東京―名古屋間のリニア中央新幹線の工事化実施計画がこの九月十七日国土交通省により認可され、手続き上の着工となった。
駟も舌に及ばずの感はあるが、私は、現在の新幹線、空路など他の交通手段との関連をもっと煮つめて結論を出すべきではないか、と思っていた。
九兆円もの資金を投じてリニアを作るよりも、空港をもっと整備した方がよいのではないか、リニアはできたけれど空港がガラガラになっていいのか、都市間の交通量全体をどう見積り、それを各ルートにどう配分して行くのか。といって、これは国だけで決定できないし、見込みの問題でもある。
自然エネルギーの開発の問題について、太陽光を野放しに着手し、電力会社に買取り義務を課しているけれど、電力の全体の需給計画は一体どうなるのかも見極めないでスタートしたことの行詰りは太陽光発電の全量はとても買い切れないような状態がもう来ている。まことに無計画も甚だしい。それに似たようなことが、交通、少なくとも大都市間交通の問題でも起きているのではないか。
JR東海がリニアは既定計画だと言うことは勝手だけれど、国の交通計画全体にかゝわる問題で、放置するわけには行かない。
所用で空を飛んで急ぐ旅も旅であるけれど、ゆっくり車窓から変る景色を眺めながら行く旅も旅であると思うので、その辺を全体的に検討する必要はあると思う。