Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre-ビート・北野武展- | 日々のカンゲ記 ふろむパリ→トーキョー

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カルティエ現代美術財団で開催されている”Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre”
(訳すと、「ビート武・北野 ペンキ屋のせがれ展」とでも言うといいかな)に少し前に行ってきました。

一般的なフランス人と話すと、知っている日本人としてまず誰もが挙げるのは、
「KITANO」と「HARUKI MURAKAMI」です。

とはいえ北野武は、フランスでは先日芸術文化勲章を受賞したりと、
「映画監督」としての評価が日本以上に高いです。
彼がもともとコメディアンであることを知らないフランス人も多いので、その点において今回の展覧会は、映画監督ではない本来の彼を知ることができるいい機会だったのではないでしょうか。


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内容はというと、別に彼は絵描きという訳ではないので上手なわけではないですが、「アート」という堅苦しいものから出て、自由に楽しく表現する、という彼のコンセプトが伝わってきました。
彼本人もコンセプトとして
「私はこの展覧会で『芸術』という言葉の新しい定義を見せたかった。堅苦しくなくて、自由で、スノッブじゃなくて、もっと平凡な・・・」
と挙げていました。
色々なアトラクション的なものが多く、子供連れで行くと楽しい展覧会なのではないでしょうか。
実際たくさんの子供達が遊んでいました。
今回撮影禁止だったので、外観の写真だけです。

会場では、ビート武が出演している数々のお笑い番組が流れていて、私はひさびさに観る日本のお笑い番組に興奮しました。
たけしの「お笑い」は、とてもわかりやすくて、言葉の通じない外国人にも大ウケで、
改めて彼のワールド・ワイドな感性に気づくことができました。
(ちなみに会場で流れていたのは「お笑いウルトラクイズ」の体をはって無茶やってるシーンとか「世界まるみえ」のコスチュームを着たたけしが暴れている所とか。)

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カルティエ現代美術財団は、建築家ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)によるもので、パリには他にはケ・ブランリ美術館、アラブ世界研究所があるのですが、ガラス張りの近代的な建物と植物による自然なフォルムとの融合がとてもおもしろいです。

私の大好きな金沢21世紀美術館と入り口の感じが似ています。
(マルビはSANAAという日本人建築家の方。こちらも私の好きな建築物をたくさん作っていらっしゃる方です。)

パリで、日本人の作品を観るというのもなかなか逆輸入的な感じでおもしろかったし、
なによりも、この美術展も観るために沢山のフランス人が並んでまで入って(実際30分以上並びました)楽しそうにしているのをみると、なんだか誇らしく、嬉しい気持ちになりました。