「断頭台に消えた女王」なんてたくさんいるけれど・・・・メアリ・スチュアート、どうして彼女にここまで惹きつけられるのでしょうか。
きっかけは、何度も書いていますがフランスの文豪 アレクサンドル・デュマの『メアリ-・スチュアート』 を読んだこと。何故だかずっと訳されておらず、初めて訳されたそうです。これを読んだときはちょうど入院中で、貪るように読みました・・・。
彼女は不吉なまでに美しかった。
「美しさが招いた悲劇」だとも言われるほど、(それは流石に大げさな気が)とにかく美女であったとされるメアリ・スチュアート。
美しいだけでなく、才女でもありイタリア語、スペイン語は言うに及ばず、ラテン語ギリシャ語にも秀れている。
身のこなしも優雅で気品があり、リュートを奏でさせても、歌っても、踊っても天下一品。
エリザベス1世の永遠のライバル。
生後6日でスコットランド女王となり、6歳でフランス王太子と婚約、16歳でフランス王妃となる・・・・
と、輝かしいばかり。
彼女は生まれたときからフランス王妃となるように教育されてきたのだとか。
容姿端麗で、特に背の高さが印象的だったメアリ。
当時長身は美徳だったらしいです。16歳で5フィート11インチ(約180センチ)
エリザベス1世がメアリについて色々尋ねた際に(どちらが美しいの?どちらが素敵に踊れるの?)
「それではあまりに高すぎるわ」と答えたという有名な逸話が残ってい・・・ますが、これ本当なのかな。
それにしても、確かに女性で180センチは大きいですよね。
どーしてシェイクスピアはメアリを元に戯曲書かなかったのかな~・・・読んでみたかった。
いや、「書けなかった」んだろうなとか、勝手に想像しています。
波乱万丈な人生です。
頭脳明晰なはずなんだけれど、ここまで素直じゃなかったら生き長らえることが出来たのかもしれません。
この現在になってこういった本を読むと、どーして分からないかな~・・・ちょっと考えたら分かるだろうに、とか思ってしまいますが、実際相当難しいんでしょうね。
イギリス史ご専門の先生とも少し話しましたが、デュマの『メアリ・スチュアート』はデュマがフランス人であり、元フランス王妃のメアリのことを悪くは書けなかったんだろうと仰っていました。確かに。
シェイクスピアだって、悪人リチャード3世をつくりあげちゃったものね。
歴史書、関連書を読んでいても、気になるのが真実はどうだったのか。
今から新事実発見だなんてそうないでしょうし、探しても探しても、結果どうなのかが分からないのがもどかしい・・・・。
桐生操の本って、書いてあることの根拠はどこに??
と言いたくなることが多々あったり、同じことばかり書いてあったり、実際は作り話(伝説)とされていることも多いんだろうなぁ・・・・とか思ってしまう部分があったのですが、この本はちゃんと曖昧さも残されてて好感が持てます。
文学やってると、あまりに断定された書き方ってダメになるみたいです・・・・。
デュマの著書では、ダーンリは単に城ごと吹き飛ばされて暗殺されたことになっていたけれど、やっぱりこれ、どうなんでしょうね。メアリが関わったのか否か。
そして、何よりエリザベス1世をどちらかというと悪人として描いていたため、躊躇いなく死刑宣告書にサインしたかのように書かれていました。
が、どうやらこれは完全なる間違いのようで、かなり長い期間サインするのを迷ったようです。
仮にも一国の長、スコットランド女王であったメアリを処刑してよいのか。それは自分の首をも絞めることになるのではないのか。
各国の反応は。
エリザベス1世の異母姉妹に当たる前イングランド女王 メアリ1世(母 キャサリン・オブ・アラゴン)はブラッディー・メアリーと呼ばれるほど多くの人を断頭台へ送り込んだけれど、
エリザベスは幼くして母アン・ブーリンを父のヘンリー8世に処刑されていますからね、やはり処刑は出来る限りしたくなかったのではないかと思います。普通に考えて、複雑だろうなぁ・・・。
メアリがもうちょっと人を疑うということを知っていて、もうちょっと男性の見る目があって、性急さがなかったらきっと歴史は変わっていたんでしょうけれど。
手紙の信憑性も疑われ、結局分からないことだらけで気持ち悪い
また関連書読んでみようと思います。
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