─ノクターンキャッスル内、あれから少し経って─
七つ星団の幹部の間では、盛大なパーティーを開いているところだった。
ヴェーラ「かんぱァ~いッ!」
オルテガ「乾杯ッ」
レイ「フフフ・・・乾杯。」
3人がそれぞれ楽しそうに杯を上げているなか、ひとりだけ部屋の隅っこにいる幹部がいた。文字通り、部屋の隅っこにいて、かなり暗い雰囲気を放っている。しかも体育座りだから余計だ。
キャスバルだった・・・。
オルテガは、彼の暗い存在に気づくとキャスバルに近づき、
オルテガ「元気がないな、どうしたんだ?・・・あのしつこいやつらは、もう片付けたんだ。おまえも乾杯しに来い。」
数秒経つと彼は答えた。
キャスバル「『もう片付けた』??・・・まだじゃないか!早く始末してよ、僕は早く自分の存在を認めたいんだ。それまで・・・パーティーには参加したくないよ。」
と言い、深い溜息をついた。
オルテガ「馬鹿言うんじゃない。ヴェーラとレイがあんなにやったのに、逃げるわけ・・・」
キャスバル「100%じゃないだろ!」
オルテガ「・・・うう・・・」
オルテガは、何も言葉が出なかった。キャスバルは立ち上がると部屋の外へ出ていってしまった。
すると、オルテガ達がいる部屋にあったモニターが急に電源が付いた。
そのモニターに映っているのは七つ星団のボスだった。
3人は杯を急いでテーブルの上に置き、ボスに対して平伏した。
ボス「オルテガ、ヴェーラ、レイ、よくやった。これで邪魔者は無くなったようだが・・・。」
ヴェーラ「どうかなさいましたでしょうか?」
ボス「・・・クロス・コーポレーションのことだ。」
レイは、牙を剥くように尖った歯を出し、低く唸った。
ボス「つい最近になってから、行動の範囲を広めて活発に活動している。我々七つ星団の目的を妨げる、最大の邪魔者でもある。やつらを片付けて欲しいのだ!」
?「ソレナラ、コイツラデハナクテ、コノワタシ二オマカセクダサイ。」
何もない天井から声がした。3人の幹部は上を見上げた。天井に異次元ホールができると、もうひとりの幹部が現れた。
3人『ディメンティオ!』
ボス「良いだろう、行ってこい、ディメンティオ。おまえなら失敗することないだろう。」
そしてモニターの電源は消えた。
レイ「・・・・・・タイミング良く現れやがって、生意気な。」
とディメンティオに向かって暴言を吐いたが、相手は何も気にせず、
ディメンティオ「ダマッテクダサイ、ワタシノホウガアナタヨリヨクデキルノデスカラ。」
レイ「・・・・何だとッ!」
レイは今にもディメンティオに襲い掛かりそうだった、が、ヴェーラが止めた。
ヴェーラ「いいじゃない、やらしときなさい。放っておきなさい。・・・・熱くならないで。」
レイはヴェーラを振り解くと、自分の部屋に向かった。
レイ「いいわ・・・・・・、私にはPrize(プライズ)がある。」
その氷柱だらけの凍えそうな部屋の壁の上に飾られているもの・・・・、それは見事にコオリヅケにされたラスとジェイドの大きな氷の塊だった。しかも、そのレイのプライドや誇りが現れているように、氷はキラキラと不気味な輝きを放っていた。
~第85試合へ続く~ To Be Continued