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ちょっと久しぶりに、BBCシェイクスピア・ドラマを観ました。

シェイクスピア初期の悲劇 タイタス・アンドロニカス。


シェイクスピア定番の、愚かな父親。


タイタス・アンドロニカスはトレヴァー・ピーコックが、

タモーラはアイリーン・アトキンス、

ラヴィニアハアンナ・カルダー=マーシャル、

アーロンはヒュー・クァーシー。

そして演出はジェーン・ハウエルです。



長さは2時間48分と短め。



登場人物のほとんど、10人以上が死ぬという復讐物語で

文字通り血で血を洗う悲劇。

「残酷なだけ。そこしか見どころがない。」だなんておっしゃる方もいるのですが、

ちゃんと、観てる?読んでる???と言いたい。


確かに残酷なことこの上ない。

実際に批評家には叩かれていたりもする。


だけれど、その血みどろの残酷さの中に、人間の美しさも秘められています。


残虐なのに、これほどまでに美しい作品を書くことが出来る人。

今の世の中に一体、いえ、ここ数世紀の中に何人いるのでしょうか?



多くの人々の死の後でも生き残る、とある台詞のない重要人物。

反転させています→(つまり、アーロンとタモーラの子。)


アーロンが殺されそうになる際に、

もっと罪を犯せばよかった、ということを言います。


悪事を散々犯して、後悔しないのか?と尋ねられ、

もっとやればよかったと後悔している、と述べるわけです。


若い娘を犯す。

無罪の男を告訴する。

そんなことは序の口で、

墓から死人を掘り起こして、悲しみがすこし癒えてきた遺族の入り口の前に死体を立てかけておく・・・などなど、そんなことを散々やってきた悪人中の悪人 アーロン。



ここの台詞が、本当に本心なのかどうか分からないような演出になっているのが今回印象的でした。



ただ、そもそものこの悪の元凶というのは、タイタス。彼の判断ミスです。

まるでリア王のように。



オウィディウス『変身物語』、セネカ『テュエステス』などが種本となっています。

オウィディウスは既読・・・で、最近岩波のを買ったのですけれど、

セネカは実はまだ読んだことなくて。いい加減読みたいと思います。

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ジュリー・テイモアの『タイタス 』。


最近何本か『タイタス・アンドロニカス』の論文をたまたま読んだのですが、

BBCよりも↑のほうによく言及されています。


監督がイマイチ、と書いたのだけれど

レイプされた後のラヴィニアの姿。あの演出の仕方は確かに、文句なしに素晴らしかった。

誇張なく、今でも1日たりと頭から離れません。



もっと有名なタイタスの舞台は、

今から60年ほど前の、ピーター・ブルック演出 ローレンス・オリヴィエがタイタスで、ヴィヴィアン・リーがラヴィニアを演じたもの。


もちろんDVDなんてありませんが、観てみたかったなぁ。

写真は観たことがあります。


ヴィヴィアン・リー演じるラヴィニアの凌辱後の姿は、あまりにも美しかった、そうです。




余談ですが、PCからアメブロじゃないブロガーさんのブログを見ることってできなくなったのでしょうか?

スマホからは見ることができるのですけれど、スマホからコメントってしたくないんですよね(´・ω・`)

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