終わった後も、彼の顔は、私の顔の傍にあった。

「ハン先生のキス、とろけそうです。」

「それは、どうも。」ジーッと見ている。

「近いです。」私は恥ずかしくなって、離れようとしたが。

ギュッと抱きしめられて、逃げれないようになった。

「逃げるな。」

「ハン先生。だってこんなに近いなんて心臓おかしくなる。」

「キミの顔、ちゃんと良く見た事なかった。だからちゃんと見たい。」ジーッと見る。

「眉毛、真っ直ぐ。目・・二重・・鼻も真っ直ぐ・・耳・・綺麗な・・・耳朶も程好い大きさ。」カレの指は一つ一つ私の顔の箇所を指差す。

「合格、まったく不具合がない。」

「ハン先生不具合ってその言葉使い方間違ってる。」

「そっかー?どうも医者ってヤツはダメだな。」どさくさに紛れてキスをする。

「ハン先生。」

「なー、そろそろハン先生は、止めて欲しいな。」

「えっ?呼んじゃダメです?」

「違う名前か?オッパは?」

「あ・、私ハン先生の名前知らない。」彼女は都合悪そうに、オレを見上げる。

「何!?」カレの目が私を射る

「だって、ハンって言う苗字、内科では一人だけだったし。」おずおずと言う。

「・・・・・。」冷たい目。

「ハン先生怒らないで?」愛想笑いで、見上げる。

「オレの名前、判るまでキスしない。」パッと離れる。

「えっ?そんな。」焦る私。

「キスしたかったら、名前言えよ。」意地悪そうな目。

「ビョンホン、ヒョンビン、ウォンビン、ジュンギ、チャンミン・・・。」色んな名前が出てきたが。

「全部外れだ。チャレンジは2回まで」意地悪な目をしたまま、カレはカバン、コートを持って玄関に向った。

「えっ!?2回?少ないですーー!」カレのスーツを掴み、引っ張る。

「お前なーー。本当は1回でもダメなのに、2回までいいんだぞ?良心的だ。」

カレは靴を履いて、私を見る。

「本当はジフンの容態を軽く見て帰るつもりだったんだ。それなのに遅くまでいてしまった。此処の部屋は、居心地が良過ぎる。さっさと帰らないと。」

「ハン先生、帰りのキスは?やっぱりなし?」掴んだ指先に力が入る。

「ない。キスなんてしてしまったら、帰れなくなる。」カレの指は、私の指を掴みスーツから離した。

「じゃっ。」扉のノブを回し、ハン先生は行ってしまった。

私は、ハン先生が出て行った方向を見て、真っ赤になって見つめる。

「自分から帰りのキスって恥ずかしいーーー!」でも、本当にハン先生のキスが欲しかった。

カレのキスが欲しかった。

この気持ちは。

でも、私にはジフンの部屋を見つめる。





次の日。

ジフンの熱も下がったので、保育園に連れて行き、私は自転車を漕ぐ。

もう、自転車も寒いなー。歩いて行かないと行けなくなる。

仕事場に着き、看護師のユニフォームに着替え、髪の毛も纏める。

ナースステーションに寄り、リーダーとのミーティングに参加して、今日の事を話し合う。

そして、各自の担当の医師の部屋に行く。

扉の横に、ハン先生の名前がデカデカと、ネームプレートが貼り付けてある。

ハン・スンジェ。

私は、ニコッと笑い、中に入っていく。

ハン先生が来るまで、今日の患者さん達がスムーズにいくよう、準備をする。

それに、ハン先生が仕事しやすいように、パタパタと動いていると扉が動いた。

そこには、何時もと同じように、白衣を身に付け、丸いメガネのカレが立っていた。

「おはよう。」中に入り、何時も通りに挨拶をして、イスに座る。

「ハン・スンジェさん、おはようございます」

私の声にビックリして顔を見上げる。

「スンジェさん、ちゃんと覚えました!朝のおはようのキスしてもイイですか?」真っ赤になって聞いた。

驚いた顔が段々笑い顔になっていく。

「驚いた。仕事の前にこんなことしないと思ってた。」私を見上げながら、メガネを外すハン・スンジェ先生。

「スンジェさん、メガネ。」初めてのメガネ姿に、違う人みたいでドキドキした。

「アぁ。昨日コンタクト買うの忘れて、メガネにしたんだ。」メガネを机に置いて、叉私を見てくれる。

「メガネ姿もイケメンですね。」私の体はカレの傍に行き、顔を降ろしていく。

「本当か?」妖しそうな目付き。

お互いの唇は、後もう少しで重なり合う。

「はい。」ゆっくりと重なる唇。




今日の診察開始が、遅くなった。

扉から出てきたユン看護師が、名前を呼んだ人達に、文句を言われてばかりいた。

その時の対応の時、彼女の手は唇を押さえながら「今日はミーティングが長かったんです。どうも済みませんでした。」と言う声が、何度も聞こえた。






日曜日のPM2:00

「ママーーー!久し振りのサウナ、どうだった?」ジフンが私の足に抱きつく。

私は何時ものクリクリ頭じゃなく、白いタオルで羊の耳を作った頭を撫でた。

「ジフン!この頭、かわいいねーー。」

「ママ。オトコにカワイイって言わないでよー!」プーッと膨れるジフン。

「もーーー!そこが叉、可愛いーー!」ニヤニヤが止まらない。

「オイオイ、ウネサン、上がったんだな。じゃあっ、行くから。」手を上げて男の入り口に行った。

「あっ、はい!いってらっしゃい。」此処のサウナ専用の服に着替えていたカレに、手を振って送り出した。

「ジフン!ちゃんとハン先生のいう事聞いてた?」

「聞いてたよ!ハン先生と色んな遊び言葉教えてくれた。でも、難しくて忘れちゃったーー!」照れる息子。

「全くハン先生が教えてくれたのに。」

久々なサウナ。

二人暮らしで、ジフンもサウナにはまだ早いので、行きたいのに行けなかった場所。

でも、スンジェさんが、提案をしてくれたお陰で、此処に来れた。

最近、スンジェさんが傍にいてくれる。

何だろう安心する。

一人でがむしゃらに働きながら、ジフンを育てる辛さ、苦しかった。

私は床に座り、ジフンを足の間に入れ、羊タオルを直してあげた。

「ハン先生、ママが上がったら帰りなさいって言ってたけど、待ってようか?」イタズラする時の声で聞く。

「えっ?良いの?」ジフンの目が輝く。

「うん、いいわよ。ハン先生にはお世話になってるから。サウナ名物、タマゴ食べようね。」ニッコリと笑う。

「やったーーー!皆が食べているやつだね!」2人でわくわくして、待っていると。

カレが戻って来た。

首に回したタオルが何か男らしく、Tシャツハーフパンツから伸びる長い手足に目が釘付け。

私たちを見て、ビックリしている。

「なんで?帰ったんじゃ。」

「何時もお世話になってるから、ゆで卵ご馳走しようと!待ってました。」

カレは私達の傍に座り、私たちを見る。

「そのタオルイイなー。」ジフンの頭を見ながら言う

「ハン先生、ママがやってくれるって。」無邪気なジフンは私の手を引っ張る。

「オレがか!?」驚いたカレは手を横に振る。

「何言ってるんですか!ここに来たらこれ!しないと」途中でジフンの頭を指差す

私は、膝で立ちカレの頭にタオルを巻き、ささっと羊を作った。

この羊タオルに照れてしまっているカレ。

「さっ!ハン先生、卵たべましょ」私は、卵を6個持ってきて、3人で囲んだ。

スンジェさんは、ジフンを膝に置き、ジフンが食べるのを見ていた。

「全くそんなに慌てて食べるなよー。」

「ハン先生、これ美味しんだよ!早く食べて見て!」

「判ったよ。」スンジェさんは、頭でタマゴを叩いて殻にヒビ入れた。

そして、殻を取って食べようとしていたのに。私が剥いた卵は、カレの口の中に消えた。

「ウネさんが剥いてくれた卵、ウネさんが剥いてくれた卵、マジで美味しいな。」その顔は子供のように微笑んでいた。