- 執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人のイメージ/新井 潤美
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結構最近出た新刊です。
新井潤美氏、人気ありますよね。私も著書はだいたい読んでいる気がします♪
家事使用人に興味があるので、読んでみました。著者はこういうのを書くのがお得意。
- 不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書)/新井 潤美
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いちばんのお勧めはこれ。非常に面白い。
イギリス、階級、使用人、文学、映画に興味があって未読とか、だいぶ損してますよ。
私もそろそろ再読しようか。
使用人関連書は興味があるのでそれなりに読んできています。
今回の『執事とメイドの裏表』も、もちろん他書と被る点はあります。
やっぱり、ビートン夫人の『ビートン夫人の家政書』とか、スウィフトの『奴婢訓』 や『パミラ』は必ず出てくる。
比較的新しめな本だと、カズオ・イシグロの『日の名残り』もまず出てくる。
ほかと違うのは、ちょっとマイナーな作品も取り上げていることかな。
それが知らなかった!!ということにつながりやすくて、とても面白い♪
ビートン夫人こと、イザべラ・ビートン。
それはもう、使用人系の本を読むと出てこないことはない人物なんですが・・・・・
私、「主婦としての年季を積んだ、経験豊富な、恰幅の良い中年女性を思い浮かべる人が多い」という中に入ってしまいました。
だってだって、肖像画見たことないし、家政書なんて書くひとだったら↑こんなイメージ持つよねぇ。
しかし、実際は25歳で書いたのだそう。
しかも、その4年後、子供を産んだ1週間後に病死しているのだとか。
・・・・中年まで生きられなかったのね(´・ω・`)
ビートン夫人ネタ、もひとつ。
家政書なんて書いてるくせに、特に料理が苦手で、これに収録されているレシピの多くは一般の読者から募集したものらしいのです。(!)
一応は、それらを自分で作って試したらしいけど・・・・
カズオ・イシグロ。未来のノーベル文学賞受賞者。(彼が受賞しなければ、一体だれが受賞するというの。)
「信頼のおけない語り手」という手法をよく用いている作家です。
ある程度の読書力がないと気付けない手法な気がするから、ちょっと難しめだけれど。
この言葉は、イギリスの評論家ウェイン・ブースが1961年に出版された『フィクションの修辞学』で使ったものだとか。
一躍世に出るきっかけとなったのは、なんと、デイヴィッド・ロッジの『小説の技巧』で使われてから・・・・ということに衝撃。
- 小説の技巧/デイヴィッド ロッジ
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非常に有名な名著です。西洋文学やった人ならだれでも読んでるんじゃないかな。
まだ読んでいなくて、いい加減読もうかと思っているのがこれ。
- レベッカ〈上〉 (新潮文庫)/ダフネ・デュ・モーリア
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『レベッカ』。
なーーんとなく、映画も原作もまだなんですよね。
邪悪なハウスキーパーで有名らしく。そこが気になっています。
『レベッカ』語り手の階級については、著者はすでに↑の『不機嫌なメアリー・ポピンズ』で記しているんだとか。
お、覚えてない。やはり再読したいところです。
- 人と超人;ピグマリオン (ベスト・オブ・ショー)/G.バーナード ショー
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一方、バーナード・ショーの『ピグマリオン』。
『マイ・フェア・レディ』の原作です。ミュージカル化されていることを知ったらショーはさぞかし怒るだろう、という著者の予測には同感。原作の意図することと正反対になっていますもんね。
これは既読ですが、ピアス夫人の存在を覚えていません。
映画には、登場していたかな??
イライザのその後、すなわち発音だけがアッパー・クラスになってしまったらどのようになるか・・・・・・
ということをちゃんと考えていたのは、ピアス夫人だけだったと。
比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)/P.G. ウッドハウス
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これは未読。
料理人が暇をとるのを恐れるあまり、料理人と結婚するアッパー・クラスの男性まで登場するのだとか。
その引用がまた笑える。
- 召使 [DVD]/ダーク・ボガード,ジェームズ・フォックス,サラ・マイルズ
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驚いたのが、こちら。
ロビン・モームの『召使』の映画化です。
サマセット・モームの甥ですって!!!!!!!!
彼も同性愛者だったそうで、内容もそういう感じらしいです。
原作の翻訳はないみたい。しかし、映画の脚本はなんと、ハロルド・ビンター!
良い本の基準はいろいろあると思いますが、新たなことを教えてくれて、
新たな本や映画の存在を教えてくれる本ってとても好き!(*^-゚)v