6-1 | 彼岸の彼方に彼の似姿

彼岸の彼方に彼の似姿

一応、読み方は「〈ひがん〉の〈かなた〉に〈かれ〉の〈にすがた〉」です。意味は知りません。というかありません。語感です。

コメント頂けると嬉しいです。

小説読んでくれたらもっと嬉しいです。

感想くれたら死んで喜びます(※死にません)



 ウチ以外が巽に触っていいと思ってるの?
ウチ以外が巽と話していいと思ってるの?
ウチ以外が巽を襲ってもいいと思ってるの?
ウチ以外が巽を殺してもいいと思ってるの?
 ねぇどう思う。イフリート?
《同意する。が、お前の気持ちを助長させるにはうってつけだったな。》
そう。
ところであなたの能力、何気に高いわね。
あの魔章保持者も一撃だった。
《ふん。我の実力をあの程度と思ってもらっては困るがな。》
 しかし、ウチが学校で襲うと決めてから襲うだなんてありえないわ。
ぶっ殺してやりたいくらい。
《くっくっくっく。あの、キラキラが憎いか。》
そうね。
当面の間はアイツの削除が問題ね。
 《我でも勝算が100%とはいかぬ強者だ。奴は。》
そんなに強いの?
《世界で4人しかいない、完全魔章保持者のうちの一人だ。
魔章は「精霊蟲」と呼ばれる「ウィル・オー・ウィスプ」。
あの、魔章保持者を倒した武器、いや神器というべきか。
あれは、「ブリューナク」。其の昔、ケルトで信仰されていた太陽神が所持していた槍だ。》
それを何故「ウィル・オー・ウィスプ」が?
 《『金の悪魔の特異性』を知らんのか?》
ええ。
ウチは詳しくないから。
 《あいつらは全てが等しく、『ヘパイストスの作品』だ。故に、『一人につき、一つの魔章』という大原則が唯一適用されない。
意思を持つ悪魔というより魔の力を持った武器なんだ。
そして、その特性によって概念としてほかの悪魔に取り込まれることが多々ある。
この場合は『光』の概念が合致したのだろうがな。
神が使う武器。あれは、既に神器とよぶべき代物だろう。
原典(オリジン)にある『追尾』『索敵』『光の破壊力』『速度』を持ち、且つ、過剰魔力による空気の電離とそれに伴う『雷撃』。
必殺の『疾く駆ける雷迅(ブリューナク)』だ。》
 へぇ。流石は学園長といったところ。
ま、いいわ。
いくらウィル・オー・ウィスプと言ったって、火の眷属なのだから。
私たちに敵う筈もない。
《それもそうだな。》