鏑 邦男 『ほつまつたゑ』による日本古代史

 今月は36Pから。


そこには丁度

「桃の節句の起源」

という項目がありました。

 
桃の節句は女の子の健康を祝うものではありません。

『ほつまつたゑ』の古代史において桃の節句とは「嫁ぎの儀式」なのです。

今でいえば「結婚式」


古代において、三月三日のお祭りは女の子のための節供ではありません。

男女間の節目の寿ぎの儀式なのです。

 
いつも問題になるのは、男雛(おびな)と女雛(めびな)の位置です。

関東と関西では、その位置が真逆なのだそうです。

 
『ほつまつたゑ』によれば、左は男性性、右は女性性を表します。

しかしこの右と左は、「どこから見て」なのか、そのスタートの点が違えば左右が逆になってしまいます。

 
『ほつまつたゑ』の中から男性と女性の役割を探れば、雛段の座る位置を知ることができます。

『ほつまつたゑ』では、男雛は君主(天皇)です。女雛は皇后さまです。

そしてこのお二人合わせて「キミ」といいます。

 
君主とは、外には男性、内には女性がその役割を果たして初めて「キミ」になり、天皇は君主の坐に座ることができるということです。

内助の功が無ければ良い君主にはなれないというのです。

「嫁ぎ」という重要な意味を最も大切にしていた時代だからこそ、男女の力が必要だったのです。

 
「嫁ぐ」とは「ト」を「継ぐ」という意味で、「ト」とは初代天皇の「国常立尊(クニトコタチのミコト)」の九人のお子様の内、八人の中の「トのクニサツチ」
日本に降りて二代目天皇となります。

この「トのクニサツチ」が「ト」という教えを日本から始めたのです。


「ト」の教えとは、代々受け継ぐ「世継ぎ」でした。


こうして日本は「家」を夫婦の二柱が守りながら男の子に後を継がせる制度が始まりました。

そしてその単位の中心は天皇家でした。
まずは天皇さまは自ら民衆たちを我が子とし、慈しみ守るために豊かな国、平和な国、明るい国にしようと、大臣を置いて、三権分立という役目を決めました。(これが三種の神器のはじまりです)

 
皇后さまには、御召し物を織る機織りの仕事をしました。
機織りには「男女和合」という意味があります。

「縦」と「横」の糸が交差して立派な布地になります。
その布にはその織った女性の心が映し出されます。
それが布に出来る模様になって行くのです。

その布は愛する男性へと送られ、それをお召しになられる殿方たちは、どんなに心強かったことでしょう。

こうして男女の絆が深まったのです。

 
つまり女性が男性の弱気な心を織り物で勇気づける。
それは「縦」と「横」が交わり出来るものとしての認識、悟りがあればこそ、きれいな模様が織れるのです。
その模様によってどこの家柄なのかがわかるようになっていました。

そうですね、家紋のようなものでしょうか・・・
その家柄を示す模様を見れば、屋号と同じでどこどこのだれかさんだと分かるのです。

 
また結婚して妻は男性の家柄の模様を織るので、その出来た織物を見れば
「あの方の妻なのか、」
「ああ、この方は既に結婚なさっているのだな」とか、
「まだ独身なんだな」と模様から分かったのです。

こういうところからも、その模様は平安時代まで受け継がれていたのですね。

 
ですから当時の女性は、
「縦」と「横」の役割を良く知ってい無ければなりませんでした。

「縦糸」は真っ直ぐに意志を貫く男性を表し、
「横糸」はその縦糸にぴったりと寄り添い、
隙間なく「操を立てる」淑女を表します。
これがあめなるみちという姿です。

女性は知識だけではなく、織る度にその心は一人の男性に寄り添う心を強めて行きました。


その糸には「麻」や「木綿」や「絹」などが使われていたようです。
思う男性の使う用途に応じて、糸もその配合割合もあったでしょう。

魔を避ける糸には特に「麻」が使われていたようです。
その麻には木の皮を練りこませてより強い縦糸にしたと平安時代の書物に書かれていました。

 

「うれしいひなまつり」という歌(サトウハチロー作)にもあるように、

右大臣の歌詞には

「少しお酒を召されたか、赤いお顔の右大臣」

とありますが、まさにお酒を飲み過ぎて赤いお顔になった有頂天になった右大臣の様子を歌い上げていますね。

 
サトウハチローは『ほつまつたゑ』をご存じだったのでしょうか。
明治にはまだ世に出ていない『ほつまつたゑ』を、彼の中にある日本人の遺伝子が書かせたのでしょうか。
面白いですね。

「うれしいひなまつり」の歌には間違いも指摘されているようですが、そんな細かいことよりも、男性が左、右大臣が右ということの意味の方が面白いです。



『ほつまつたゑ』から探る「婚姻」とは・・・ひな祭りは嫁ぎの寿ぎ! |ひなさんのブログ
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∞◇†相模の獅子神†◆∞ |KO KO RO
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