25・9・29
今は離れているが、以前、国の政策にかかわっている時、いつも思ったのは、経済対策は数字計算からだけではきまらない、ということである。
例えば、消費税率の引上げである。消費税の税収増は確かに景気を冷やす影響を与える。ただし、その与える影響は税額の増収額だけではない。その税率を引き上げること自体の重みが大へんな影響があることは、過去の実例に徴してもいえることなのである。再三言うが、景気とは飽くまでも「気」なのであって、色々複雑な要素に分解できようが、そういう計算は計算として生身の景気は意外な反応を示すものなのである。そこが怖い。
といって、引き上げると決めたら逡巡しないで断固実施したらいいのであって、いろいろためらったりしない方がよい。
やるような、やらないような暖味な態度が一番良くない。政府がためらっているように見えては、国民の疑心暗鬼は高まるばかりなのである。