このところ新聞に極秘通信を傍受したのしないの、多額の資金が動いているの、などいう記事を見る。
私は、そんなことは当り前のことぢゃないかという気がする。第一傍受されて困るような通信はしない方がいい。傍受されないように工夫を凝らすべきだし、金が動くのも当り前だと思う。
情報の世の中である。日本はどうも情報面では弱い。大東亜戦争の時も、米国には完全に暗号を解読されていて、日本側の情報は筒抜けであった、と言われているではないか。もっと金と勢力をかけて、日本も情報収集し管理できるようにすべきではないか。
中支の戦線にいた時、われわれは四桁の乱数表を使っていたが、素人のわれわれでも、もし、乱数表が敵の手に入ったらどうするか気にしていた。三ヶ月に一辺乱数表を変えると言っていたが、前線の戦闘で乱数表が敵の手に落ちたらどうなるか、などという心配もしていた。
何だか、幼稚だなァという気がしたが、事実そうだったのかも知れない。
山本五十六大将の行動も暗号解読で読まれていたではないか。お粗末というしかない。