- 縛られたプロメーテウス (岩波文庫 赤104-3)/アイスキュロス
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単に興味があるから、というのもあるのだけれど
西洋文学を研究するなら最低限読んでおくべきだろう、ギリシャの古典。
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ホメロスとか、アイスキュロスは読んどかなきゃね・・・・
ホメロスは読みましたが、アイスキュロスはこれが初めてです。
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岩波の古い訳は大変読みにくいのですが (もちろん岩波に限らず、古いと読みにくいのは当たり前。でも、特に岩波ってそんな気がする~~)
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初版1974年ですが、結構読みやすかったです。
118ページのうち、開設と注釈を除くと80ページ程度なので、すぐに読み終わります。
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アイスキュロスは、紀元前525?524?~456年の人。
古代アテナイの三大悲劇詩人のひとり。残り二人はソポクレス、エウリピデス。この3人の代表作くらいは読んでおきたいところ。)
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そして、プロメテウスとは・・・・
ギリシャ神話に登場する神です。
彼にまつわるエピソードを勝手に有名かなと思われる順で書いてみると
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・ 火を盗み出して、人間に与えた
・ 山に張り付けられ、肝臓を鷹に啄ばまれる
・ 牛の食べられる部分(肉)を皮に入れ、食べられない部分(骨)を脂身で覆い隠し、ゼウスを騙す
・ 人間を作った
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ってところでしょうか。
「人間を作った」という説は、私自身最近知ったんだけど、この説どうなんでしょーね。マイナーな説なのかな。
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読んでみてすごく気になったのが、
プロメテウスが罰せられたのは何のためなのか、ということ。
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火を人間に与えたからだ、と考える人もいる一方で
肉と骨の一件で、ゼウスを騙したから・・・・というのが直接的な原因だと見なす人もいる。
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実際どうなのかな、どっちの説もあるのでしょうか。
それとも、両方で、ついにゼウス、爆発しちゃいました!
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という感じなのでしょうか。
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その「縛られたプロメーテウス」が出会うのは、イーオー。イオです。
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あの、ゼウスに愛されて、ヘラに見つかりそうになって
ゼウスは奥さんに見つからないようにとイオを白い雌牛に変えたんだけど、
ヘラは一枚上手で 「その牛、私にちょうだい」 と言われ、ゼウス断れず。
可哀想なイオは、エジプトまで逃げたとさ!の、イオです。
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・・・・・で、そのイオがなんでここに登場?
プロメテウスと接点あったっけ?
そんな話読んだことないんだけど・・・・あれ?
と思っていましたら、解説曰く、このあたりはアイスキュロスの創作だそうです。
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山場となっているのは、プロメテウスの予言。
予言を聞く相手が、このイオとなっているのです。
その予言というのはギリシャ神話に親しんでいる人ならすでに知ってることなんですが
一応伏せておきます。
そもそも「プロメテウス」という名は pro(先に、前に)+metheus(考える者)で、「先見の明を持つ者」「熟慮する者」という意味です。
だから、「予言」。
ちなみに、弟(だったはず)のエピメテウスもいます。 こちらは epi(後に) +metheus(考える者)。
プロローグとか、エピローグとかいいますよね~~。
蛇足ですが、この弟の方がパンドラ連れてこられちゃいます。後に考える者、ですもんね。お兄さんならこんなことにならなかったはず。
ギリシャ神話ってよくできてる~~!
- プロメテウスの火って、今だと原発のことを指すみたいですね・・・・・。
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プロメテウス関係だと、気になるのはやっぱりパーシー・シェリーのこれ。
『フランケンシュタイン』のメアリー・シェリーの夫です。
『フランケンシュタイン』の副題って、現代のプロメテウスでしたよね?
・・・・・・夫婦でプロメテウス・・・・・・・・・・!??
でも、ぱらっと読んだ限りでは面白くなさそうな感じでした・・・・・。
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ちくま文庫で、三大詩人のものがシリーズとして出ているので
これは読んでおこうかなー?