Xのポストを見ていると、”国民の8割が650万円以下ってやばくないか”というポストがバズっていた。
そんなわけないのでは?と思いちょっと調べてみた。


「650万円以下」という言葉は、おそらくだが”年収”のことを指しているのかと思う。
そして、このポストを見た人のほとんどは年収650万円が国民の8割か!と思っているだろう。

しかし、これは間違い。

8割という言葉と、2年間限定の特例措置で今回の所得税減税の恩恵を大幅に受けられる人が年収(以下、年収=給与収入のみの場合の略)665万円以下という話が混同してしまっているのだと思う。


まず8割とは、納税者の中で今回の税制措置で恩恵を受けられる(1円でも減税になる)であろう人のことを指している。
要するに所得税非課税の人は、この”8割”の母数の定義の中にそもそも入っていない。

ChatGPTと議論して筆者も初めて理解したのだが、”所得税非課税”とは決して”低所得者”を指す言葉ではない。
住宅ローン控除や扶養控除などいろいろ控除があって、いわゆる中間層と呼ばれる年収帯の人でも所得税が非課税の人もいるらしい。
なのでこの人たちも母数からは除外。
これには驚いた。


次に”650万円以下(665万円以下)”の話をする。

まず、最初のいわゆる160万円の壁税制改正で、基礎控除額が一律48万円から58万円に変わった。
基礎控除が受けられるのは年収2545万円以下までの人。

それに加えて令和7年・8年の2年間の特例措置として基礎控除額が増額される。
これは年収850万円以下の人という所得制限が設けられた。
控除額は年収帯によって変わる。

ここまでで、”650万円”とは全くでてこない線引きだが、次である。

令和7年12月18日に国民民主党玉木雄一郎代表と自民党高市早苗総裁はいわゆる年収の壁を178万円に引き上げることに合意。
これによって所得税の減税措置として控除金額がさらに変わることとなる。

まず、基礎控除が58万円から4万円引き上がり62万円になる。
これは税制改正がない限り恒久的なものとなる。

それに加えて令和7年・8年の2年間の特例措置として基礎控除額が増額されていた分の金額が変わる。今回の合意で特例措置の増額がされたのは年収650万円(665万円)以下となる。

図解すると以下。



650万円とは、今回の合意で”特別措置”の恩恵を受けられるのが年収665万円以下の人という話の数字だけが独り歩きしているのだろう。


今回の国民民主党と自民党の合意内容では、年収665万円超2545万円までの人でも基礎控除4万円の引き上げの恩恵はある。

よって、”国民の8割が650万円”というのはいろいろな話が混ざっている上に、あらぬ誤解を生んでいる。

☞基礎控除特別措置の金額について引き上げの対象になったのが年収665万円以下の層。
☞今回の合意の恩恵を受ける(1円でも減税効果がある)のは納税者の8割という概算

もうちょっと細かい話をすると…
☞103万円➡160万円➡178万円と控除額の引き上げが年内に複数回あった。
☞103➡160では基礎控除が一律10万円引き上がった=基礎控除が受けられる年収2545万円以下の納税者には影響がある。さらに年収850万円以下の納税者は2年間の特別措置分も引き上げられている。
☞160➡178では基礎控除が一律4万円引き上がった=基礎控除が受けられる年収2545万円以下の納税者には影響がある。さらに年収665万円以下の納税者は2年間の特別措置分も引き上げられている。


これらに付随してややこしいのが、年収と所得の話で給与収入850万円の人は給与所得控除(上限195万円)を差し引くと”所得は655万円”ということになる。
(そして655万円から基礎控除が引かれて”課税所得”となる)

そのため、この国民の8割が650万円以下という話に違和感を抱いた人の中で「所得が650万円でしょ?」とツッコミを入れていた方もいた。
うーん、確かに所得で考えると近いか??
ただ、このポストを見てそこまで考える人はほとんどいないと思うので、おそらく”日本国民の8割は年収650万円以下なんだ”という誤解を生んでしまっているだろう。


今回、本件を調べていてニュースの解説や新聞記事などを見ていても、記者の人も正確に理解できていないのではないかと思うほどかなり説明がぐちゃぐちゃしている。


ちなみに、ChatGPTと議論している中で筆者が気になったのは”特別措置はいつからいつまでが対象なのか”である。
先にも書いた通り特別措置は令和7年・8年の2年間ということなので、西暦にすると2025年・2026年になる。
しかし、今回の合意は2026年度から変更と書いている記事もあれば、2025年からという説もありどちらが本当なのやら…。

2025年の年末調整はこの時期だとほとんどの会社員の人は提出済みなのではないだろうか。
仮に2025年からなのであれば、会社が再計算して修正するのか自身で確定申告でもしない限り令和7年分の所得税額は今回178万円合意控除額引き上げ分がスルーされることになるのでは?
(ChatGPTの回答としてはそうだと言っていた。)

これは国民民主党の玉木代表に向けてポストして聞いてみようかな…。
せっかく高市さんや玉木さんが汗をかいてギリギリ滑り込ませた政策を反故にするのはもったいない。

還付金を頂戴してしっかり無駄遣いしたい笑


調べる中でこれもやっと知ったのだけど、
2023年岸田政権下で160万円引き上げはすでに決まっていたことだったそう。

しかし、「財源ガー」というやつでダラダラ引き延ばされ、2025年にやっと石破政権下で実行。
てっきり178万円の話の折衷案だと思っていたら、2年も前の前政権下で決まっとったんかい。
石破政権下で三党合意した178万円も「財源ガー」で引き延ばされていたけど、それは高市さんが早々に実行。
行動力大事。

約束は守ると言った高市さん。
やっぱりこういうところが好きだ。
高市総理!