本日特急わかしお16号から運用復帰したNB-16編成に電源コンセントの設置が確認された。

また大宮総合車両センターで改造を受けていたNe001編成が改造を終えて新塗装で姿を現している。

今回はこれらの件から2024年3月ダイヤ改正における房総特急の変化を考察していく。

 

・コンセント設置の意味

 今回のNB-16編成のコンセント設置は255系引退と全車指定化を意味する。

前例として波動用だったE257系5500番台にコンセントを設置して651系を置き換え、高崎線特急全車指定化

更にさかのぼるとE257系2000番台とE257系2500番台にコンセントを設置して185系と215系と251系を置き換え、東海道線特急全車指定化という例がある。

共通点としてコンセント設置後の改正で老朽化している車両を全車置き換え、全車指定化、置き換えられた車両は臨時運用含めて一切入らないと言う点である。

 このことから2024年3月ダイヤ改正で255系全車置き換えと房総特急の全車指定化は確定で、255系は2024年3月以降は一切房総特急に入らないだろう。

 

・コンセント設置方法

 ここで疑問に思う人が居ると思うがそもそも今回のコンセント設置はどうやって設置したのか?

E257系2000番台の場合は中央線特急のE353系導入で余剰になった編成から順次改造と同時に設置

E257系2500番台の場合は2015年のダイヤ改正での房総特急の運用減で余剰になった編成から順次改造と同時に設置

E257系5500番台の場合は波動用で運用が少ないので余剰になっているタイミングで設置

いずれも余剰が出来ているタイミングでコンセントが設置されている

しかし今回のE257系500番台の場合は置き換えや余剰が一切無い状態で設置している。どうやって設置したのか?

それにはE257系5000番台の運用が絡んでいます。

 

・E257系5000番台

 実は今年度のE257系5000番台は前年度までとは大きく異なっていて、編成が固定されている

OM-91編成とOM-92編成...あずさ・踊り子・団体列車

OM-93編成...新宿わかしお

以上の2つの群に別れていて、群を跨ぐことは起きていない。

OM-91編成とOM-92編成が新宿わかしおに入ったり、OM-93編成があずさ・踊り子・団体列車に入ることはないように組まれているのだ。

従ってOM-93編成の新宿わかしお充当でE257系500番台のコンセント設置分の予備車を確保することでコンセントの設置が可能な状況を作っているのである。

ちなみに平日は255系が4運用5本で予備が1本確保されていること、2024年3月の引退から今年度中の255系検査がないことから255系の予備1本でコンセント設置分の予備車を確保している

ただし繁忙期は新宿さざなみ81号が1往復、しおさい81号が1往復追加されるため繁忙期に限りコンセントの設置を一時中止している。NB-16編成が5月1日に運用復帰したのもそれが理由だろう。

 

・255系引退後の房総特急の運用を考察

 E257系500番台のコンセント設置とE259系の塗装改造から今後の房総特急の運用を考えてみよう

まず先ほども言った通り東海道線や高崎線での前例から255系は2024年3月で臨時運用含めて全車引退は確定だろう。

そしてE259系をわざわざ前面のNEXロゴを消してまで塗装変更していることからE259系が成田エクスプレス以外の運用に拡大することも確定だろう。

 現在のE259系の成田エクスプレスの運用は18運用22本なので、予備車を考慮しても2本は余剰している。

そして2021年にE259系の試運転が行われたしおさいは255系が終日2運用であることから余剰2本でそのまま置き換えることが出来る。更に成田エクスプレスの出入庫時間見直しと平日の佐倉発のしおさい4号及び成東行きのしおさい13号を新宿発着にして池袋停泊1本を幕張に変更すれば、E259系余剰2本だけで定期のしおさいを全て置き換えることが出来る。

 そしてさざなみとわかしおについては現在新宿わかしお専用となっているOM-93編成が鍵を握っている。土休日の臨時運用が最低3運用(新宿さざなみ1号、新宿わかしお、新宿さざなみ3号orあやめ系統or外房多客臨)あることも考慮すると2パターンが考えられる。

※あやめ系統=さわらかしま、あやめ祭り、佐原夏祭り、佐原秋祭り、開運初詣号

※外房多客臨=マリンアロー外房、いすみマラソン、勝浦ひな祭り

 

1.OM-93編成を平日に使う場合

わかしお3号~わかしお19号の一連の255系1運用は東京9:00発が起点であり、平日のさざなみ6号を無視すれば同時間に東京に到着する幕張入庫のわかしお4号を数分繰り上げるだけでE257系500番台で置き換えが出来る。

E259系置き換えで余ったしおさい4号分の2本をさざなみ6号に転用、昼間に幕張で分割して夕方にわかしお16号増結とさざなみ3号で5両ずつ最出庫、平日運転のわかしお2号とさざなみ5号をOM-93編成で置き換える。

この場合、毎日必要な定期運用はわかしお4号とわかしお6号でそれぞれ2本ずつ、わかしお8号とわかしお1号でそれぞれ1本ずつ、わかしお16号増結(繁忙期はわかしお1号増結)で1本の合計7本となり平日しか走らない残りの2本とOM-93編成を土休日の臨時最低3運用に充当する

 

2.OM-93編成を平日に使用しない場合

わかしお7本+さざなみ2本体制でさざなみとわかしおの完全分離

この場合わかしおの7本は全部が終日運用にならない用に上総一ノ宮の分割併合で調整して、1本程度は日中の幕張で検査が出来る様にする。基本的にはわかしお2号とわかしお4号とわかしお6号で2本ずつ、わかしお8号が1本とした上で

繁忙期以外はわかしお1号分割とわかしお16号増結で日中の幕張での検査体制を確保。さざなみの2本は折り返し時間を考慮すると姉ヶ崎発着に短縮だろう。後は上記1.と同じようにわかしお3号~わかしお19号はわかしお4号の繰り上げで置き換え。さざなみ2本分とOM-93編成で土休日の臨時最低3運用を充当する。

 

以上が255系引退後の房総特急の基本の運用のパターンの考察となる。いずれにしろ現在新宿わかしおのみとなっているOM-93編成が鍵を握りそうだ

 

・255系の置き換えはあずさと踊り子の運用にも影響を与える

土休日の臨時3運用は利用状況を考えれば通常期は新宿さざなみ1号がOM-93、新宿わかしおと新宿さざなみ3号orあやめ系統or外房多客臨でE257系500番台2本が濃厚となる。

ただし繁忙期がネックで繁忙期は新宿わかしおが5両では足りない上、上記のように新宿さざなみ81号1往復としおさい81号1往復の合計2往復が追加される。

 そのため2024年3月ダイヤ改正で繁忙期に限り中央線特急あずさまたは東海道線特急踊り子のいずれかに運用変更を生じさせた上で、E257系9両1本を新宿わかしおに充当、本来新宿わかしおに充当される分のE257系500番台を繁忙期に限り新宿さざなみ81号に回す必要が生じる。

 まずあずさの場合は現在日中に三鷹で留置するE353系1編成が朝のかいじ10号(東京10:39着)と夜のかいじ51号(東京19:15発)のみの運用で約8時間程度間合いが存在する。8時間なら新宿~松本を1往復するには余裕があることから臨時列車として活用することが出来る。現在かいじ10号到着後に新宿を発車するあずさ85号(新宿11:12発)がOM-91かOM-92になっていることからこれを日中三鷹で留置するE353系に置き換えることが出来そうだ。

 次に踊り子の場合は踊り子4号(東京12:49着)と踊り子59号(東京13:30発)は現在別の2編成で回しているが折り返し時間に余裕があることからこれらをまとめて同じ1編成で回すことが出来る。この場合浮いたE257系2000番台1本を直接新宿わかしおに入れてもいいし、先ほどのあずさ85号または1時間後のあずさ89号にE257系2000番台を入れてOM-91編成かOM-92編成を新宿わかしおに入れてもいい。

 尚2年に1度10月下旬~11月上旬の間にアクアラインマラソンが、毎年1月末に館山若潮マラソンが開催されてマラソン専用の臨時が追加で2本増えるがこれは通常期であずさの臨時運用がE353系のみで対応出来ることからOM-91とOM-92を充当させることが出来そうだ

 いずれにしろ繁忙期に限るが255系の置き換えは中央線特急あずさと東海道線特急踊り子の運用にも影響を与えそうだ。