ぽっちゃりすた(以下、ぽ):今回、原作の方は、共著という形ですよね。トッティと、ジャーナリストのパオロ・コンドーさんの。
翻訳進めるに当たって、ピルロの自伝翻訳の時のように、どちらかと直接であったり、メールであったり、コンタクトを取って、内容の確認や自伝作成の経緯をおうかがいしたりされたんですか?
沖山ナオミさん(以下、沖):それは一切してないですね。
もう結構ページ数が多くて内容も濃かったので、これに付け加えて質問するという事もとくになかったですね。
ピルロの時は、メールでインタビューしたんですけど、それは内容が短かったので、書ききれてないところがあったような気がしたので、インタビューしました。
トッティの笑い話を書いた後には、あの本がチャリティーの目的があって、全部ユニセフに寄付されるという本でしたから、日本語版の方もどうなっているのかというのが気になりまして、後、あの笑い話といった内容をどうやって日本語で訳したのかを伝えたくて、トッティに話に行ったんですよ、いとうやまねさんと一緒にトリゴリアまで。
それでトッティに会って、「日本語版の売上もチャリティーになるからという気持ちで購入してくれる人がいるのだけど、実際そうなのですか?」って聞いたら、「全部。全部寄付するぞ」ってトッティが言ってくれて。
そういう事があったので、訪ねたりしたんですけど、今回の自伝については、ちょっとそれは考えていなかったですね。
ぽ:実際に会われてトッティってどんな人でしたか?
沖:トッティは素敵でしたね。笑。目が水色で透き通っていて。握手してハグしてチュッチュってやったんですけど。笑。
ぽ:あーっ、うらやましい!笑。
沖:失神しそうになりましたね。笑。
ぽ:うらやましすぎて心の声が漏れてしまいました。笑。
沖:ただ、忙しそうで、やっぱり次から次へと色んな人が訪ねてくるんで、ちょうどその時も経理担当者が来て、お兄さんとともに打ち合わせをしないといけなくて、その合間合間に話をおうかがいしたんですけど。
でも、そのおかげで、結構長い時間、トリゴリア内のバールにいて、周囲に色んな選手たちがいて、楽しくていい思いをしました。笑。
ぽ:めちゃめちゃうらやましいです。笑。
以前、番組でも北川さんが、「あんな有名人で気さくな人はいない」と仰っていたので、どんな人なんだろうってずっと思っていました。
沖:あのまんまなんじゃないでしょうかね。
ぽ:普段も公の場もってかんじですかね。
沖:うちがローマに住んでた時はトッティはカサルパロッコに住んでいたんですけど、その後、うちのすぐ近くのトリーノ地区に引っ越してきたんです。
私は日本帰国後も何度かローマを訪ねているんですが、その時、かつての我が家を訪問して、近くの食料品店に挨拶にいったりしたんですね。すると「さっき、トッティが来たよ」とかって言って。そんなかんじで、平気で庶民の間に入って来るというか、そういう人みたいですね。
まあ、自伝にも書いてましたけど、中心街に行くと人が集まって大変な事になるって書いてありましたけど。
後もうひとつは、自伝の中でイラリーが妊娠した時に、妊娠判定キットの話が出てくるじゃないですか?そのキットはどうやらトッティ本人が近所の薬屋さんで買ったらしいんですよね。エウルのヨーロッパ通りにある薬局でトッティが列に並んで、自分の番になったら、「妊娠判定キットください」って言って買ったらしいんですよ。その記事を読んでいたので、そういうの自分で買っちゃうのかって驚きました。笑。それくらい気さくなんでしょうね。
ぽ:本当にローマっ子というか、ローマの街に溶け込んでいる人なんでしょうね。トッティだけじゃなくてデ・ロッシもそんな雰囲気ですけど。ローマの人、ロマーノってそんなかんじなのかなって沖山さんの話を聞いて思いました。
沖:あんまり鼻につくようなかんじじゃなくて、気さくなかんじなんじゃないでしょうかね。お高くとまってるというのとは正反対なタイプなんでしょうね。それがかっこいいっていうイメージなんですけど。
ぽ:本当にかっこいいですね。笑。最高にかっこいいです。
沖:かっこいいですよね。笑。
トッティだけは、これは何としてでも私がやりたい、やらないといけないと思って。笑。
ぽ:今回大好きなトッティの翻訳をされて、一番むずかしかったと思ったのは、どんな事でしょうか?
沖:今まで何冊か翻訳してきた中で、今回が一番むずかしかったですね。
ぽ:今回が一番むずかしかったですか?
沖:イタリア語の文章そのものがむずかしかったです。おそらくトッティの口述を録音したのをライターさんが文章にしていったんじゃないのかと思うんですけど、そのむずかしさっていうのが、トッティの喋り方がむずかしいのか、あるいはライターさんの癖なのかはわからないんですけど、ひとつの文章がものすごい長いんですよ。長文が多くて、一つの文章が五行六行七行に渡ってる事が多くって、それをそのまま日本語にしてしまうと、とてもじゃないけどわかりにくい。
最近の日本人の文章って、短い文章が好まれてるかんじがありますよね?
ぽ:わかりやすさ重視な部分がありますね。
沖:そうですよね。イタリア人はまだ、長くむずかしい文章を書くのが知的だと思っているのじゃないかと。
ですから、まあ、翻訳の鉄則としては、ひとつの文章はひとつのという決まりがあるようなないようなかんじなんですけど。そこは、私はこだわらないようにしました。
日本人が読んでわかりやすい文章にするように、まず内容をよーく読んで、精査して、かみ砕いて、それを日本人がわかりやすいような文章に落とし込んでくっていうような作業を最初から終わりまでやり続けたようなかんじですね。
あと、結構、同じ章の中で、時系列が前後するんですよ。とてもわかりにくい部分があって、多少こちらで整理して書き直したところもありますね。それは言わないほうがいいのかもしれませんが。笑。とにかくわかりやすくなるようにしました。
ぽ:そういうテクニカルな部分でむずかしいところが多かったって事なんですね?
沖:そうですね。
ぽ:最初、この質問をしようと思ったのは、感情的にむずかしいところがあるのかなと思ってたんですけど。
沖:感情的には、特にむずかしい事は...それは、トッティだからって事ですか?
ぽ:はい、そうです。
沖:トッティだからむずかしいということはなかったですね。逆に、トッティだけは、これは何としてでも私がやりたい、やらないといけないと思って。笑。この仕事が来た時に、それはもう、是非やりますっていう。
なので、自分でやりたいっていう気持ちがあったから、そういう意味で、大変さというのはそれほどはないですね。
ぽ:トッティの自伝こそは自分でやりたいっていう部分ですが、今、この自伝って、イタリアで映画化の話がありますよね。日本のロマニスタの中でも、上映されれば、絶対に日本でもやって欲しいと思っているという話が多いですが、皆が心配しているのは、最近のサッカーのドキュメント、たとえば、Amazonプライムのリーズの話や、Netflixのサンダランドの話の字幕の付け方が、サッカーをわかっていない人が付けてるのか不評で、もし日本でやる場合、字幕はどうなるんだろうと思っているのですが、もし、そのようなお話があった場合、絶対に字幕は私がしたいって思いますか?
沖:そうですね。笑。日本でやるとしたら、トッティの映画っていうのは、メジャーではやらないと思うので、やるとしたらあれだと思うんですよね。
ぽ:ヨコハマ・フットボール映画祭?
沖:そうです。うん。
ぽ:ヨコハマ・フットボール映画祭ならやるんじゃないか?やったらDVD化もあるんじゃないかと思ってるんですが。笑。
沖:ヨコハマ・フットボール映画祭なら、主催者の福島さんは友達なので、私がやりたいって言ったらやらせてくれるとは思うんですけど。笑。
ぽ:期待しときます!
今回自伝が日本語訳されて発売されるという事で、トッティが来日するとかっていう話はなかったんでしょうか?まぁ、今はコロナの件があるので、あったとしても中止でしょうけど...
沖:それは、私のところには全然届いてないです。どこかでそういう企画が持ち上がっているかもしれないですけど、具体的には何も聞いてないですね。
まぁ、呼びたいって話は、ちらほら聞いたりしましたけど、それが実現できるかどうかっていうのは、そこはちょっとわからないですね。
ぽ:なるほど...
沖:というか、この本の発売自体が遅くなったので、タイミングがずれたのかなぁ。本当は当初、昨年の9月に出るっていう予定だったんですけど。
ぽ:そうなんですか!?
沖:去年の9月にはもう出来てたんですけど。
ぽ:そんな早く出る予定だったんですか?
沖:はい、9月発売の予定でやってたんですけど、まぁ、一応公になってるのでこれはNGでも何でもないと思うんですけど、出版社が民事再生の申請をだしたんですよ。
その渦中で、だせるかどうかがわからない状況になって、今回出せたのは奇跡というかね。場合によっては、お蔵入りになっちゃう可能性もあったので。
ぽ:いやぁ、本当によかったです。出版されて。
今回の2月から3月に延びたのも、色々なタイミングがあってという...
沖:そうですね。詳細はわからないのだけど、いろいろ事情があったのだと思います。とにかく今日出版されて、店頭に並ぶのを見るまでは安心できませんでした。
ぽ:発売日にインタビュー出来てよかったです。笑。
沖:笑。
ぽ:もし本当にトッティが来るとして出版記念のパーティーがあれば、沖山さんは呼ばれますよね。
沖:出版記念パーティーはないと思いますけどね。笑
ぽ:先ほども触れたサッカーキングさんのハーフタイムという番組で、北川さんが今回の自伝に触れていて、「日本語訳の本が出そうだから、もしかしたら日本に来るかも知れないよ」と言っていて、トッティは、前の親善試合の時も、来日する直前にケガをして、直接イタリアに帰ってしまって、日本と中々縁がないので、来てほしいとロマニスタも熱望しているので、どうなのかなと思いまして。
沖:何かスポンサーの仕事やきっかけがないと無理なんじゃないかと思うんですけど。後、その辺は、私のレベルではわからないですね。笑。
ぽ:いつか来てほしいですね。
沖:本当ですね。何となくトッティと日本ってあんまり相性が良くないようなイメージですね。笑。
ぽ:本人のイメージも、自伝の中にあった仙台のイメージで終わってたら困ってしまうなと。
もっといいイメージを日本にたいして持っていてもらえたら。
沖:そうですね。一度日本に来て楽しい思いをしてもらえたら。笑。
ぽ:そうですね。それこそ大阪に来てもらったら。笑。
沖:たこ焼きでも食べて。笑。
でも、ああいう人ですから、日本に来てもパスタばっかり食べるんじゃないかなって。そういう内弁慶なかんじですよね。アジアを知りたいとかっていうよりも、どこへ行ってもイタリアが、パスタがないと駄目みたいなそういうかんじでしょうかね。
ぽ:それって、トッティ特有というかロマーノ特有なんですか?外にあんまり出たがらないっていうのは。
沖:ロマーノはやっぱりローマのご飯が一番おいしいと思っているんじゃないですかね。だけど、ミラノの人に言わせれば、あんなまずいものはないって言いますしね。笑。
どうなんでしょうね...イタリア人も最近はアジアの物を食べるのがおしゃれなかんじで、お寿司とか食べたりするんでしょうけど。でも、トッティにかんしては、お寿司も食べるけども、やっぱりマンマのパスタが一番と思ってるんじゃないでしょうかね。笑。
ぽ:今回の自伝を読ませていただいて、沖山さんが書かれた他の自伝にしても、他の方が書かれた自伝にしても、今回の自伝ほど試合描写の多い自伝はないと思ったのですが、こんなに一つ一つのプレーについて覚えているもの何でしょうか?
沖:そこは私も思いました。笑。ただ、トッティって結構、自分のビデオを観るのが好きみたいじゃないですか?
ぽ:そうですね、自伝の中でもそんな描写がありますね。
沖:割とこうナルシスト的に、自分がいいプレーをしたものを何回も繰り返し観てるんじゃないでしょうかねっていうのと、後は、ほとんどが、共著者がビデオなりYouTubeを観ながら、描写していったんじゃないかと思いますけどね。
やっぱりこの本を読む人は、ロマニスタが多いですから、試合を観てる人が多いと思うんです。それで、試合描写って、やっぱりその場面を見た時に、たとえば、カフーが上がってパスしたって聞くだけで、「あぁ、あの試合のあの場面」って思い浮かべられる人って多いかなって。
試合描写が、この本の中で、読者の過去を振り返るためのいいエッセンスになるというか、その辺を狙ってるんじゃないかと思ったんです。
ただ私は、長すぎて鬱陶しいなと思ったんですけどね。
ぽ:僕も少し多いかなって思いました。笑。
沖:おそらくね、YouTubeを観ながら、共著者が書いてるんじゃないかと思いますね。
それで、訳す時もYouTubeを観たら、「あぁ、ここ観て書いてるんだな」っていうのがわかります。笑。
ぽ:それじゃ、僕も一回やってみます。笑。
沖:共著者が、スポーツライター、ジャーナリストなんで、特に試合については、おそらくデータがたくさん蓄積されていると思うので、それを書きたかったんじゃないかって思いますけど。
ぽ:もしかしたら、口述で、「あの時のプレーがこうでさぁ」位の内容を、細かく書いてるのかもしれませんね。
沖:うん、そうですね。
後、気がついたのが、トッティにかかわるあらゆる選手の名前が登場しますよね。ちょっと、なんというんでしょうか、リップサービス的に色んな選手を入れないといけないので、そのために試合描写の中で登場されるというか、そういう部分もあったのかなとは思いますね。
ローマ人って自分の土地への愛着が強いじゃないですか?それで、ローマのチームにたいしても、その思いが尋常ではない。
あんまりスパレッティを評価したくなかったんじゃないでしょうかね、そこで。笑。
ぽ:自伝の中で、トッティがローマ人という言葉を使って色々と説明していると思います。それで、イタリア代表の中での話で、「ローマ人に対する本質的な反感とか偏見が感じられた」と書いてありましたが、他の地域からみてローマ人とは特別というか違うんでしょうか?
沖:私はくわしくはわからないですが、ローマ人って自分の土地への愛着が強いじゃないですか?それで、ローマのチームにたいしても、その思いが尋常ではない。一方、ユーべとかは、審判にもちょっと贔屓されたりとか、何かそういう事があるんじゃないかっていう事をローマ人はよく訴えるわけですよ。そういう事もあってかなとは思いますけど。
まぁ、ローマ人はとにかく、自分たちが一番だと思ってますし、プライドもありますから。それでいて北の人たちから見ると、「何だあいつらは、おかしな言葉しゃべって」って言って、馬鹿にするには絶好の対象になる訳ですよね。まぁ、半分はからかいあってる遊びのようなかんじですかね。本気もあるでしょうが。笑。
ぽ:言葉の部分でいうと、たとえば、現地に住むこと、旅行することにあたって、イタリア語をしゃべるよりも、一言でもローマ弁を話すとかの方が親近感わくとかあるんですか?
沖:それは、ローマ弁もしゃべったら、ものすごく仲間に入れてもらえると思いますよね。
ぽ:スペインのバルセロナでも、カタルーニャ語で一言でも返すと、180度態度が変わるという事があるって聞きますが、同じような事があるんですかね?
沖:まず、英語じゃなくてイタリア語をしゃべったという時点で、喜んでもらえますし、そのイタリア語の中でも、ローマ弁をしゃべったら、それは喜ばれるというより、びっくりされるでしょうね。
日本人がローマ弁しゃべったら、「何だこいつは」って言われながら、すごく喜んで仲間に入れてくれるかんじじゃないですかね。
ぽ:イタリア語を勉強しようと今更ながら思って、本とかも買って、少しずつやってるんですけど、何からしていいか全然分からなくて。笑。
沖:むずかしいですよね。でも、好きな新聞記事を読むとか、ローマの事を書いてある記事を読むとかその辺から始めるといいんじゃないでしょうか?笑。
ぽ:パンクしそうですが、頑張ってみます!笑。旅行に行くなら、少しでも覚えたいって思うので。笑。
沖:旅行用語だけでも覚えておくだけでも、違いますよね。挨拶とか。
ぽ:自伝の話に戻って、たとえば、スパレッティの戦術といえば、トッティをトップに置く革新的な戦術がありました。日本では"ゼロトップ"という形容が有名ですが、イタリアでは、何か特別な言い方ってあったんでしょうか?
沖:わからないですね。私もその表現が出てこないところが意外だったんですけども。
ぽ:ワントップって普通に書いてありましたね。
沖:そこはそう訳しましたが、原書では”attaccante centrale”という言葉を使っています。そこ、もう少しこだわって厳密に訳すほうがよかったかもですね。
結局"ゼロトップ"っていうのは偶然生まれた戦術なので、最初トッティをワントップに置きながらも自由に動いて、周囲の選手たちが前の方に上がっていって、トッティがボールをさばきながらゴールするみたいな形を"ゼロトップ"って言ってる訳ですよね。ですから、最初から"ゼロトップ"を狙ってやった訳じゃなくて、結果的にそうなったという訳で、それで、今回の自伝の中のスパレッティの章は、戦術についてよりも、人間関係の事を描きたかったので、おそらく"ゼロトップ"の事を書き始めると、さらに一章必要なので、だからその点についてはあまり触れてなかったのかもしれませんね。
ぽ:本人としては、名前とかではなく、ポジションと役割にしか興味はないといったかんじですかね?
沖:ワントップでいながら、司令塔として、自分はそれほど走る事もなく、ボールを捌いてゴールもするぞ、みたいなかんじは、書かれてますけどね。
ちょっとそこはおそらく、人間性の方を重視して書き込まなかったんじゃないかなと思いますけどね。
後、あんまりスパレッティを評価したくなかったんじゃないでしょうかね、そこで。笑。
何かローマって、これで上手くいくぞっていう時に、コケてしまう癖があるみたいですよね。笑。
ぽ:今回、自伝を書き上げるに当たって、一番印象に残ってるエピソードとか人物の話などありますか?
沖:すごい色んなエピソードがあるので、選ぶのがとても大変なんですけど、一つはカッサーノですね。
それは、人間関係もありますけど、カッサーノの事を自分の“コピー”だとか“クローン”のようだったという表現をしているところです。
本当に観ていて、あの二人どうなっているのっていうくらい息が合っていて、本人同士もやっぱりそういう気持ちだったんだなと言うところが、読んでいてすごい印象的でしたね。
ぽ:日本では、弟分という言い方しかなくて、本人がコピーという位本当に息があってて、観てるこちらもすごく楽しいっていう部分はあったんですけど、あの二人は、気持ちがすべてプレーに出てましたよね。
沖:そうですね。本当に相思相愛の時は素晴らしいプレーで、ちょっと関係が悪くなってきた時には、もうひとつだったなという印象でしたね。
ぽ:ですよね。そういう風な雰囲気がありましたよね。
沖:後、もうひとつプレーの方では、私、アクイラーニが好きだったんですけども。
ぽ:アクイラーニ!
沖:アクイラーニとデ・ロッシとトッティのロマーノ三人がピッチに上がった事があるんですけど、それが本当に観ていてわくわくして、嬉しくて、印象的だった記憶がありますね。それが文章の中にも出てきて、「あーっ、そうだった!」みたいに思って感激しましたけどね。
ぽ:アクイラーニが移籍すると聞いた時は、本当に悲しかったです。
沖:ケガも多かったですよね。何かローマって、これで上手くいくぞっていう時に、コケてしまう癖があるみたいですよね。笑。
ぽ:そうですね!それはあるかもしれないですね。笑。
沖:唯一上手くいったのが、バティストゥータを獲った時のスクデットの時だけで、それ以降は、もうひとつのところで何かコケるんですよね。誰かがケガしたり、トッティのメンタルがちょっと大丈夫なの?みたいになったり、何か上手くいかないですよね。
ぽ:トッティの話と離れちゃうんですけど、アクイラーニがいてくれてたら、デ・ロッシも、もうちょっと楽が出来たといったら語弊があるかもしれないですけど、二人で支えあってゆっくりとフロレンツィへ渡していけたんだろうなと思っちゃいますね。
沖:うん、そうですよね。
街中がほんとに黄色と赤で、もうテーマパークのようにどこを見ても黄色と赤。洗濯物を黄色と赤のTシャツを干してあったりとか。
ぽ:先ほどスクデットの話が出たんですけど、スクデットを獲得した時は、どこで観られてたんですか?
沖:それがね、すごい残念なんですけど、その時は日本にいたんですよ。
ぽ:えっ!残念!!
沖:子供の学校の関係で一時帰国をしなくてはいけなくて、4月の終わりくらいかな、2001年の4月に日本に帰らないといけなくて、主人はその時まだイタリアにいたんですけど。私は、日本に戻ってすぐスカパーの契約をして、とにかくTVを観られる環境を整えました。スクデットを獲った試合は家で観ましたね。
ぽ:ご主人もロマニスタなんですか?
沖:ロマニスタですけど、私ほどは、そんなにはサッカーを観ないですけど。でも、一応は応援してましたから、主人は、イタリアで、ローマの旗を買って、チルコ・マッシモの祝勝会に行ってましたね。
ぽ:うらやましい。笑。
沖:笑。その後、7月に私もローマに戻ったんですけど、そうしたら、ローマの街中がほんとに黄色と赤で、もうテーマパークのようにどこを見ても黄色と赤。
わざわざ洗濯物を黄色と赤のTシャツを干してあったりとか。
ぽ:そこまでですか!でも、自伝にもありましたね。ユベンティーノはたった一日しかパーティーをしない。ロマニスタはひと夏中騒ぎ続けると馬鹿にし合うとありましたね。
沖:ほんとに何か月たっても、昨日スクデット獲ったの?っていう位街中が黄色と赤でしたね。
ぽ:ラツィアーレは住みにくいですね。笑。でも、それ見たら余計現地にいれなかったのが悔しいですね。
沖:あそこまで何か月も大騒ぎして喜んでるから、ユベンティーノとかミラノの人たちに馬鹿にされるんでしょうね。笑。
ぽ:本当にすごい熱量ですよね。
沖:そうですね。うん。
ぽ:ローマに恋をした馴れ初めは先ほどおうかがいしましたけど、トッティに恋をしたのも、プレーを観てとおうかがいしましたけど、やっぱりそれが一番の理由ですか?
沖:ローマを好きになるきっかけは最初は中田ヒデですけども、中田ヒデを観てるうちにトッティを...トッティのプレーって華があるじゃないですか。それで、トッティをずっと観るようになるっていう。きっかけは中田ヒデで、トッティに移っていったっていうかんじでしょうかね。
ぽ:今シーズンもちゃんとローマを追っているかんじですか?
沖:ここ数年はきちんと観られていなくて、DAZNで流してはいるんだけど横目で観たりだとか、あんまり真剣には観てない。笑。選手も知らない選手の方が多いみたいなかんじですね。コラロフってラツィオだった選手が何でいるの?ってかんじです。そういうレベルですね。笑。
だから、勝敗だけ観て、勝った負けたって喜んでいる位かな。何となく今、のめり込めないかんじですね。
ぽ:僕の事で恐縮なんですけど、数年前がそんなかんじでした。
友達とかの影響で、やっぱりプレミアとかを観る方が多くって、時間帯も観やすいですし。笑。僕は、マンチェスターユナイテッドも好きで、でも、トッティが一番憧れの選手っていうのは変わりがなかったんで、トッティが活躍したかどうかのチェックと、試合を観るのはユナイテッドやプレミアの他の試合を観るっていう、プライオリティはプレミアにかたむいていた20代だったんですね。
でも、30半ばに精神的に参ってしまって、会社を退職して、家で療養している内に、もうまったくサッカーに興味がない状況になったんです。ユナイテッド観てても何も楽しくないって思いで。
その時にトッティの引退があったんです。トッティの引退を知って、もう一回観るようになって、引退セレモニーのスピーチを聞いて、号泣してしまって、「やっぱりサッカーがすきだわ」って思わせてくれたという事で、僕の中で何か海外サッカーを好きになったり、気持ちが離れた時とか、僕の勝手な思い込みですけど、全てトッティがサッカーに繋ぎとめてくれてる気がして。だから本当に思い入れが強くて...
なので、今のロマニスタの人たちと話していても、中々ついていけないですけど。笑。
沖:そうですね。ほんとにちょっと、勝敗を見たりとか、今日はトッティが出てるというときに、トッティが出てるところだけ観たりとかというかんじだから、試合全体を真剣に観てるというかんじでは全然ないので、ここ5、6年...もうちょっとかな、最近のローマにあまり詳しくなくて、恐縮です。
ぽ:やっぱりローマを応援してきて一番印象に残っているのは、スクデットですか?
沖:そうですね。やっぱりその頃と後は、ゼロトップの頃まででしょうかね。特にあの頃まではのめり込んで観てましたね。
ぽ:あの頃は、他のファンにも自慢できるくらいの魅力的なプレーをするチームでしたもんね。笑。
沖:そうですよね。笑。
今回はここまで!ありがとうございます。
どんどん盛り上がってきて、もうクライマックスです!
全て同時公開してますので、その勢いのまま是非!!
では、また。