静かに紡がれた物語の中で、“読書”そのものが鍵になる。ーー 『世界でいちばん透きとおった物語』 著:杉井 光
亡き父が遺した一冊の小説。
その一冊の小説が色々な人間を巻き込んでいきます。
この仕組みに秘められた想いに触れた時、読み手の心もまた“透きとおって”いく。
『世界でいちばんとおった物語』は、物語と現実の境目をそっと溶かしていくような、静かで美しいミステリーです![]()
ページをめくるたび、心が静かに研ぎ澄まされていく
文章はとても静かで穏やかなのに、心を預けて読む手が止まりませんでした。
この本を読んでいる間、何度も水に揺蕩っているような、そんな感覚に襲われました。
派手な事件も、ドラマチックな展開がなくとも、物語が進むにつれて、読み手の内側にじわじわと“何か”が積もっていきます
そして終盤になって、ある仕掛けに気付いた瞬間、静かだったはずの読書時間が、一気に意味を変えていくのです
“そういうことだったのか…!!”という驚きと共に、その仕組みに込められた想いが、胸にそっと染み込んでくる。
まるで霧が晴れていくように、自分自身の感覚も澄んでいくような感覚でした
果たして読者の方のどれくらいの方が真相編までに気付くことができたのでしょうか
物語の奥に、確かに息づいていた“想い”
この作品には、誰かの“想い”が丁寧に込められていると思います。
それは登場人物の言葉や行動だけでなく、文章の構造や物語の“静かな仕掛け”にも表れていて、こちらが気付いたときにこそ、その扉が優しく開かれていくようになっていると思うのです
大きな声では語られない感情や、遠くに置かれたままの想い。
それらを無理に手繰り寄せるのではなく、私たち読者自身の歩幅で辿り着けるようになっているのではないかと感じました
私はとてもクリアな気持ちでこの物語を楽しむことができました。
読み終えたあと、自分の中の“何か”が透きとおっていく
読み終えた瞬間、心の中にふわりと感謝の気持ちが浮かびました。
それは登場人物にたいしてかもしれないですし、作者様に対してかもしれません。
『世界でいちばん透きとおった物語』は、読書の力そのものをテーマにした物語でもあると思います。
ページをめくる行為、物語に心を重ねること、そして“読む”という体験を通して、自分の中の風景が少しだけ変わる。
そんな静かな魔法が、確かにここにあります
読後に広がるのは、派手な余韻ではなく、静かで、透明で澄んだ、でも確かに深い感情。
この本はきっと、読む人の数だけ違う“読後感”を残してくれるのではないでしょうか
あなたにとって、“読む”とはどんな時間ですか?
『世界でいちばん透きとおった物語』を読み終えたあと、ふとそんなことを考えたくなりました。
ただの物語ではなく、“読む”という行為そのものが、こんなにも優しく、こんなにも鋭く、誰かの思いと繋がるsフュだんになるんだーーそんなことを、そっと教えてくれる一冊です
明日の投稿について
明日は夜21時頃に投稿したいと思います
明日の記事は6月後半の投稿についての記事になっております
よろしければ確認しに来てください
本日もありがとうございました
