12月17日の14時にJR東日本のホームページにて千葉支社の2022年春のダイヤ改正が明らかになった。今回はその内容から見て朝ラッシュ等に変化があった特急・総武快速線・京葉線・内房線から考察する


追記 

千葉以東の運転本数の増減はない

https://kokurou-chiba.com/wp-content/uploads/2021/12/5450b9c89d59c4003e17ea8d051d685b.pdf

C619が廃車回送されて209系6両は予備1本

 

目次

1.特急

・成田エクスプレスの大幅テコ入れ

・京葉線の朝ラッシュの最ピークにさざなみ新設

・指定席化拡大ー全車指定化は時間の問題

 

2.総武快速線

・通勤快速廃止へー特急除いて都賀以東各停停車化

・最ピークの減便は津田沼7:26発の782Fが濃厚

・夕ラッシュの減便は18時台の津田沼行きか

 

3.京葉線

・平日日中は2015年以前に逆戻り

・通勤快速の各駅停車化はさざなみ&総武快速線直通G車誘導か

・その他最ピークに各駅停車2本減便

 

4.内房線

・さざなみ4号のダイヤから考えると姉ヶ崎以南の朝ラッシュ千葉行き全廃が濃厚

・京葉線車両の千葉発着列車が2年連続で増加か

・朝に長時間停車の総武快速が多発

・混雑の激しい館山7時台上り列車が増結


5.その他

 

1.特急

成田エクスプレスの大幅テコ入れ

これは正直かなり驚きました。1991年の開業以来30年間もの間対京成のため東京~空港第2ビルノンストップを貫いたのに

まさかここでノンストップを捨てて千葉に停車する列車を大幅に増やしてくれるとは思いませんでした

千葉~新宿間を行き来している人や内房線と外房線の利用者は大歓迎でしょう

ただし残念ながら池袋・大宮乗り入れが廃止になってしまいました。まあおそらく池袋や大宮は京成スカイアクセスで日暮里まで行って山手線とか京浜東北線に乗り換える方が早いからでしょう

 

京葉線の朝ラッシュの最ピークにさざなみ新設

今回のダイヤ改正で朝ラッシュのさざなみが2015年以来7年ぶりに見直しとなり、朝ラッシュピークの木更津7:03発さざなみ4号が新設されます。この列車は東京に8:10に到着し後述する各駅停車化される現通勤快速より早く着きます。これは高速バス対策と東京までの遠距離利用者を特急に誘導して特急に1人でも多く乗ってもらうことが理由だと思われます

しかし一方で君津8:10発の現さざなみ6号が廃止となります。尚新設するさざなみ4号と廃止となるさざなみ6号は後述する内房線の話でも重要となります

 

指定席化拡大ー全車指定化は時間の問題

昨年の土休日の5両わかしおに続き2年連続で指定席が拡大されます

従来は同じ両数でも時間帯や曜日によって指定席の割合が異なっていましたが、今回のダイヤ改正で時間帯や曜日による差異がなくなり5両編成なら3両、9両編成ならグリーン車含めて5両、10両編成なら5両に統一とシンプルになります。

指定席化についてはここ数年中央線や東海道線などで全車指定化したので房総特急の全車指定化は時間の問題です。255系も製造から28年以上が経過しており最近はE259系が総武本線で試運転していることも踏まえると早ければ次回の2023年ダイヤ改正で全車指定化されるかもしれません

 

2.総武快速線

通勤快速廃止へー特急除いて都賀以東各駅停車化

今回のダイヤ改正で総武快速線から成田線に直通する通勤快速が廃止となり快速化されます。

これに伴い現在通過となっている物井は平日に限り2往復停車本数が増加されます。また通勤快速の快速化に伴い都賀~成田空港間は特急を除き各駅停車となります。総武快速線内の稲毛・津田沼・市川・新小岩の4駅についても停車されますが、稲毛以外は後述する理由で実質変わりません

 

最ピークの減便は津田沼7:26発の782Fが濃厚

プレスでは通勤快速の快速化とは別に最ピークに1本減便が記載されています。

通勤快速の快速化された新ダイヤを見ると1本目の成田6:44発の快速(現5684F)は千葉まで現行とほぼダイヤで走りますが千葉以西では現行よりも2分ほど遅くなり東京の到着時刻が7:56となっています。現在の総武快速線のダイヤを見ると千葉7:09発東京行き754Fが東京に7:51着いた後現行の通勤快速が東京に7:54にそして782Fが東京に7:57にそれぞれ到着しています。

今回通勤快速の快速化で東京到着が7:56にずれ込むことと総武快速線は15両編成の長編成で閉塞に限界があることを考慮すると最ピーク減便の対象は782Fが濃厚と考えられます

 

夕ラッシュの減便は18時台の津田沼行きか

津田沼7:26発の東京行きは幕張車両センターから出庫して東京到着後に錦糸町電留線に留置される運用です。ということは夕方時間帯の減便対象は錦糸町電留線出庫で幕張車両センターに入庫する運用が対象になります。

この時点で減便の対象は東京18:38発津田沼行き1755Fが濃厚です

1755Fが対象の場合その直前にある東京18:35発君津行き1877Fを土休日と同じように久里浜発にすることで東京発を削ることが出来ます。東京18:38発は津田沼19:07着で早い時間に幕張車両センターに入庫します。また現在錦糸町電留線出庫の東京18:51発津田沼行き1875Fを津田沼18:00発東京行き1876Fの折り返し列車とすることで津田沼7:26→東京7:57→東京18:38→津田沼19:07の1運用を丸々削減することで運用数が48に1本減少となります

 

3.京葉線

平日日中は2015年以前に逆戻り

京葉線はプレス内容見ると平日日中は単純に2015年以前のダイヤに逆戻りするだけである

ちなみに2015年以前に逆戻りというのは上りの蘇我毎時35発の快速が各駅停車となり、海浜幕張毎時50分に発車する海浜幕張発各停を廃止。下りは東京毎時18分発の快速が各駅停車して毎時10分に繰り上げ、東京毎時09発の海浜幕張行きを廃止するということである。

 

通勤快速の各駅停車化の目的はさざなみ&総武快速G車誘導か

今回千葉支社のダイヤ改正で1番残念な内容である。京葉線の通勤快速は主に蘇我以南から東京都心に通っている人にとっては必要な列車だったがそれが快速どころかいきなり各駅停車まで降格するのははっきりいってよろしくない。しいていうなら外房線は永田などの通過駅の停車本数が1本増えたことはメリットだがそれ以外は一切のメリットがない。

尚蘇我の発車時刻を見る限り各駅停車後も蘇我で総武快速と対面接続するダイヤは継続されるので京葉線東京ホームからの長い通路の乗り換えも考慮すると蘇我から君津6:29発逗子行き3676Fと上総一ノ宮6:47発大船行き3606Fの総武快速の混雑率がかなり上がることは間違いない。やはりこの2本の総武快速のG車とさざなみ4号に誘導したいのが明らか

 

その他最ピークに各駅停車2本減便

これについては通勤快速の各停停車化が前提なので各駅停車された列車に近い運用が対象となる

プレズの時刻と今の京葉線の運用表から蘇我7:12発東京行き700Yと蘇我7:24発東京行き780Yの2本が最有力となる
700Yは朝限定の01運用なのでプレスに載っている「このほかの時間帯においても、ご利用状況にあわせて運転本数を見直します。」を考慮すると送り込みの新習志野6:47発と蘇我行き601Yと折り返し後の東京8:10発新習志野行き801Yも同時に廃止となる可能性が高い
780Yも同様に新習志野7:03発蘇我行き739Yと東京8:18発新習志野行き881Yも同時に廃止となる可能性が高い
尚最有力通りとなれば京葉線は2運用減でしかも1つは分割運用の81運用が消えることになる
 
4.内房線

さざなみ4号のダイヤから考えると姉ヶ崎以南の朝ラッシュピーク千葉行き全廃が濃厚

先述のさざなみ4号はプレスによると木更津7:03発→姉ヶ崎7:16発→五井7:21発→蘇我7:30発である。

現行のダイヤでは以下の2本と重なる

普通千葉行き(130M) 君津6:50発→木更津6:57発→姉ヶ崎7:13発→五井7:19発→蘇我7:30着

総武快速東京行き(3674F)君津6:58発→木更津7:05発→姉ヶ崎7:20発→五井7:26発→蘇我7:37着

さざなみ4号の新ダイヤは3674Fの木更津→姉ヶ崎間と130Mの姉ヶ崎→蘇我間とほぼ同じダイヤで運行する。閉塞等を考えればいずれかのどちらかが廃止になるがこのようなダイヤの場合姉ヶ崎で待避が発生することや3674Fの送り込みの下り列車3575Fが君津で安房鴨川行きワンマンとの接続であることを考えると130Mが廃止になり3674Fは姉ヶ崎まで130Mのダイヤに繰り上がることが濃厚である。

ちなみに130Mが廃止になると木更津→姉ヶ崎間では君津5:54発のさざなみ2号から君津7:05発の総武快速逗子行き3744Fまで8本連続東京直通列車となり姉ヶ崎以南の朝ラッシュピークの約90分間は千葉行きが全廃となる。

 

京葉線車両の千葉発着列車が2年連続で増加か

実は昨年に続いて2年連続で京葉線車両の千葉発着が増加の可能性が高い

これは先ほどの130M廃止と関係していて130Mが廃止となると千葉5:47発君津行き123Mは折り返しとなる上り列車がラッシュピークの千葉行き全廃になる関係で必然的に京葉線車両となる。折り返し君津6:42発の京葉線各駅停車(現5624A)となり5624Aの回送が木更津~君津で営業列車と統合する形で回送が1本削減となる。

また123Mが京葉線車両となると自動的に木更津5:00発千葉行き120Mも京葉線車両となる。

尚国労千葉の労組資料より千葉以東の運転本数の増減はないことが明らかになった。そのため130Mの代わりにどこかに1本増えるが、これは以下の通りになると思われる 

現在

193M:千葉19:32発→君津20:18着→姉ヶ崎まで回送→そのまま姉ヶ崎留置

1129M:幕張から回送→千葉22:48発→君津23:35着→木更津まで回送→そのまま木更津留置 

ダイヤ改正後 

193M:千葉19:32発→君津20:18着

折り返し1120M:君津20:30頃発→千葉21:20頃着

折り返し1129M:千葉22:48発→君津23:35着→姉ヶ崎まで回送→そのまま姉ヶ崎留置

これにより1129Mは8両に増結される

尚120Mと123Mと130Mと1129Mはいずれも内房線内で2往復しかない6両なので内房線の6両がダイヤ改正前日をもって運行終了となりそれと同時に内房線は特急を除いた全ての列車が長編成(8両以上)となる


 

朝に長時間停車の総武快速が多発

先ほどのさざなみ4号の新ダイヤから3674Fは姉ヶ崎で7分程度の長時間停車が発生しそうだ。また総武快速が姉ヶ崎の4番線に定期で入る運用は恐らく初めてである(2番線なら2007年まで姉ヶ崎発着で存在していた)

また木更津7:31発総武快速逗子行き3742Fについては千葉において成田エクスプレス2号の新ダイヤが現行の3742Fの1分後に設定されるため同じく千葉での長時間停車が発生しそうだ。千葉での長時間停車と言えば君津8:39発久里浜行き3878Fも存在するがこちらは解消されるかは不明である。

 

混雑の激しい館山7時台上り列車が増結

E131系導入後平日は毎日混雑していた館山7:01発上総湊行き2122Mだが今回のダイヤ改正で上総湊7:42発千葉行き138Mと統合する形で館山発千葉行きとなり、2両から一気に8両まで増結される。その一方で館山6:21発千葉行き134Mは君津行きとなりワンマンに変更となる。君津から先へ行くには上総湊6:56発京葉線通勤快速5618Aに乗り換えることになる。その他千葉6:31発上総湊行き127Mが君津行きに短縮される替わりに君津7:24発上総湊行きワンマンが新設される


5.その他

C619の廃車及び130Mの廃止に伴い朝の総武本線上りと外房線下りで運転順序変更 


銚子6:04発千葉行き326Mと横芝6:59発千葉行き328Mの順序変更、328M(6両)は千葉7:47着、326M(8両)は千葉8:04着

328Mは現行ダイヤでは幕張車両センターに入庫するが黒砂信号場で折り返し


千葉8:31発上総一ノ宮行き237Mと千葉8:00発成東行き1635Mの運転順序を入れ替え、237Mを千葉8:05発、1635Mは大網9:01発成東行き637Mと始発駅入れ替えで千葉8:31発成東行き1637Mにする、現行の1635Mは大網8:26発成東行き635Mとする

※237Mが千葉8:05発なのは千葉8:00着132Mからの折り返し時間確保のため

328M(千葉7:47着)→黒砂信号場折り返し→1637M(千葉8:31発)


120M、123Mの京葉線車両への変更

130Mの廃止(夜の1120Mにシフトして8両化) 

1129Mの8両化

328Mの繰り上げ  

1635Mの繰り下げ及び637Mとの始発駅入れ替え

これに伴い328Mの幕張入庫と1129Mの幕張出庫がなくなる=1運用減=C619廃車


 

総評

総評すると予想していたよりも減便が緩くてホントに良かったです。特に外房線のように減便が記載されていない路線もあるため千葉支社は大規模という割にはそんなに減便していないイメージです

ただ他の支社で一部路線では大きな改悪があり特に水戸支社の常磐線土浦近辺のように想像以上に酷い内容になっている路線があるのも事実です。