25・6・9
石原前都知事が尖閣について国が何もしないのにいわば腹を立てて、都で購入する方針で、広く国民の浄材に財源に期待したとはよかったと思う。
だが、それから先が問題である。どうも都の所有となって、石原氏の考えのように漁民の緊急避難時の施設を作ったりしたら、中国を刺戟して大へんと思ったのか、いきなり国を買うことに決めた。
ところが、読みが全く間違っていた。都で買うよりも、国で買った、という事を中国は重大視して、文句をつけて来たのである。
どうも、国の行動の裏の意図は、国で尖閣諸島で買うのは、従来どおり何もしないでほっておく考えであり、その旨も先方に伝えていたのではないか、とさえ感ぐっている。
ところが、そこに中国の受け取り方にへんな読み違いであった、と言わざるをえない。
この問題は、尖閣の領有を中国が陰に陽に問題にし始めて久しいのに、長い自民党政権時代を含めて、何等具体的対策をとらず、領土権問題は存在しない、と空念仏みたいに唱えているだけだった、ことがそもそもいけなかったのである。
それこそ実効支配を明示できるようにちゃんとした灯台を置き、漁船の避難施設を造り、要すれば、自衛隊の部隊を駐留させるようにすれば良かった、と思う。相手が相手で、いろいろな実績を見せて貰っているだけに、相手を刺戟しないようと、ばかり考えている、いつもの外務省流のやり方はとても戴けなかった、ことが判明した事例である。
切角、国有化を明らかにしたのだから、遠慮しないで、実効支配の実態を示したらより、と思う。