北陸の人からあゆを送って来たという。あれの揚げたてを甘酢で食べたらおいしい、と舌なめずりしたくなった。
京都であゆの食べ方を教わった、先ず、あゆを縦にして、上から箸で順に抑える、次に首のところで骨を折って、尻尾から骨をそろそろと抜く、蓼酢をつけて一気に食べる、わたと一緒に。
十年も前に三重県の鮎の家で鮎を腹一杯食べた。刺身、煮たり、焼いたり、おつゆにしたり、揚げたり、すき焼きにしたり、あまり大型ではないあゆを四十数匹食べた。十二分に堪能した。
あゆを釣るのはなかなか難しい。若い頃、秩父の上流にあゆを釣に行ったことがある。宴会もほどほどに早寝して、三時頃から仕度をして渓流に行った。友釣りである。十一時頃まで八時間もねばったが一匹も釣れず、ほとほと疲れたことがあった。
釣は嫌いではなかったが、あの時は酷かった。