25・2・14

 渡辺淳一のものを久しぶりに読む。初期の頃らしく、ふんだんに医者の経験を採り入れて、好悪を離れて、医者としての研究心が働く世界、時に眞に冷えて見える世界を描く。

 ダブル・ハートは作者が働らいていた札幌医大での心臓移植の体験が土台にあると思われるが、世の中を湧かせた一章。