24.12.27

日銀は安倍総裁の強い要請を受け、物価目標を導入することにこの20日記者会見で表明した。

あれほど強く反対していたのに何だという気がしないわけでもない。かつて10年以上も前、速水総裁の時代にインフレ・ターゲットの設定を私が要求した際の彼の明白な返答はノーであった。当時、私は、自由民主党の金融問題調査会長をしていた。

反対の理由は、もしインフレ・ターゲットの設定によって物価が上り始めた場合、これをとめるべき手段がないと言うものであった。

日銀は物価を安定させることを一つの大きな使命としているものではないか、物価の上昇を適度に抑える手段がない、ということは、そもそも日銀は物価をコントロールする手段を持ち合わせていない、ということを告白するに等しい。ということは日銀の機能そのものを否定することになるのではないか、と言ったことを覚えている。

変れば変るものである。

然し、結構な変化である。インフレ・ターゲット2%の設定を是非実行して貰いたい。