めざせ!ジャンク王  ・・・ってか

Microsoft IntelliMouse Optical。CD-ROM、取説付きでオクにて80円(送料手数料込み実質320円)。
機能に問題があり、ボタンの反応が著しく悪いという品。
見た目も悪く、全体が黄ばんでいて、サイドボタンには塗装ハゲが。
ハハ、こりゃまさしくジャンク。普通なら即ゴミ箱行きですあせる


実際テストしてみると、まず、ボタンについては左が全然ダメ。一応クリック感はあるものの2回に1回は反応しません。うまく反応してくれた場合でもダブルクリックになってしまうことがしばしば。


このダブルクリックになってしまうというのはチャタリングという現象ですね。スイッチの接触不良が原因です。つまり、しっかりスイッチを押していても接触不良のために通電したりしなかったりといったことがスイッチ内で細かく起こっていて、これがダブルクリックと誤認識されるということのようです。


もうひとつの不具合は、左ボタンをクリックしているのに右ボタンのプルダウンメニューがたまに出るというヘンな現象。
何が原因だろうはてなマークこれはよくわかりません。


とりあえずメンテナンスが必要のようですから、早速分解。


この機種の分解は、底面の2箇所のゴム(?)を剥がすとネジが見えてきますから、これを外すだけです。


めざせ!ジャンク王  ・・・ってか




で、中の様子はこちら。

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わわわ、中はホコリまみれ。汚いなぁむっ


一応内部をキレイに清掃し、チャタリングはコンタクトスプレーで直るかなと思って試行するもダメ。仕方がないから先日タダで頂いた古いボール式マウスから部品取りし、左ボタンのマイクロスイッチを交換しました。


(マイクロスイッチの交換手順はこちらの記事 を参照)



交換後の動作はいい感じにひひ 見事復活ですクラッカー
クリックにしっかり反応するし、ダブルクリックもないし、ついでに右ボタンのプルダウンメニューが出るというヘンな現象も何故か一緒に解決してしまいました合格


プルダウンメニューの件は、詳しい原因は不明なんですけど、ボタンが悪いというよりはおそらく中に詰まったゴミがショートしていたせいではないかと想像しています。


というわけで、これにてめでたくマウスは復活と相成ったわけですが、でも、こいつのみすぼらしい外観は困ったなむっ 今後継続使用していくにはちょっとツラいものがあります。


いかに直ったとは言っても、このボロ外装じゃしょうがないし。何とかならないかなぁ。


で、いろいろ考えて、そうだ、いっそ自分で塗装してしまおうビックリマークと思い立ちました。


ただし、タミヤカラーでプシューは禁じ手です。それでは簡単すぎ、芸がなさすぎでちっとも面白くありません。赤目としてはもう一声欲しいところ。


そこで思いついたひらめき電球のが、漆塗り。

漆といえば文句なく最高級。塗料の王様です。

よし、この80円のボロマウスを漆塗りの超高級マウスに変身させちゃおう!!と決意。


うっふふふ、完成した姿を想像しただけで思わずうっとりしてしましました。
脳内麻薬が出たのか何とも言い知れぬ幸福感と恍惚感とに包まれ、頭の中がお花畑状態に・・ラブラブ!ポワーン


ですが、夢から醒めて現実へ引き戻されてみれば、漆の塗装技術は難易度が非常に高く、ムロもないので素人の私にはとても無理ダウン



めざせ!ジャンク王  ・・・ってか

そこで登場。カシューです。
カシューはカシュー樹脂から精製した天然塗料で本漆とは別モノですが、代用漆と呼ばれるほど仕上がりは本漆と遜色ありません。
実際、とあるお店で硯箱を指して「これは漆ですか」と聞いたら「カシューです」って答えてましたもん。仏壇でも食器でも特に明記されていなければだいたいはカシューなんじゃないかなぁ、多分。

またカシューは漆より施工が格段に楽だとはいっても、それでも塗料の中では難しい部類に入ります。まぁ見てみてくださいニコニコ






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まずはマウスを各パーツに分解します。で、素地固め代わりの1回目の下塗り。色は漆塗りらしく朱赤をチョイス。
道具は刷毛ではなく使い古しのお勝手用のスポンジを使用しています。スポンジは気泡が残りやすい欠点はありますが、刷毛跡がつきにくく、使い捨てで洗う手間が省けますのでオススメです。


カシューは原液で塗ると粘度が強すぎて大変ですから普通は薄め液で希釈して塗ります。資料によると希釈の度合いは20%とありますが、私はまともに守ったことはないですね。その度合いはいつも手に伝わる感覚で推し量るだけですあせる 塗りの際、ねばりを感じるなら濃すぎ。ツツーと流れてヨシとします。多分、2倍程度には薄まっていると思いますので当然下地が見えてしまっていますが、そこは重ね塗りでカバーします。






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約12時間の乾燥後(通常は24時間ですが夏の薄塗りなので12時間でOK)、2回目の塗り。
気泡や塗料のタレが出たら、その都度400番のサンドペーパーで削りながらできるだけ塗装面が平滑になるように心がけつつ、作業を繰り返します。

その後、Microsoftのロゴが見えなくなるまで塗りを繰り返します。





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下塗りが終わったら、次に黒の中塗りに入ります。
作業内容は基本的に上と同じように4~5回程度重ね塗りをしていきます。

この辺りから塗装面の平滑さに一層気を使うようになります。ペーパーをかけると塗装面が艶消しのようになりますが、光沢が残った箇所があるとすればそこは凹んでいる場所です。全部とは言いませんが、その光沢部分を極力減らすよう入念に研磨と塗りを繰り返します。ただし、削りすぎて朱が出すぎないように注意。






めざせ!ジャンク王  ・・・ってか

いい感じになってきたら、黒を上塗りし、今度は400番と800番で研磨。
写真はまだ研磨途中の状態ですが、磨き残しの光沢はここで全部ツブします。そして全体のバランスを見ながら朱が部分的に見えるようにペーパーで研ぎ出しをします。
この技法を「逆根来塗り」といいます。ちなみに、普通の根来塗りは下塗りが黒で上塗りが朱です。



で、最後の仕上げに粗目のコンパウンドでペーパーのキズを取り、中細、極細と進んで完全な鏡面仕上げ(呂色仕上げ)にします(ここの製作過程は写真撮り忘れました。スミマセン汗)。





で、完成合格

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さあ、いかがですか。カシュー初挑戦にしては上出来かなニコニコ 朱の不規則な紋様が非常に美しいですキラキラ


呂色仕上げにしたので光の反射で白みがかって写っていますが、実物はもう少し漆風のシックな味わいに落ち着いています。
一応仕上げ塗り用にクリヤー色のカシューも買ってあったんですけど、これで満足してしまったのでそっちはつい省略してしまいましたあせる


柄は好みが分かれるところだと思いますが、根来塗りは2色を重ね塗りし、研ぎ出しもあるのでなかなかの手間でしたね。
ちょっと塗って、乾燥したら研いでまた塗ってなんてことを毎週末繰り返していたので、これを製作するのにかれこれ1ヶ月以上もかかってしまいましたあせる
それだけに、完成した喜びはひとしおですニコニコ


また塗装の機会があれば、今度は違った塗りの技法にも挑戦してみたいですにひひ




※今回投資額:2664円(本体320円、塗料代2344円)
※難易度レベル:中

2010.10.16追記


めざせ!ジャンク王  ・・・ってか
仕上がりを見てちょっと派手かなぁと思ったので、上から黒を塗りなおし、朱を控えめにてぼんやり見えるようにしてみました。曙塗りですね。最初より地味に見えますけどこれもまた味があってなかなかです。べーっだ!