「遠い迷宮」 25・3・10 阿刀田高のミステリー短篇を10集めたもので、彼らしい作品である。すらすらと乗せられて読んで行くうちに、ふっとしたら、思いがけない結末に結びつけられて了う。ミステリーはこわごわ読んで、しかし、これは小説だよと思うところで根柢には安心がある。深酷に受けとることはない。娯楽性を楽しめばよい、と思っている。