世はコロナウイルス一色。日本でも連日感染者が増え、私達もいつ感染するか判らない恐怖の下で生活を余儀なくされている。

しかしそんな庶民の激烈な憂慮を他所に政府は的外れかつ鈍重な政策しか打ち出していない。

まずコロナウイルスが世に知られ始めたのが確か1月半ば、中国の春節の時期。政府は新型肺炎の存在を知ってか知らずか中国人観光客の流入を無策にて許してしまった。結果、今日のコロナ蔓延の端緒になったと思われる。

次に軽薄な人情論により武漢在住の日本人をチャーター機を使ってまで帰国させている。その際2週間の経過観察期間を設けたのはある程度頷けるがその受け入れ先についてもドタバタが見られた。政府としては感染症対策マニュアルが用意されていなかったのかと容易に推察出来る。

そしてダイヤモンドプリンセス号の船内感染。船内はさぞや混乱を極めていたのだろう、感染症対策の専門家を連れてきたは良いが、僅か半日で追い出してしまった。その背景には役人の面子が優先されたと言われている。結果船内の潔・不潔のエリア分けは素人目に見ても極めて曖昧かつ稚拙でこれが役人の主導であるならばその無能此処に極まれりと断ぜざるを得ない。この件についてはむしろ人災とも思える。

さてほぼ無策のまま2ヶ月が過ぎ、感染者は増大する一方。緊急対策本部が置かれたのは3月27日と言うから政府を司る連中は一体何をしていたのか呆れる。その間にマスクやトイレットペーパーの転売が相次ぎ、庶民は大混乱に見舞われたと言うのに、マスクの増産を依頼してからマスク転売禁止にしたから未だにマスクの品薄は解消されていない。そもそも何故マスクに限定したのか?その真意も図りかねる。結果ネットショップでは隠語による取引が横行する事となった。転売を規制するならば出品される値段(送料等の諸経費も含む)に500%程の重税を課せば良いだけ(ただし未使用品に限定する)で一掃されるだろうものを。まさに泥縄式の最たるものだ。そのマスク対策にしても推定200億円の巨費を投じながら布マスク2枚を配るというもの。費用対効果を完全無視した政策である事は小学生でも解ろうというものだ。

さて、そんな安倍総理を私は今回の記事で『山吹宰相』と名付けた。その名の由来をこれから説明させて頂きます。

まず「山吹」は何処から来たのか?出典は江戸城を建てた太田道灌の出世譚による。

若き日の道灌が鷹狩に出かけた際、にわか雨にみまわれたため蓑を借りるべく近在の民家を訪ねたが、出て来た少女は山吹の花一輪だけ持って出て来た。

憤慨した道灌は帰って家臣に話した所、家臣から

七重八重 花は咲けども 山吹の
実の一つだに 無きぞあやしき

に掛けて蓑は無い事を知らされていた事を知り、無学な己を恥じた結果、文武両道の名将になったというエピソードになった詩に準えたものだが…

その実は、国民にアレコレ目を惹く政策(花)を提示しておきながらも、肝心の成果(実)は何一つ無い、という皮肉を込めたものと解釈した上での「山吹」宰相と名付けた次第。

そしてもう一つ、「山」伏が「吹」く物と言えば…もう言うまでもないでしょう、アレですよ、ホラ。前言撤回を事もなくやってのける安倍さんにはピッタリ!

そろそろ道灌さんのように己を恥じ名君になってくれないかな?…無理か。大概元々の人間の度量が違いすぎる。

4月6日になってやっと非常事態宣言を出そうかと重い腰を上げた。全く愚鈍極まりない。フィリピンのマニラでは感染者が50人を超えた時点で非常事態宣言を出していると言うのに…。

最後にその道灌さんが主君に謀殺された際に放った言葉をアレンジして…

当国滅亡!!
(原典「当家滅亡」)