全国的な人口流出に伴い中山間地域を中心にスーパーやコンビニ等の生活インフラが消滅する「移動困難地域」が拡大しています。五所川原市も例外ではなく三好・中川・飯詰・長橋・七和そして旧市浦村の6地区では日常の買い物や医療機関への受診、行政手続きが困難な「移動困難者」の増加が深刻な課題です。
こうした移動困難者支援として検討されるシャトルバスや移動販売車は予算を要します。財政負担とのバランスを欠いた施策は持続不可能であり徹底して効率的かつ現実的な運用を追求しなければなりません。
昨今、安易に提唱される「貨客混載」や「AI活用」には以下の通り極めて慎重な判断が必要です。
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貨客混載の法的・実務的リスク: 運送法と旅客運送法という準拠法の違い、荷物と人間の混在による専門性の欠如、万が一の事故発生時における責任所在の不透明さなど解決すべき障壁が山積しています。
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AI活用のコストと実効性: AI導入には莫大な委託コストと運用する専門人材の確保が不可欠です。最先端を謳いながら結果として「アナログの方が安価で使いやすかった」という事例が全国で後を絶ちません。
私は安易な技術論に逃げるのではなく市民の利便性と市の財政健全性を両立させるため以下の施策を提言し一般質問を通じてその実現を強く求めます。
【1】移動販売の全域拡大と、医療・行政が「玄関先へ行く」仕組みの構築
「買い物」を通じた外出や交流は、高齢者の健康増進に寄与し中長期的には医療費抑制に繋がります。私は高額な施設改修やAI導入に走る前に低コストで持続可能な「移動販売」を軸とした生活支援を推進します。
(1)移動販売車の全域拡充と「買い物バス」の併用
既に七和地区で実績があり市民に喜ばれている「移動販売車」を三好・中川・飯詰・長橋・市浦の5地区へ迅速に拡充します。さらに日常の移動販売を補完する手段として月一度の「買い物バス」運行を組み合わせ地域ごとのニーズに最適化させます。
(2)「モバイル・クリニック」:移動販売車への医師同乗
移動販売車に訪問診療医が同乗する仕組みを構築します。玄関先で「診察」を受けその足で「買い物」を済ませる。医療の利便性向上に加え定期的な「見守り」を強化し行政・医療・民間が連携したセーフティネットを実現します。
(3)買い物バスによる行政手続きの完結
買い物バスの巡回ルートに市役所や支所を組み込み買い物のついでに行政手続きを完結できる体制を整えます。「市民に移動を強いる」のではなく「行政が市民の動線に合わせる」仕組みで利便性を最大化します。
【2】広域連携による「ごしょくる」の最適化と「ごしょなかくる」への刷新
現在運用されているAIデマンド交通「ごしょくる」は行政区画の壁に阻まれ住民の利便性を損なっています。特に旧市浦村住民にとって日常の買い物や医療機関は五所川原市中心部よりも隣接する中泊町(旧中里町)が地理的に近く生活圏が一体化しています。
(1)行政の壁を越えた「生活圏優先」の運行
「五所川原市民だから五所川原市内でしか降りられない」という非効率を解消します。中泊町との共同運用を働きかけ、市浦住民が最短距離で中里地区の施設を利用できる体制を整えます。
(2)「ごしょなかくる」によるコスト効率の向上
五所川原市と中泊町が連携し運行エリアを「生活圏単位」で再編することで空車時間を減らし車両の稼働効率を高めます。隣接自治体との共同運用は将来的な維持コストの削減にも直結します。
【3】旧市浦村について津軽中里駅と旧市浦村を結ぶシャトルバスを新設
旧市浦村には B&G 海洋センター市浦及びにこにこ温泉しうらが存在しており津軽中里駅と旧市浦村を結ぶシャトルバスを導入することで以下の効果が期待されます。
① 旧市浦村住民が津軽鉄道を利用して市街地へ円滑に移動
② 五所川原市街地の住民が市浦へ運動目的で訪れ温泉を併せて利用するなど健康増進及び温泉施設の利用者増加
③ 市街地と市浦の往来が増えることで地理的距離感が縮まり両地区の住民交流や地域の体感形成に寄与
④ 別途陳情中の市浦プールが整備された場合にはシャトルバスによる利用者増加
津軽鉄道が通らない区間に限定してシャトルバスを運行することでバスの運行経費を抑制するとともに津軽鉄道の利用促進にも資することが期待されます。
【4】にこにこ温泉しうらの維持管理費の一部を中泊町に負担してもらい中泊町民もトレーニング施設を利用できるよう協議
にこにこ温泉しうらは五所川原市の一般会計から維持管理費が拠出されているため現行制度ではトレー ニング施設は五所川原市民のみ利用可能となっています。
しかし旧市浦村は中泊町と隣接し中泊町民にとっても利用圏内であるにもかかわらず利用できない現行制度は施設の利用拡大を妨げていると考えられます。 そこで中泊町に対し維持管理費一部負担を申し入れ適切な協定を締結し中泊町民もトレーニング施設を利用できるよう規則を見直すことで利用者増加及び施設の持続可能な運営に寄与するものと考えます。
【これまでの実績】

