おはようございます。

 

今回はオーストラリアの医療システムの話です。

10年間もオーストラリアに住んでて、そんなことも知らなかったのポーンと、呆れて頂ければ幸いです。

 

さて、老眼だし、初老だし、関節もバキバキ、膝なんてガラスの膝と命名され「一生治りません、上手に付き合ってください」と言われた私が言うのも何ですが、健康だけには自信がありました

 

小さい頃から健康で、小中学校を通して風邪ひとつひかず、気がついたら9年間過ぎてて、目指してもいなかったのに皆勤賞を頂きました。

 

中学校の時は大嫌いな水泳競技会を欠席するため、体調を崩そうと試みて、大会前夜に雨の降る中、水着を着用したままベランダで寝たのに、風邪ひとつ引かず残念ながら参加。

image速さを競うよりも、やり切ることが重視された競技でした。

ビリの選手が、泳ぐというより水死体のように漂いながらゴールした時には、会場から拍手が上がりました。

 

憎い、この頑丈な体が憎い。

 

鼻血とか出したり、貧血などで目まいがしたりして、朝礼の最中に体育館の端で寝ているお友達を見て、

 

 

image

 

と何度思ったか分かりません。

 

ずっとそんな感じだったので、オーストラリアの永住権を取る前も保険なしで乗り切り、永住権を取ってからは、国民健康保険(medicare)だけで十分、民間の保険会社に入ることも考慮したこともありませんでした。

 

そんな自分でしたが、2年程前からでしょうか、なんかお腹が出っ張って来たような気がしてきたのです。

 

単なる中年太りだろ

 

と思っていたのですが、なんだか全体的に膨らんでいるというより、腹の片方だけ不均等に出っ張っているような。

 

っていうことは、寝てる間にエイリアンに幼生でも産み付けられたか。

 

こんな感じ。こいつはフェイスハガ―っていうらしい。

 

いつか腹から飛び出してくるかも、とか言ってたら、良識ある友人に「現実逃避ばかりしてないで病院へ行け!」と諭され、病院へ検査に行くことにしました。

 

さてどこに行けばよいのか。

 

日本なら内科、胃腸科、あるいは婦人科へ行くところですが、内科ってダーウィンで見たことない。

 

歯のチェックは歯科、皮膚癌のチェックは皮膚癌専門医、なら腹のチェックは腸の医者だろ、と大腸内視鏡検査機関へ直接問い合わせて、検査してくださいと言いました。

 

そしたら半ば呆れた感じで「GPへ先に行ってくださいイラッ」と言われました。

 

はい!注目!!

 

こういう場合はGP (General Practitioner) に最初に行くようです。

 

日本語ではGPは一般開業医。

風邪や腹痛など、一般的な全ての症状を診てくれ、もし専門医が必要な場合は紹介もしてくれます。

 

もちろん友人には「そんなのオーストラリアの常識。何年ここにいるの?」と言われました。

 

10年ですけど。なにか 真顔

 

そこで言われた通りにGPへ行ったのですが、これもまた分からないことだらけ。

 

ドクターに会い、お腹を診てもらったのですが、内部を診なきゃ分からんというので、内部のスキャンを撮ることになり、誰かがその手続きをしてくれるもんだと思って受付に行ったら、レントゲンしてくれる場所(隣のビル)に行って、自分でその手続きをしなきゃいけないって言われました。

(予約はすぐに取れず3時間待ち)

 

しかもそういうことをドクターがサラーっと言うだけで、受付やナースが教えてくれるでもない。

分からなければ、自分で聞いて行動しなければ何も起こらないのです。

様々な質問をするため、何度受付と待合室を行ったり来たりしたか。

 

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この不審な中年女と目を合わせたらあかん。

 

こう考えてみると日本はすごいなあ。

日本にいる時にも病院にはあまり縁がありませんでしたが、医者の診断が終わったら看護婦さんが出て来て「はい、2階へ行ってレントゲン撮ってください。そしたらまたここに戻ってきてください」って全部テキパキやってくれるので、こちらはぼんやりしているだけってことが多かったような。

 

さて、診断が終わって、支払をしようと受付でしばらく待っていたのですが、名前がなかなか呼ばれない。

 

痺れを切らして、「お金払ってないんですけど、どうすれば」って、またまた受付に行ったら「払わなくていいんです」と鼻で笑われる始末(Bulk Billing※だった。そんなことも知らなかった←恥笑い泣き)。

 

※Bulk Billingとは医療機関が直接国へ診察・治療代を請求すること。税金から支払われるので、その場で代金を払う必要がありません。

 

後日、スキャンの結果が出た後にGPへ再び行くと、ドクターは「様子を見ましょう。このコブは消えるかもしれません。病院から再検査の通知がいずれ来るはずです」って言うので、いずれっていつハッと思ったものの、通知が来てから考えようと思っていたら、気が付くと1年半ほど経ってました

 

おいおい。

 

患者が結構放置されるオーストラリア

 

膨らみも消えるどころかどんどん大きくなっている気がする。

 

再び良識のある友人から「病院へ問い合わせろ!1年以上放っておかれるなんておかしい」ってプレッシャーが。

 

まさか病院が忘れているはずがないし、そんなことをしたら病院に迷惑だと思ったのですが、しぶしぶ公立病院へ直接行って、いつ頃予約の通知が来るか問い合わせたところ、

 

偶然ね!!あなたの名前は順番待ちリストの一番上で、近いうちに連絡するところだったのよ!明後日予約できます!

 

と、偶然が重なって、いきなり怒涛の展開!!

 

あの一年半は何だったんだろう(遠い眼)真顔

 

内部の写真を再び撮り、ドクターに診てもらうと、今や腫瘍(良性)は結構なサイズで(12センチ程)これを取るのに手術・入院が必要職場も6週間程度休まなければならないこと、手術の予定は3ヵ月くらい経ったら病院から連絡が来ることなど立て続けに言われ、激しく動揺したため、自分の病名も、ドクターの名前も、質問がある場合の連絡先もよく把握しないまま手ぶらで職場に戻りました。

 

役立たずな自分。

 

当たり前ですが、ドクターは耳慣れない医療用語を使います。

そして大抵のドクターは忙しくてスケジュールに追われてます。

 

もちろんドクターはイラストを使って説明してくれたりもしますが、早口で、急いでいるのが明白。

 

空気を読むのが世渡りのコツと教えられた日本人として、ちょっと不明な部分があっても、つい愛想よく「うん、うん」などと返事してしまい、あとで「あれなんだっけ」ってなってしまうことがよくありますが・・・ああ、お調子ものの自分が憎い!!

 

※そんな時のために公立病院には通訳サービスがあります。日本語ももちろんあるので、自信がない人は頼むのもいいかもしれません。

あるいはこういう場合は誰かと一緒に行った方がよかったのかも。

 

そしてまた出た、「こちらから連絡します」!

 

全力で信じないぞ。

 

ここで心機一転。

受けてばかりじゃダメ!積極的にならなきゃ!

攻め攻めの患者になるのよ!

 

セイセイセイッ!!(って言ってみたかっただけ)

 

早速、その専門科の窓口へ直接行って(電話番号すら分からなかった)「ドクターの説明で分からなかった部分があるので、診断書をもらうか、誰か説明してくれる人と会いたい」と尋ね、ナースに会って症状のパンフレット(口頭よりも紙の方が自分には有り難い)をもらって、ドクターの名前と手術の手順を聞きました。

 

3か月経っても当然連絡が来なかったので、病院へ連絡し、手術の日の仮決め → 手術の1か月前にも手術日の本決まりの連絡なし(当然) → 病院へ再度連絡 → 電話にて手術日確定。 手術前の説明する日を設定 → 今さら手術日の正式な連絡 が封書で届く → 事前説明に出席。最終確認。

 

で、今に至ります。

 

病院のスタッフもドクターたちも、会えば対応はいいし、親切なんですが、忙しすぎるんですよね。

 

もしあの時、言われた通りに通知を待っていたら、未だ手術日はおろか、専門医にも診てもらえてなかったかもと思ったり。

 

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大きくなるエイリアン腫瘍を抱え途方に暮れる自分

 

まあ、そんなこんなで今日手術です。

 

次のブログでは病院で起こったことなど書こうと思ってます。

どきどきするなあ。

 

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※このブログはAJANTの一会員が個人的な意見を書いているのものであり、必ずしもAJANTの団体としての意見を反映するものではありません。

 

 

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