25・9・1

 情報局を作り、内外の情報の蒐集と管理を内閣として一元的に処理すべきだ、という意見が出ている、と新聞にも出ていた。

 実は、私が主計局長をしている時、田中角栄氏が総理大臣に任命されて間もなく官邸に呼ばれて、自分が総理として新政策を打ち出したいので考えてみてくれ、という話があった。

 急な話であったが、一晩考えて田中総理に提出した新政策は次のようであった。

 ①国土総合開発庁をつくる。

 ②老人対策本部をつくる。

 ③情報対策本部をつくる。

 よしや、というので、①と②は即決で実現したが、③の情報センターの設立は統計局、厚生省、労働省などの反対で実現しなかった。

 私は、日比谷図書館の隣地に大型コンピューターを置いて情報を集中的に蒐集、管理し、将来的には、失業保険、労災保険、健康保険、厚生年金などを統合し、保料法の徴収などは国税庁に担当させる、という考えであった。

 田中氏が金脈問題などで矢脚したので、実現は出来なかったのは残念である。

 相沢英之著「一日生涯」121P~122P