28・1・16

 表題は一月十六日の日経(夕)トップの見出しである。

 このところ続けざまに日本人の学者がノーベル賞を受賞した。大へん結構なことである。心からお祝いしたい。

 しかし、日本の教育を理系だけに重点を置いて学校の拡大、留学資金の支援をするというようなことは、さて、如何なものであろうか、と思わざるをえない。

 日本は比較的に相互に言葉を習得し易い西欧人に比べて、その業績を認めて貰うのは困難な点がある。文系は理系に較べて特にそうだと思う。しかし、日本の例えば文学において、各国に劣らない優れた作品を出している作家もいくらもいる。その業績をもっと世界の人々に認めて貰いたいと思っているし、国も亦、その方面での努力もいたすべきものだと思っている。

 それだけに「理系ニッポンを磨く」政府の方策については、充分再考を促したいと思う。