27・7・5

私は、この人の文章を前から気に入っていて、ひところ目についた本を買って読んでいたが、正直言って、これはあまりいただけなかった。どうしてか、自分でもわからない。

しかし、東京―江戸は変り方が少ない―少なくとも地形は所だと思ったのは、数日前に横浜へ出かけた時である。六年間見なれた根岸神社は健在であったが、木造の小学校は今も昔を忍ぶ余地もない鉄筋の校舎に変っているし、道路なども随分変っていた。

戦後入った米軍が長いこと盤踞していたせいだろうか、土木重機械のせいか、かなり土地の様想が変ってしまった。昔をしのぶ由もない有様である。

それと比較して東京を思うのである。

もっとも、ハマッ子の私は、ヨコハマをよく知っていて、東京を知ることまだ浅かったせいかもしれない