殿下と決別した日に、私はガンヒョンの家に行った。

「チェギョン!!どうしたの?その顔?」

私は泣きながらこの家に着いたので、顔が赤く腫れていた

ガンヒョーーーン!!

声は聞こえないけど、さすがガンヒョン。

「皇太子殿下のこと?」

ウンウン、頷く私。

涙が後から後から、溢れ出す私の為に、ガンヒョンは箱ティッシュをいっぱい持ってきた。

「もう、とことん泣きなさい。」

私は携帯を出し、文字を打ち込みガンヒョンに見せる

今日殿下に会った。そしてちゃんと話してきた。

「チェギョン、偉いわ。」と頭を撫でられた。

今日、泊まってもいい?

「良いよ。前みた、朝まで話しようか?」

声が出なくなり、足をケガして戻ってきた私を、ガンヒョンは笑いながら「これで、前みたく遊べるね。」と迎えてくれた。

同い年なのに、なぜかおねーさんっぽい彼女。

だから、泣き止まない時に彼女に頼る。

唯一私の気持ちを知っている彼女は、とことん泣かせてくれる。

「アンタはそれでいいんだよね。後悔はしない?」

うんと頷く頭

「こんなに泣くほど好きなのに、いいの?」

頷く。

だって、殿下には婚約者がいたんだよ。割り込んだ私が悪かったんだ。と打ち込む。

「初めての恋がこんなに辛いなんて、アンタも大変だ。」

2度も好きになっちゃった。

「アンタも懲りないね。」と笑う。

だって、カッコいいんだものー。

「はいはい。ホラッ、鼻水垂れてるって。」と私の鼻にティッシュの束を押し込んだ。





ガンヒョンのベットに2人で寝る。暗闇に携帯の光が浮かび上がる。

ガンヒョン。人魚姫の話知ってる?

「知ってるよ。最後に泡になってしまうお姫様でしょう。」

私、海の中に落ちた時に、人魚姫のように泡になってしまいたかった。

「チェギョン!!何バカな事を!!」

ふふっ、海に落ちた時、シン・チェギョン皇太子妃は泡になって消えていきました。

物語のように人魚姫は王子様の為に消えてなくなったの。

だから、私の想いも泡のように消えないとね。

「バカチェギョン!!ほんと、バカなんだから!!」

でも、庶民のシン・チェギョンとして蘇りましたけど(笑)

「アンタって子はーー、もう寝なさい。」とガンヒョンは布団を被った。

ガンヒョン、ありがとうね。

「・・・・・。」

ほんと、ありがとう。






土曜日の午後

ガンヒョンが手を振っているテーブルに私は辿り着く。

「おそいぞ!!」

携帯を取り出して、打ち込む。

病院が長くなっちゃって。

「で、ギブスは?」

来週の始めにしましょうだって。

「良かったじゃん。がんばったねー」

お医者様にも褒められてきた。これからも大変ですが、乗り越えていきましょうだって。

「その時には、付き合うよ。」

ガンヒョン、ありがとう。ねえ、ねえ、持ってきた?

「そんなにみたいの?」

ウンウンと頷く私。

「仕方ないなー。」とガンヒョンはカバンから分厚い本を出した。

「ホラッ、卒業アルバム。」

私は映像科の皇太子を探す。

あったーー!!

カメラ慣れしている殿下は、何時もよりイケメンに写っていた。

「こらっ、そんなにみたら穴が開く。」

携帯を出し打ち込む。

だって、こんなにいい男なんだよ。

「そんなチェギョンの為に、やってきましたよっ」とファイルを出して私に寄越した。

そこには大きくプリントされた、殿下があった。

そうして、殿下のお言葉と言うページの写真もあった。

ありがとーー。私は彼女に抱きついた。

見てるだけならいいでしょう?

カレと同じ高校だったのに、本当は一緒のアルバムに載っていた筈だったのに。

私は違う高校を選んだ。


一緒に写真撮りたかったな。と携帯に打ち込んでしまった。

「チェギョン・・・。」

私はプリンススマイルを浮かべた。

ガンヒョンは残りのコーヒーを飲み、私はもう1度卒業アルバムを見始めた。

少しして、私は。

さーっ、ちょっと買い物あるから付き合って。と打ち込む。

「いいよ。トコトン付き合ってあげるから。買ってあげれないけど。」と2人で笑いあった。

そしてイスから立ち上がろうとしたら。

「シン・チェギョン!!」

私達の席に、知っている男がやって来た。

「お前、どうしてここに!?」

「廃妃になったからよ。もうただの庶民だから。」とガンヒョンは釘をさした。

「シン・チェギョン!!謝りたかったんだ!!」と言って、急に土下座をした。

イ・シン皇太子殿下のお友達。確かギョンという名前

「あのクルーザー、オレが運転していた。初めてだったから、運転が下手でお前の事、振り落としてしまった。

彼は頭を床につけて、謝り続ける。

私とガンヒョンは顔を見合わせる。

「あんたねー!!今更謝っても、チェギョンの足は。」急にチェギョンに止められた。

そして首を振り、言うなって顔をしていた。

そして、携帯に書き込む

もう過ぎた事だし、これは私に与えられた事。あんたの事全然恨んでないから、だから頭上げて。

ガンヒョンはその文章を見て、渋々伝えた。

「ほらっ、チェギョンが良いからって、立ちなさいよ。」

彼は顔を上げて「治療費は俺が働いて払うから。」

治療費は「宮」の支払いだから、気にしないで。と笑う。

ガンヒョンはその言葉も伝えた。

その2人を見て、ギョンは「シン・チェギョンってもしかして、声が。」

「そうよ、ストレスとショックで、声が出ないの。出るかもしれないし、一生このままかもしれない。でもね、シン・チェギョンはやれる子なの。全てを受け止めて、前に進むのよ。ほんと尊敬するわ。

でも、アンタ達はそんなチェギョンの事を、苛め抜いていたわよね。」と又怒り始めていた。

まあ、まあ。とガンヒョンを宥める

「治療費がダメなら、何か俺にもやらせてくれ」と言う

考えた彼女は又、打ち込む

じゃあ、靴が欲しい。来週の初めにギブスが取れるの。その時に、ちょっと高い靴買って下さい。

「靴で良いのか?」意外な言葉に顔がボーッとなる。

うん、良い靴を履いてると、幸せに導いてくれるんだって。それで、もう解決しましょう。とギョンに携帯を見せた。

その後ギョンとガンヒョンは来週の集まる場所を決めていた。

そっかー、ギブスが外れたら、靴が履けるんだ。

久し振りの靴。「宮」にいた時はハイヒールが多かった。

でも、一生足を引きずらないといけないので、低い靴が欲しかった。

段々、こうして、妃宮って言うのから離れていくんだね。






皆様、こんばんは。

人魚姫7、ボートを運転していたのがギョンだったとはー。

忘れてました。

読みながら、へーっと頷いてました。(笑)

人魚姫8が楽しみです。

コメント下さった方々、ありがとうございます。

では、またー。