私が中国に住み始めて、7年が経過しましたが。
一般的に良く言われるのが、外国に住むほうが
日本のことがよく分かるということ。
これは本当のことで、毎日触れる中国人や
中国の文化、思考,行動など
いつも日本という自分の母国を基準として
比較するとうい作業を毎日膨大に
こなす故に、やたらと日本という国が
人が、文化とはいったなんなのだろうと
問う気持ちが、強くなるゆえに
そして、問えば問うほど
日本人とは、日本とは一体どんなもんなんだろう
と分からなくなってくる。
よく中国人ってやつは、中国人というのは、と多くの日本人は言いますが
どちらかと言えば、グローバルスタンダードでいえば
中国人のほうが、ふつうで、日本人が特殊で
変わっている。。。
というのが、以前にニューヨークにも住んでいたときも
強く感じたこと。
日本人や日本にはいいところがたくさんある。
毎年帰国する度に、日本の良さやすごさが
身にしみて感じることができます。
aiaiといつもそういったのんき夫婦内で話し合う
日本文化論みたいなものの話が盛り上がります。
大連の自宅で見る、NHKのテレビで
日本ってほんとうにすごいねえ。。1時間に1回は
そういう話になります。
すごいねえっていうのは。。
手先の器用な匠の技があったり
民度の高さ
細かなサービス
技術力であったり。。
こんな民族は世界を探しても日本だけ。。
以前ニューヨークで、仕事をさがすために
ジョブフェアーに参加したときに
ある日本の企業の役員の方が。。。
これから世界の中で、日本が中心となる
21世紀はアジアの時代で、日本がリーダーシップをとる
そう言っていたのですが、
私としてすごく違和感がありました。
それでも先ほど挙げた日本の良さは
確かに、世界の中心になれるような
そのような潜在力があるような、ないような。。
そんなことを思わせます。
そんなもやもやを、払拭してくれたというか
なるほど、そのように考えるとすべてのつじつまがあう
そう思った本が、タイトルにある。
『日本辺境論』という本とでした。著者は内田樹という人で
最近この人の書いた本にはまり、6,7冊の本をアマゾンで
購入し、読んでおります。
- 日本辺境論 (新潮新書)/内田 樹
- ¥777
- Amazon.co.jp
日本辺境論というこの本、私が何度も読みながら
深く深くうなずく。。また中国で暮らしている自分にとっても
ものすごく説得力のある本でございました。
著者自身が本書の要約を以下のようにまとめている。
『日本人にも自尊心があるけれど、その反面、ある種の
文化的劣等感がつねにつきまとっている。
それは、現に保有している文化水準の客観的な評価とは
無関係に、なんとなく国民全体の心理を支配している。
一種のかげのようなものだ。
ほんとうの文化は、どこかほかのところでつくられるもの
であって、自分のところは、なんとなくおとっている
という意識である。、おそらくこれは、はじめから自分自身を
中心にしてひとつの文明を展開することのできた民族と
、その一大文明の辺境諸民族のひとつとして
スタートした民族との違いであると思う。』
著者自身もこれらの引用は
半世紀も前の、梅棹忠夫の『文明の生態史感』からだと言っていますが。
日本という名前も、日が昇るところという意味であり
それはある場所から見て、日が昇る。。。
ある場所というのは、中国である。
タイトルにある辺境というもの
対をなす概念は中華である。
中国、中華からみて東にある、日の本、日本。
そして近代になってからは、欧米の国々をからみた
ジバング、黄金の国、JAPAN。
仮名とは、古来からの日本語の口語であり
仮名の反対語は、真名。。
真名とは漢字のことであり、
中国からきた、外来の言葉を、真名の真とおき
自国の話し言葉であったものを仮の名として仮名と
おく。。
さきほどいった、
ほんとうの文化は、どこかほかのところでつくられるもの
であって、自分のところは、なんとなくおとっている
という意識である。
著者は、辺境人であるということが、悪いといっているのではなく
それが日本人の強みであるとも言っている。
辺境であるがゆえに、外部のイデオロギーを貪欲に吸収できる。
変化できる民族であると。
そういう意味で言えば、変化できる民族であるなら
遠い将来では、世界で生き残れる民族なのではと
思いますが。。。
中華思想とは、中華の民は世界の中心である。
中華の周りにあるのは、どこも野蛮で、辺境の民である。
そのようなコスモロジー(宇宙感)が存在し、日本もずっと
そのコスモロジーのなかで存在していた。
私は今大連、瀋陽、西安で100人以上の部下がいますが
確かに100人すべての部下にそのようなものが存在すると
ここで6年くらしいてそう感じます。
中国にいて、中国人と日本人の見分け方は
服装なり、身なりなどがよく言われますが。。
私が思うに、一番の違いは、そのたたずまいが違うと。
日本人はどこか、いつも恐縮しているのです。。
中国人はどこか自信満々。。。
中国にある幼稚園で、日本人幼稚園では大事なのは
協調性。空気をよむこと。
中国での幼稚園では、俺がNo.1という感覚。。
これも先ほどいった。
『はじめから自分自身を
中心にしてひとつの文明を展開することのできた民族と
、その一大文明の辺境諸民族のひとつとして
スタートした民族との違いであると思う。』
ということと、一致するような気がします。
この本を読んで、すっきりしたことは
日本人とはなんのなか。
日本人である自分が外国で生きていくのに
どのように自分を定義しておけばいいのか。。
そんなヒントを私に与えてくれた本です。
日本辺境論。。。目からうろこです。。おすすめの本です。
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