24.10.28

日本郵政が傘下のゆうちょ銀行などの来年四月を目指す住宅ローンなど新規事業の開始については、民間金融機関などの反発を招いている。民業圧迫という見地であろう。その反発を柔らげるために、日本郵政は二〇一五年秋をめどに株式上場する計画を一〇月二十六日政府に示している。

政府や金融界は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式売却を先送りしたことについて異議を唱えている。

私は、そもそも、財政投融資のいわば解体を急いだことに問題の端は発していると思っている。例えば国民、中小、農林、住宅、輸出入、経済協力のなどの金融機関の業務を統合し、思い切って縮小したことは本当に国民生活や経済にとって良いことであったか、どうか、前から疑問に思っている。

民間で出来ることは民間に委せるという大方針は悪いこととは思わないが、ただその原則だけで世の中がうまく回転して行くとは思えない。

そのことは、昨春の東北大災害の際にも思い知らされたことではないか。結局、政府として現地の需要に応えて金融面で対策を考えるとなると、どうしても昔の政府関係金融機関の働きに頼らざるを得ないところが出てくる。

災害復旧公共事業はもとより政府の事業として拡大して行かねばならないし、地震保険にしても、政府の再保が不可欠をなっている。

民間の金融機関がもっとリスクを覚悟して災害関係の金融に乗り出してくれればいいが、どうも不充分である。リスクを恐れるの余り、急場の需要に応じられない。無理もないところもあるが、それでは、問題は解決されない。

この辺は、も一度根本的に検討をしてみる必要があるのではないか。