4-4 | 彼岸の彼方に彼の似姿

彼岸の彼方に彼の似姿

一応、読み方は「〈ひがん〉の〈かなた〉に〈かれ〉の〈にすがた〉」です。意味は知りません。というかありません。語感です。

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ラーメン屋を飛び出して10分。
俺んちに着くと、俺んち(跡)になっていた。
「あなたがこの家の住人ですか?」
「はい。」
「炎は蝦蟇(トード)の魔章保持者が消してくれましたが、残念ながら全焼してしまいました。」
「悪魔は特定できましたか?」
「いえ、それが……」
警察が言うには、
魔力の痕跡が一切無い。
これは、魔力を隠す能力を持った中級以上の悪魔である証拠。
南瓜王(ジャック・オー・ランタン)、鬼火、火炎蜥蜴(サラマンダー)とか
『プロメテウスの剣』イフリート……はないよなぁ。
俺もう死んでるだろ。
もしくは、魔章保持者、か。

「子午。明日から学校の寮に住むことになるけど……いいか?」
「うん。しょうがないよ。」
雀とかアリシアにばれなきゃ良いけど。


そんなことを考えていた巽のすぐ近く。
戌井家の正面にある家。その"上"に彩詩は立っていた。

《あれが、お前のターゲットか?》
そう。やっぱり家にはいなかったみたいね。
《この程度の距離、我にとっては無いも同然。
突然発火させてもよし。矢にして打ち込むもよし。
いっそこのまま飛び降りるのも面白かろう。》
ふふふ。でも、気づかれないまま追い込んで最後に絶望を味わわせた方が楽しいよ。
《さすが、我に選ばれただけある。十分な殺意だ。》
次は……
《もちろん》
目の前で虐殺するには
《「学校」》「よね」《だろう》
謀ったように同時に口にした一人と一体は知ってか知らずか、嗤っていた。