24・8・4

 日本の銀行の貸出残高はバブル崩壊後100兆円以上減少した。すなわち、今年6月末の貸出残高は395兆円で、これは20年前の6月末の貸出残高512兆円から約120兆円減少し、預貸率も7080%で頭打ちとなっている。

 欧米の銀行もかのリーマン・ショック後似た様な推移で預貸率が低下し、貸出額の圧縮が続いている。というので、日本だけの減少ではないという。

 しかし、私は、近頃銀行の貸出について不満をもっている。銀行が預金者に対する信用保持のためにも貸出については慎重でなければならないのはわかるにしても、いささか慎重過ぎるのではないか。銀行は質屋ではないのだから、担保があれば貸す、なければ貸さない、というのではなく、しっかりした企業家が確かな計画をもって仕事をしようというのであれば、假に担保が充分でなくても、それこそ活眼を開いて貸出の決断をするのが銀行ではないか、といいたい。

 これには金融検査の在り方なども影響していると思われるので、その辺も反省を促したい。このような状態で推移する限り日本の経済の発展も望み薄となると思われるが、如何。進歩、発展にはリスクを伴うものであり、だから利息も充分にとっているにではないかと言いたい

 中国などの銀行が旺盛な活動を国内のみならず、海外に向けて伸ばしている話を聞くにつけて、こんな感慨を深くする。