【1月23日 AFP】絶滅の恐れがあるサル「Miller's Grizzled Langur」が、東南アジアのカリマンタン(ボルネオ、Borneo)島のこれまで知られていた生息地以外で確認された。国際調査団が20日、述べた。

 学名を「Presbytis hosei canicrus」というこのサルについて、詳しいことはあまり分かっていない。山火事や猟、農耕、鉱物採掘などの影響により生息地が大幅に失われたことから、国際自然保護連合(International Union for the Conservation of Nature、IUCN)の絶滅危惧種IB類(EN)に指定されている。

 このサルは、これまでカリマンタン島北東部のジャングルにしか生息していないと考えられていた。だが、最新の調査で、カリマンタン島西部、インドネシアの東カリマンタン(East Kalimantan)州にある原生雨林、ウェヘア保護林(Wehea Forest)に生息している姿がカメラにとらえられた。

「P.h canicrusの発見は驚きだった。ウェヘア保護林はこのサルの生息範囲の外にあったからね」と、カナダのサイモンフレーザー大学(Simon Fraser University)の研究者、ブレント・ローケン(Brent Loken)氏は語った。

「この種がすでに絶滅しているのではないか、との懸念が最初に持ち上がったのは2004年。2008年に行われた調査結果でも、状況は切迫しているとの考えが強まっていた」

 調査団は今後、広さ3万8000ヘクタールの森林にこのサルが何頭生息しているかを調査したい考え。「われわれの調査でこのサルが東カリマンタン州に現在も生息していることは確認されたが、それでもなお、このサルが世界で最も絶滅の危機にひんしている霊長類の1つであることは変わらない」と、ローケン氏は語った。(c)AFP